群馬県は、深刻化する医師不足に対応するため、大学の医学部生に奨学金を貸与し、卒業後に県内医療機関での勤務を義務づける「地域枠」を拡大する方針を発表しました。この制度は、群馬県内の医療機関に医師を定着させることを目的としており、来年度から都内の3つの大学に新たに「地域枠」を設けるなど、9名の定員増を目指しています。
群馬県の医師充足度を示す「医師偏在指標」は全国で37位と低く、医師不足が深刻化しています。これを受け、山本知事は19日の定例会見で、「地域枠」の拡大に向けた具体的な計画を説明しました。新たに「地域枠」を設置するのは、東京医科大学(2名)、杏林大学(1名)、帝京大学(1名)であり、2025年4月からの導入を予定しています。また、群馬大学にすでに設置されている「地域枠」も、現在の18名から23名に増員する方向で調整を進めています。
これにより、来年度からの「地域枠」の定員は合計27名となり、医師不足解消に向けた取り組みがさらに強化されます。
奨学金の貸与額は在学中の6年間で総額750万円から1800万円に上り、卒業後に県内の指定医療機関で10年間勤務すれば全額返還が免除される仕組みです。群馬県はこの制度を通じて、医療現場における医師の確保と定着を推進し、県内の医療サービス向上を目指しています。