2023年に発生した能登半島地震の被害を受け、進学の夢を諦める高校生が増える懸念が出ています。このような状況を踏まえ、富山・石川両県のロータリークラブ（RC）で構成する「国際ロータリー第2610地区」は、新たに返済不要の奨学金制度「ロータリー希望の翼奨学金」を設立しました。この制度は、義援金を原資として、大学や短大、専門学校への進学を希望する被災者の進学を支援するために設けられたものです。
能登半島地震では、家屋の損壊や保護者の収入減少など、家計に大きな打撃を与えました。この影響で、進学を諦めざるを得ない学生が増えることが懸念されていました。しかし、この奨学金制度により、被災した高校生や既卒者が学業に挑戦する機会を得られます。2年間にわたり1人当たり60万円の給付が予定されており、2023年度には120人、2025年度には80人、2026年度には60人が対象となります。
「ロータリー希望の翼奨学金」は、富山県と石川県内に住む、大学、短大、専門学校への進学を目指す高校3年生や卒業後2年以内の既卒者を対象としています。奨学金の受給は返済不要で、学業に専念できる環境が整えられます。
奨学金の利用範囲も広く、授業料の補填だけでなく、生活費や通学費にも充てることが可能です。住まいや生活環境が地震で影響を受けた家庭にとって、大きな経済的な支えとなります。
この奨学金制度は、地域社会に貢献するロータリークラブの活動の一環であり、被災者の未来を支えるという使命感に基づいて設立されました。進学の機会を提供するだけでなく、地域全体の復興や若者の将来に対する支援にもつながっています。被災地での夢を持ち続け、未来を切り開こうとする若者たちにとって、この奨学金制度は、進学への第一歩を後押しする貴重な助けとなるでしょう。
「ロータリー希望の翼奨学金」は、能登半島地震で被災した高校生や既卒者が、進学という夢を諦めずに挑戦するための重要な支援策です。返済不要の奨学金制度により、経済的な不安を軽減し、被災した若者たちが未来に向かって前進するための力を与えるでしょう。
