労働者福祉中央協議会が実施した調査によると、日本学生支援機構の貸与型奨学金を利用した人の約半数が、返済が「日常的な食事」に影響していると感じていることが分かりました。また、約4割が「医療機関の受診」にも影響を受けていると回答しました。これらの結果を受け、協議会は返済制度の見直しと救済制度の拡充を求めています。
調査は2023年6月にインターネット上で行われ、3,000人が回答。このうち657人が奨学金利用者でした。調査対象者の奨学金総額は平均344万9,000円で、返済中の人が60.3%、返還猶予制度を利用している人が13.1%、延滞中の人は3.3%にのぼります。さらに、返済が「結婚」「出産」「子育て」に影響を与えていると答えた人も約4割で、これらの割合は前回調査(2022年)より増加しました。
特に、40~45歳の年齢層では、返済を終えた人が3割未満であることが明らかになり、奨学金返済が長期間にわたり生活設計に大きな負担を与えている現状が浮き彫りになりました。この結果は、所得に応じた柔軟な返済方法や、経済的困難に直面している人々への支援策が急務であることを示しています。