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薬剤師不足解消 三重県が奨学金返還支援制度を導入

三重県では病院勤務の薬剤師不足が深刻化しており、その解消に向けた新たな取り組みとして、来年度から奨学金返還支援制度を導入します。この制度は、県内の病院で働く薬剤師を対象に、奨学金返済を支援する仕組みを提供し、薬剤師確保を目指します。

厚生労働省の調査によれば、三重県の薬剤師の充足率は全国平均を下回り、特に病院での不足が目立ちます。その背景には、病院薬剤師の業務負担が重く、給与が比較的低いといった課題があり、この状況が採用難に繋がっています。病院勤務の薬剤師が減少すれば、医療の質や患者へのケアに影響が出る恐れもあり、早急な対策が求められていました。

新制度では、対象となる薬剤師が病院で勤務した場合、毎年度40万円、最大3年間で120万円が支給され、奨学金の返還に充てられます。奨学金返済の負担が軽減されることで、経済的な理由で病院勤務をためらう薬剤師の支援が期待されます。

奨学金返済の負担が進路選択に影響を与える事例は少なくありません。特に医療や福祉分野では、奨学金の返済が職業選択の妨げとなるケースが指摘されています。今回の三重県の取り組みは、奨学金問題に対する具体的な解決策として、他の自治体や業種にも参考になる施策といえるでしょう。

この制度を通じて、薬剤師不足の解消に向けた前進が期待される一方、奨学金返済に苦しむ他の職種や学生への広範な支援の必要性も改めて浮き彫りとなっています。社会全体で教育や職業選択を支える仕組みを構築していくことが、より公平で持続可能な社会の実現につながるでしょう。

出典元:病院勤務の薬剤師不足 奨学金の返還支援制度新設へ 三重県|NHK NEWS WEB

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