東京都は、2025年度から都内の幼稚園、小学校、中学校、高校の教員を対象に、大学進学時に借りた奨学金の返還額の2分の1、最大150万円を支援する新たな制度を導入します。採用2年目以降から10年間、本人に代わって都が奨学金を返済する仕組みです。この取り組みは、教員を目指す若者への経済的負担を軽減し、必要な人材を安定的に確保することを目的としています。
東京都の制度は年間3000人を対象に想定されており、詳細については2025年1月下旬に正式に公表される予定です。また、この奨学金返還支援の枠組みは教員だけでなく、技術系の職員にも適用される計画です。
さらに、同様の動きは他の自治体にも広がっています。千葉県では2024年度から公立小中学校や特別支援学校の教員を対象に奨学金の全額返還を肩代わりする制度を開始し、初年度には82人が対象となりました。岐阜県でも、県内の公立小中学校で教諭として一定期間勤務することを条件に、奨学金返還の一部を補助する制度が導入されています。
国レベルでも支援は進んでおり、文部科学省は2025年度から教職大学院を修了した正規教員を対象に奨学金返還を免除する制度を開始する予定です。
これらの取り組みは、経済的負担を理由に教職への進路を諦める若者の背中を押すだけでなく、教育現場における人材不足の解消にもつながることが期待されます。教職を目指す学生にとって、このような支援制度は大きな希望となり、教育現場への新たな門戸を開くものと言えるでしょう。