最近、いくつかの奨学金に関する記事が話題になっていました。
例えば「給付型奨学金の拡充が急務と言われているが、それが本当に必要なのか?」や「奨学金の肩代わりは慎重に行うべき」など、さまざまな論点が取り上げられています。
そこで、今日は奨学金問題そのものに焦点を当ててみたいと思います。
奨学金問題に関して、私は一つ大きな問題を感じています。
それは、奨学金を借りて大学に行くことが必要だとしても、卒業後の所得が十分に上がらない現状です。
具体的には、大学卒業後の給与と奨学金返済額にあまり差がないのに、借金が重なっていくという構造が非常に歪んでいると思います。
もちろん、奨学金を借りて大学に行くこと自体は悪いことではありません。
しかし、借金をしてまで学びに行くからこそ、その後に得られる収入が十分であるべきです。
ところが、現実的には大学を卒業した後の所得が十分に上がらないことが多いのが実情です。
さらに、大学側は奨学金の貸し付けには熱心ですが、いざ返済に関してはあまり関心を持っていないという現実もあります。
これが学生や若手社会人に負担を強いる原因となり、結果として最も弱い立場にいる人たちにそのしわ寄せが行くという構図が生まれています。
私が考える問題の本質は、給付型奨学金の増加や貸与制度の見直しといった議論にとどまらず、奨学金問題をエコシステムとして回す仕組みそのものが未成熟であることです。
この仕組みを持続可能な形で循環させ、奨学金を借りた学生が負担を感じることなく社会に貢献できるようなシステムを作ることが必要だと感じています。
奨学金バンクでは、このエコシステムの構築を目指して取り組んでいます。
これからも、この問題に対する解決策を提供し続け、より多くの人々が支援を受けられるようにするための活動を推進していきます。引き続きご支援いただけると幸いです。