奨学金と家庭環境の多様性

今回は、千駄木雄大さんの著書『奨学金、借りたら人生こうなった』を改めて読んで感じたことをお話ししたいと思います。
この本では、奨学金を借りたことで人生がどう変わったのか、さまざまな家庭環境のリアルな姿が描かれています。

私自身も幻冬舎「資産形成ゴールドオンライン」で、奨学金を借りた人々の経験談を記事にしていますが、「そんな人ばかりじゃない」「返済に困っているなら、ちゃんと働けばいいのでは?」といったコメントもいただきます。

確かに、すべてのケースが前向きな結果になるわけではありません。
でも、それは各家庭の状況が一律ではないからです。

例えば、日本の核家族率は57.1%と言われています。
核家族とは、夫婦と未婚の子ども、または夫婦のみの家庭を指します。いわゆる「大家族」ではなく、おじいちゃんおばあちゃんと暮らしていない家庭が増えているのです。
さらに、2022年の離婚率は全国で35.47%、東京都では25.61%に達しています。

こうしたデータを見ると、昔ながらの「サザエさん一家」のような家庭は、むしろ少数派になっていることが分かります。
つまり、日本の家庭は多様であり、各家庭ごとに経済的・環境的な課題があるのが現実なのです。

奨学金は、こうした家庭環境の違いによって、必要とする人・しない人が分かれます。
決して「努力不足」で奨学金に頼っているわけではなく、むしろ未来のために選択している人が多いのです。

私は、奨学金バンクが「借りやすく、返しやすく、挑戦を支える仕組み」になればいいと考えています。
就学・就業支援のインフラとして、より多様な状況に対応できる仕組みになれば、日本の未来も明るくなるはずです。

奨学金に対する様々な意見があるのは理解していますが、まずは「家庭の多様性」を知ることが重要ではないでしょうか?
皆さんも、ぜひ『奨学金、借りたら人生こうなった』を読んで、奨学金を取り巻くリアルな世界に触れてみてください。

今後も奨学金に関する情報を発信していきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

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