事故や病気で親を失った子どもたちを支援する「あしなが育英会」の奨学金について、山形県内では2023年度に過去最多の申請がありましたが、資金不足のため、半数以上が不採用となっていることが明らかになりました。
あしなが育英会は2023年度から返済不要の給付型奨学金を導入しており、特にコロナ禍や物価高の影響もあり、奨学金の申請が急増しています。しかし、奨学金の資金は十分に確保できておらず、全国的にも昨年度および今年度は申請者数の約44%しか給付できていないという状況です。
山形県でも今年度は過去最多の38人から申請が寄せられましたが、そのうち22人が不採用となり、多くの家庭が厳しい状況に直面しています。また、今年7月に遺児家庭を対象に行った物価高に関するアンケートでは、約94%が「物価上昇分を収入でカバーできていない」と回答し、経済的困難が深刻化している現状が浮き彫りとなりました。
このような状況を受け、あしなが育英会はさらなる支援を集めるため、10月の週末にJR山形駅で募金活動を行う予定です。募金は、奨学金の原資となり、経済的に困窮する子どもたちへの支援に充てられます。多くの協力が必要とされる中、地域社会に対し、募金活動への参加と支援の呼びかけが行われています。
奨学金制度の重要性はますます高まっており、今後も持続可能な支援体制を整えるためのさらなる取り組みが求められています。