日本学生支援機構が提供する「企業等の奨学金返還支援制度」を活用する企業が、県内ではまだ少ない状況です。全国的には2000社以上がこの制度を導入している一方、県内での利用はわずか12社にとどまっています。この制度は、企業が社員に代わって奨学金を返済する仕組みであり、対象社員にとっては事実上の賃上げ効果をもたらします。
奨学金返還支援制度は、採用活動や社員の定着率向上に貢献することが期待されています。全国の学生の約3人に1人が日本学生支援機構の奨学金を利用している現状を踏まえると、こうした取り組みは経済的な負担を抱える若者にとって大きな魅力となります。また、奨学金の肩代わりは、企業にとっても他社との差別化や人材確保に有効な施策といえるでしょう。
県内でも、この制度の利用がさらに広がることで、企業と若者の双方にとってメリットが増し、地域の雇用環境の改善につながることが期待されています。