全国大学生協連が発表した最新の学生生活実態調査によると、奨学金を受給している学生の割合は28.6%となり、2019年以降で最低の水準となった。一方で、アルバイト就労率は過去10年で最も高くなり、多くの学生が生活費や学費の負担を軽減するために長時間働いている現状が明らかになった。
調査では、奨学金のうち返済不要な給付型の割合は増えたものの、貸与型の利用者が減少。背景には、奨学金の返済への不安が影響していると考えられる。また、アルバイトでは月7万円以上稼ぐ学生が増え、時給の上昇もあるが、学業との両立や健康への影響が懸念されている。
さらに、日常生活の悩みとして「生活費やお金のこと」が46.8%で最多となり、「1人暮らしだと生活が苦しい」といった切実な声も寄せられた。一方で、学生生活が「充実している」と答えた学生は全学年で9割を超え、表面的には満足度が高いように見えるが、経済格差が水面下で広がっている可能性が指摘されている。
奨学金制度の見直しや、より多くの給付型奨学金の拡充が求められる中、学生が安心して学び続けられる環境整備が急務となっている。