青山商事は、2025年度以降に新卒採用で入社した社員を対象に、奨学金の返済を支援する制度を導入すると発表しました。この制度は、入社した翌年の4月から年に1回12万円、最大5年間で合計60万円を支援するというものです。支援方法としては、会社が代理で返済するか、給与に上乗せする形で行われます。この取り組みは、新社会人の奨学金返済の負担を軽減し、新たな人材の採用や定着率の向上を目的としています。
対象となる奨学金には、日本学生支援機構の奨学金、地方自治体や民間団体の奨学金など、会社が認めるものが含まれます。近年、大学生の約半数が奨学金を利用している状況にあり、返済負担が社会問題となっています。
リクルートワークス研究所のデータによると、2025年3月卒業予定の大学生・大学院生の流通業の求人倍率は前年比5.72ポイント上昇の16.21倍であり、全体の1.75倍に比べても大幅に高くなっています。これは、流通業界における人手不足が深刻であることを示しています。青山商事は、この手厚い支援をアピールすることで、学生からの応募を増やし、人材確保に努めたい考えです。
このような奨学金返済支援制度は、企業が社会的責任を果たしながら、優秀な人材を引き付け、長期間にわたって働いてもらうための重要な手段です。奨学金の返済負担は、新卒社員にとって大きなストレスとなることが多く、これを軽減することで、仕事に集中できる環境を整えることができます。
青山商事の取り組みは、他の企業にも参考となる先進的なモデルです。企業が積極的に奨学金返済支援を行うことで、学生の将来の負担を減らし、安心して学業に専念できる環境を提供することが求められます。このような制度が広がることで、社会全体の奨学金返済問題の解決に向けた一助となることが期待されます。
