兵庫県は中小企業の従業員が受ける奨学金の返済支援制度を大幅に拡充する計画を発表し、これにより若者の経済的負担を軽減し、同時に県内企業の人材確保に一役買うことが期待されています。今回の拡充では、補助期間が従来の5年間から最大17年間に延長され、兵庫県内の中小企業従業員に対する奨学金の支援が一層進むことになります。
現行制度では、県が返済額の3分の2を負担し、企業が残りの3分の1を負担しており、5年間は本人の負担がゼロになる仕組みです。今回の補助期間の延長により、県と企業の補助総額は最大90万円から同306万円に増加します。これにより、平均借入額が310万円である場合、最大補助を受けると個人の負担がほぼゼロになり、奨学金の返済がより容易となります。
また、補助期間を5年間を超える場合は、SDGs(持続可能な開発目標)や女性の活躍など、県の企業認定制度の取得状況に応じて補助期間が延長されるとされています。これにより、企業が社会的な責任を果たすことで奨学金受給者がより長期間にわたり支援を受けることが可能となります。
2024年度には約470社の企業から約1200人がこの制度を利用する予定であり、これに関連した費用として1億5000万円が当該年度の予算案に計上される予定です。この取り組みを通じて、兵庫県は中小企業の成長と従業員の教育支援に向けた前進を図ります。