タイ北西部のメソトにある「私塾」は、クーデター後の混乱が続くミャンマーから避難してきた若者たちに英語を教え、進学の機会を提供しています。この塾はミャンマー人のエイエイマー氏（55）が創設した財団「SAW」によって運営されており、2014年から活動を続けています。
この私塾は、ミャンマーのクーデターを受け、2021年にメソトに逃れてきた難民のために再開されました。塾の目的は、アメリカの高校卒業と同程度の学力を証明する認定試験「GED」合格を目指すことです。再開後、2024年7月までに10～20代の93人が参加し、そのうち26人がGEDに合格しました。さらに、合格者のうち7人はタイのチェンマイ大学などに進学しています。
しかし、進学には大きな壁もあります。旅券の取得や更新ができず、祖国に戻ることができない状況が続いているため、奨学金を得ることが困難です。その結果、大学進学の夢が実現しにくい現実があります。
塾の講師陣は、既にGEDに合格した若者たちや、ミャンマーでのクーデターに抗議するために職場放棄運動に参加した後、メソトに逃れてきたミャンマー人教師たちがボランティアとして務めています。彼らの熱意と努力によって、難民の若者たちに新たな未来への希望が与えられています。
