今回は奨学金の話題から少し視点を変え、Z世代が企業に求めている価値観について整理してみます。奨学金バンクとして学生と接する機会が多いこと、また組織人事コンサルタントとして若手の価値観に触れる中で、明確に見えてきた傾向があります。
その1つが心理的報酬の考え方を整理したSAFERモデルです。Z世代が職場を選ぶうえで大切にしている要素をまとめたフレームワークです。
SAFERモデルの5つの要素
- Safety(心理的安全性)
職場で安心して意見が言えるか、否定されずに働けるかという要素が、Z世代にとって非常に重要です。 - Assurance(成長保証・教育体制)
教育研修やスキルアップの場が用意されているか、自分が成長できる環境なのかを重視します。 - Fairness(公平性・透明性)
評価制度が明確で、公平な基準で評価してもらえるかどうか。曖昧な評価は敬遠される傾向があります。 - Empathy(共感・尊重)
自分の価値観を理解してくれるか、否定されずに尊重される環境かどうかが大きなポイントです。 - Relief(経済的安定・不安の軽減)
奨学金支援や福利厚生など、生活の不安を減らしてくれる仕組みも求められています。
これら5つの頭文字をとったものがSAFERモデルです。
Z世代の就職観は年々変化しており、金銭的価値だけでなく、心理的価値も重視されるようになっています。企業側も、この心理的報酬を理解することで採用や定着に活かすことができます。
奨学金支援などの経済的サポートも、まさにReliefの要素にあてはまり、若手の働きやすさに直結する取り組みです。
Z世代の価値観を理解したい方は、ぜひ一度SAFERモデルを調べてみてください。