東洋経済オンラインで、奨学金を借りて海外留学をすることが、将来のキャッシュフローに大きな影響を与えるという内容の記事が掲載されていました。今回はその話題をきっかけに、日本と海外、特にアメリカの奨学金事情を比較しながら考えてみたいと思います。
日本の場合、大学4年間の学費はおおよそ400万〜500万円程度と言われています。一方、アメリカの大学ではその金額は桁違いで、2000万〜3000万円かかるケースも珍しくありません。一見すると、アメリカの奨学金は非常にリスクが高いように見えます。
しかし、将来の収入という視点で見ると状況は大きく異なります。日本では新卒の初任給が300万〜400万円程度、一流企業でも400万〜500万円であれば良い方というのが現実です。それに対してアメリカでは、ビッグテックと呼ばれる企業に新卒で入社した場合、基本給やボーナス、株式報酬を含めて年収2000万〜3000万円に達するケースもあります。テスラのような企業でも、年収1200万〜1800万円という例があります。
この違いは、奨学金の投資対効果に大きく影響します。アメリカでは多額の奨学金を借りたとしても、その後の高い収入によって回収できる見込みがあるため、奨学金が成り立っています。実際、アメリカでは約4300万人が奨学金を利用し、総額は約225兆円にも上ります。
一方、日本では平均330万円程度の奨学金を借り、初任給が300万〜400万円という状況の中で、それ以上の収入増加を見込むのは簡単ではありません。奨学金を借りて大学に行くことが、その後の収入に直結しにくい構造になっている点は、大きな課題だと感じています。
奨学金は、借りることや貸すこと自体が目的ではありません。本来は、教育への投資が将来の収入として回収できる社会の仕組みがあってこそ、健全に機能します。日本においても、奨学金の出口、つまり卒業後に安定して返済できる環境づくりを、より真剣に考えていく必要があるのではないでしょうか。