地方の学生が進学を考える際、学費そのもの以外にも多くのコストが発生します。例えば、首都圏の大学を受験する場合、受験料に加え、交通費や宿泊費がかかります。1回の受験で数万円から十数万円になることも珍しくありません。さらに、合格後には入学金や授業料、下宿費用、引っ越し費用などが重なり、進学前後で非常に大きな出費が発生します。
こうした費用負担は、地方から都市部へ進学する学生にとって避けられない現実です。その結果、多くの学生が奨学金を利用しながら進学しています。
一方で、地方に残って進学や就職をすればよいのではないか、という意見もあります。しかし、地方ではキャリアを積める仕事が限られているのも現実です。サービス業や観光業が中心であったり、正社員としての雇用が少なく、契約社員が多い地域もあります。将来を見据えたときに、やむを得ず都市部への進学や就職を選ばざるを得ない若者も少なくありません。
こうした状況を踏まえると、奨学金は単に学業成績や家庭の経済状況を補うための制度ではなく、地方と都市部の構造的な格差を埋める役割も担っていると考えられます。進学の選択肢を地域によって狭めないための仕組みとして、奨学金は重要な存在です。
だからこそ、奨学金の問題は個人の自己責任だけで片付けるのではなく、構造的な課題として捉え、社会全体で解決していく必要があります。奨学金バンクでは、こうした課題に向き合いながら、奨学金を取り巻く環境の改善に取り組んでいます。
今後も、奨学金を通じて見えてくる社会の課題について発信していきます。