今回は、奨学金そのものとは少し視点を変えて、令和の高校生の進学・進路意識についてお話しします。
最近、高校生の中で進学や将来の進路について、正直どうでもいいと感じている人が増えているという話を耳にしました。その背景を調べていくと、スマホ認知症と呼ばれる状態が広がっていることが一因として挙げられています。
本来、進路というのは、高校卒業後にどんなキャリアを歩むのか、専門学校に行くのか、大学に進学するのか、地元に残るのか、東京など都市部に出るのか、あるいはすぐに働くのかといった選択肢について、本人・保護者・先生が対話を重ねながら決めていくものです。これが理想的な進路決定の形だと思います。
しかし最近の若い世代では、スマホへの過度な集中によって、コミュニケーション能力の低下、記憶力や注意力の低下、想像力や実行力の不足、情緒の不安定さなど、さまざまな影響が出ていると言われています。こうした状態が続くと、自分の将来について深く考えること自体が難しくなり、親や先生と意見をぶつけ合いながら進路を考える機会も減ってしまいます。
その結果、明確な意思を持って進学を選ぶのではなく、何となく周囲に流されて進学し、結果として奨学金を借りることになった、というケースも少なくありません。奨学金は借りた瞬間は実感が湧きにくいですが、社会に出てからは自分自身で返済していく責任が生じます。進路をしっかり考えないまま借りてしまうと、奨学金の使い方や返済に対する責任感が十分に育たないまま、社会人生活が始まってしまう可能性もあります。
スマホ認知症という言葉がすべてを説明するわけではありませんが、進路を主体的に考えにくくなっている時代背景の一つとして、無視できない要素だと感じています。
奨学金は、人生の選択を後押しする大切な仕組みです。その価値を正しく活かすためにも、進路を自分自身の意思で決めること、その重要性を改めて考える必要があるのではないでしょうか。
今後も奨学金を取り巻く情報や、その背景にある社会課題について発信していきます。