今回は、朝日新聞に掲載されていた興味深い取り組みについてご紹介します。
それは、京王電鉄 が行っている、奨学金を借りている学生、いわゆる奨学生を支援する新しいプロジェクトです。
この取り組みが面白いと感じたのは、企業が奨学金の返済を直接支援するという形ではなく、その一歩手前の段階、つまり学生の生活環境や住環境にアプローチしている点です。
京王電鉄では、沿線に住む学生や学業に取り組む人たちを対象に、住居や学習スペースといった場所の提供を行い、不動産の賃料を半額にしたり、場合によっては無料にしたりする支援を始めました。奨学金を借りながら学ぶ学生にとって、住居費は大きな負担の一つです。そこに直接手を差し伸べる形の支援は、非常に実効性が高いと感じます。
この取り組みは、単なる学生支援にとどまらず、京王電鉄として沿線に住んでもらいたい、沿線で学び、生活し、将来的にも関わりを持ってもらいたいという、まちづくりの一環でもあるはずです。電鉄会社はもともと、まちづくりや文化づくりへの感度が高い業界ですが、奨学金というテーマと結びつけた点がとても印象的でした。
奨学金支援というと、どうしても返済支援や代理返還といった出口の話に目が向きがちです。しかし、今回の京王電鉄のように、学生時代の生活そのものを支える取り組みが広がっていけば、奨学金に対する不安や負担感も大きく変わっていくはずです。
このモデルは、他の鉄道会社や地域企業でも十分に展開できる可能性があります。奨学金を軸に、教育支援と地域づくりを同時に進めていく。そんな新しい形の支援が、これから各地で生まれていくことを期待したいと思います。