今回は、奨学金とも非常に深く関わる重要なニュースについて取り上げます。
東洋経済オンラインに掲載されていた「ノーベル賞受賞者が警告する、日本で博士課程修了者が減っている問題」です。
記事の中では、ノーベル賞受賞者の方々が、日本で博士課程に進学する人が大きく減っている現状に強い危機感を示していました。
なぜ日本では博士課程に進む人が減っているのか。その背景には、奨学金とも密接に関係する構造的な問題があります。
欧米、特にヨーロッパやアメリカでは、博士課程に進む際の授業料がほとんどかからない、あるいは給付や研究費で生活が成り立つ仕組みが整っています。一方、日本では博士課程に進むために年間80万円から100万円程度の学費が必要になるケースも珍しくありません。
さらに問題なのは、費用だけではありません。博士課程修了後の就職や活躍の場、いわゆる「出口」が見えにくいことも、大きな不安要素になっています。
費用の問題と、修了後のキャリアの問題。この二つが重なり、博士課程に進むこと自体を断念する人が増えているのが現状です。
本来、奨学金という制度は、学ぶ意欲のある人が安心して学び続けられるようにするための仕組みであり、日本全体の学力や知の水準を引き上げる役割を担っています。
しかし現状を見ると、その奨学金が十分に機能しているとは言い切れない状況にあります。
日本には天然資源が少ない分、人材こそが最大の資源です。
その人材の知識や研究力を高め、社会に還元していく仕組みを作らなければ、国としての競争力は低下していきます。
博士課程の減少という問題は、教育の問題であると同時に、奨学金やキャリア支援の在り方そのものを見直す必要があるという、非常に重要なサインだと感じました。
今後も、奨学金を切り口に、教育・人材・社会構造について考える情報を発信していきます。