今回は、あるWEB記事をきっかけに改めて考えさせられた、奨学金の実態についてお話しします。
その記事では、危機管理コンサルタントの方が、奨学金返済や代理返還、そして若者の借金事情について触れており、多くの点で強く共感する内容でした。
現在の日本は、いわゆる大学全入時代と言われています。各世代のおよそ6割が大学へ進学し、そのうち約半数が奨学金を利用しています。数字で見ると、各世代の3人に1人が、奨学金という借金を抱えた状態で社会に出ていることになります。
しかもその金額は、数万円や十数万円といった話ではありません。平均するとおよそ300万円。多くの場合、それを10年以上、15年ほどかけて返済していくことになります。
つまり今の日本では、借金をしなければ社会に出られない、あるいは借金を前提として社会に出る構造が当たり前になっていると言えます。
大学に進学しやすくなったという側面もありますが、一方で、大卒でなければ安定した生活を築くのが難しい現実もあります。そう考えると、大学進学が事実上の標準ルートになり、その結果として、多くの若者がマイナスから社会人人生をスタートしている状況が生まれているのではないでしょうか。
本来であれば、社会人としてのスタートはゼロから、あるいは前向きな状態から始まるべきものです。しかし現実には、まず借金を返すところから人生が始まる。この構造そのものが、若者にとって大きな負担になっていると感じます。
こうした状況を少しでも変えていくために、私たちは奨学金の代理返還という仕組みを活用し、奨学金バンクを運営しています。情報発信を続けてきた中で、奨学金の実態を知らない人が、まだまだ多いという現実も痛感しています。
二人に一人が奨学金を利用し、300万円を15年かけて返していると伝えると、驚かれることも少なくありません。
しかし、驚きから始まり、何とかしなければならないと考えてくださる企業や個人の方も、少しずつ増えてきています。現在は、さまざまな企業との協業も進み、この流れをより大きなムーブメントにしていきたいと考えています。
奨学金に関わる支援は、雇用、寄付、制度づくりなど、さまざまな形があります。もしこの社会課題に何か関わりたいと感じた方がいれば、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
奨学金の実態を知ることが、社会を変える第一歩になると信じています。