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学生ローンと奨学金の違いとは?無利子制度・審査基準・リスクも解説!

大学などへの進学時や進学後には多額の費用がかかるため、奨学金や学生ローンを検討する方は多いでしょう。
奨学金と学生ローンは同じものと思われがちですが、実際は大きな違いがあるため、それぞれの特徴を把握したうえで、どちらを利用するか決めることが大切です。
この記事では、奨学金と学生ローンの違いについて、無利子制度や審査基準、リスクなどを多角的に解説します。
どちらが自分にマッチする資金調達方法なのかを見極めて、将来への不安を抱えることなく、学生生活を楽しみましょう。

学生ローンと奨学金はどう違う?

奨学金と学生ローンは、どちらも学生を対象とするサービスではありますが、目的や仕組みは大きく異なります。
ここでは、制度の性質や目的の違いを解説することに加えて、提供機関にはどのような違いがあるのかについてもお伝えします。

制度の性質と目的の違い

まず奨学金は、経済的困窮などが原因で進学や就学が困難な学生を支援する制度です。
日本学生支援機構(JASSO)や地方自治体、あしなが育英会などの民間団体が、教育格差の是正を目的に行っています。
奨学金の特徴は、返済不要の「給付型奨学金」があることです。
一般的には返済が必要な「貸与型奨学金」が利用されますが、こちらも低利子もしくは無利子で借入ができるため、返済時の負担を軽減できます。
奨学金は、2025年度時点で、約120万人の学生が利用しており、特に3人以上の扶養する子どもがいる多子世帯向けの支援が拡充されています
一方の学生ローンは、銀行や消費者金融が提供する個人向け融資です。
学生を対象としていますが、性質としては通常の借入と変わりません。
学生ローンの特徴は、借り入れたお金の使い道が自由なことです。
奨学金は原則として教育に関連する費用に充てる目的で給付または貸与されますが、学生ローンは使い道に制限が設けられません。
進学費用や授業料に使うことはもちろん、生活費や旅行、趣味など、あらゆる用途で利用できます。
ただし、融資の目的は利益の確保であり、金利は奨学金より高めです。

提供機関の違い

奨学金の主な提供機関は、JASSO、東京都などの地方自治体、大学や民間財団です。
JASSOは国が運営する公的機関(独立行政法人)であり、給付型奨学金や貸与型奨学金を提供しています。
また、大学独自の奨学金や多子世帯の大学無償化による支援も一部併用が可能です。
一方の学生ローンは、アコムやプロミスといった消費者金融、オリコなどの信販会社、そして一部の銀行が提供するサービスです。
原則として18歳以上の学生が対象となり、一般的な会社員などに向けた融資とは審査基準が異なる場合があります。
なお、20歳未満の方が学生ローンを利用する場合、保護者の同意が必要です。

奨学金の特徴とメリット・注意点

奨学金は、教育資金を低コストで準備できる公的支援制度です。
学生ローンと比較して、将来の返済負担を減らしやすいことがメリットですが、特有の注意点もあります。
学生ローンとの比較を始める前に、まずは奨学金特有のメリットと注意点を確認しておきましょう。

奨学金の種類(無利子・有利子)

JASSOが提供する奨学金を例にとると、奨学金の種類は大きく無利子と有利子の2種類に分かれます。
第一種奨学金が無利子、第二種奨学金が有利子です。
第一種奨学金には、第二種奨学金と比較して厳しい学力基準と所得基準が設けられています。
まず学力基準では、高校生の場合、評定平均値4.0以上または校内の成績が上位1/3以内でなければなりません。
大学進学後に奨学金を継続して受け取るためには、GPA2.0以上、出席率6割以上、取得単位数6割を満たす必要があります。
なお、所得基準は世帯人数によって異なりますが、4人家族の場合は世帯年収960万円以下が目安です。
第二種奨学金は月額2万円~12万円の間で借入額を設定できますが、年0.2~0.8%の利子が付きます。(2025年現在)
学力基準は「平均以上」とされ、具体的な条件は設定されていません。
また、年収上限も4人家族で1,180万円となり、第一種奨学金比較して緩やかです。

奨学金の審査内容

奨学金を申請する際は、先述したように学力基準と所得基準を用いた審査が行われます。
根拠を示すための書類として、マイナンバーや収入証明書などの提出が必要です。
JASSOの奨学金は、審査なしでは借入ができません。
学力と所得両方の基準を満たす必要があり、書類不備や基準未達を理由に申請が却下される場合もあります。

返済期間と条件

貸与型奨学金の返済は、大学などを卒業した6ヶ月後から始まります。
返済期間は事前に取り決めた返済計画によって異なりますが、設定できるのは5年~20年の間です。
仮に第二種奨学金を毎月12万円借り入れる場合、4年間の借入総額は576万円となります。
金利を0.5%、返済期間を20年間とする場合、月々の返済額は約2.5万円です。
なお、奨学金には返済猶予制度や免除制度があります。
失業などの事情により経済的に不安定な状態に陥った場合は、最大10年間にわたり奨学金の返済が猶予されます。
免除制度を適用できるのは、死亡または高度障害により、一般的な収入を得られなくなった場合です。

学生ローンの特徴とメリット・リスク

学生ローンは、即日中に融資を受けられる場合があることや使い道の自由さが魅力です。
しかし、奨学金と比較すると金利が高いため、返済リスクが伴います。
学生ローンの特徴について、デメリットとリスクも把握したうえで、利用するべきなのは奨学金なのか、それとも学生ローンなのかを検討しましょう。

学生ローンの主な特徴

学生ローンの特徴は、申し込みから最短即日で融資を受けられることです。
消費者金融などの審査はスピーディーなため、必要書類が揃っていれば、必要なタイミングですぐに融資を受けられるでしょう。
また、使い道が自由なことも学生ローンならではの魅力です。
学費に充てるだけでなく、生活費や旅行、娯楽費にも借入金を自由に充てられます。
そのため、ゼミやサークルのイベントでお金が必要になったり、卒業旅行の資金が足りなかったりする場合も、必要な資金を調達しやすいでしょう。
学生ローンを提供しているのは、主に消費者金融と銀行です。
消費者金融は審査にかかる時間が短い一方で、金利は3%~18%とやや高めに設定しています。
銀行はカードローンなどで学生ローンを提供しており、消費者金融よりも厳しく審査をする傾向にありますが、金利の目安は4%~14.5%と消費者金融よりも低いです。

「審査甘い」「審査なし」は本当か?

学生ローンは学生でも借りられるため、一般的なローンと比較して「審査が甘いのではないか」と言われることがあります。
しかし、融資であることには変わりないため、審査なしで借りられる学生ローンはありません。
学生ローンの審査では、アルバイトなどの収入があるか、信用情報機関に過去の延滞歴などが掲載されていないかといった点が重視されます。
消費者金融によっては、収入証明書の提出が不要な場合もありますが、返済能力は必ず確認されるため注意しましょう。
また、20歳未満の学生は、親などの保護者による同意を得ることや保証人・連帯保証人を設定するように要求されるケースが多いです。
一部の消費者金融は、親の信用情報を確認して融資の可否を決定する場合もあります。
なお、「審査が甘い」「審査なし」といった謳い文句や条件で学生ローンを提供する業者は、金融業の許可を得ていない、いわゆる「闇金融(ヤミ金)」の可能性もあるため注意しなければなりません。
闇金融は法外な利息を請求する場合がほとんどで、暴力的な取り立て行為をするケースもあります。
学生ローンを利用する場合は、金融庁の「貸金業者登録」を確認し、利用する予定の会社が金融庁の許可を得ているか調べましょう。

学生ローンのデメリットとリスク

学生ローンの金利は年15~18%が一般的で、有利子の奨学金の第二種(年0.2~0.8%)と比べて高額なことがデメリットです。
仮に50万円を年18%の利息で1年間借りた場合、利息だけで約9万円を支払わなければなりません。
そのため、返済総額が想定外に膨れ上がる可能性があります。
学生ローンの返済が困難な状態に陥って滞納すると、信用情報機関(CICやJICC)に記録されることも注意点です。
信用情報機関に記録された情報は、学生ローンを完済したとしても、一定期間削除されません。
これにより、将来的に住宅ローンやマイカーローンを申請する場合に、審査が極端に不利になる可能性があります。
また、学生ローンには奨学金のような返済猶予や免除制度がなく、返済困難な状況下でも返済を続けなければなりません。
返済が滞ったまま放置すると、利息に遅延損害金が加算される場合が多く、返済総額がさらに増えてしまいます。
さらに、保証人や連帯保証人に残債の支払いが請求されたり、給与などの資産が差し押さえられたりするリスクもあります。

「無利子」で借りたいならどっち?

進学や在学中にかかるお金を「無利子」にこだわって借りたい場合は、原則として第一種奨学金の一択です。
しかし、学生ローンでも「無利子キャンペーン」を実施する場合があり、これが気になるという方も多いでしょう。
ここでは、奨学金の無利子枠を利用する条件や学生ローンのキャンペーンに関する注意点を解説します。

奨学金の無利子枠(第一種)の条件

JASSOが無利子で提供している第一種奨学金を利用するためには、成績要件と世帯収入制限の両方で基準を満たす必要があります。
それぞれの条件は次の通りです。

・成績要件(高校生):評定平均値4.0以上または校内の成績上位3分の1以内
・成績要件(大学生):GPA2.0以上
・世帯収入制限:世帯年収約960万円以下(4人世帯の場合の目安)

高校生の場合、上記の成績要件を満たしたうえで、学修計画書などの学修意欲を示す書類を提出することも求められます。
また、大学進学時に奨学金の申請が通ったとしても、卒業まで自動的に奨学金の貸与が続くわけではありません。
2年次以降も奨学金の利用を継続する場合は、GPA2.0以上の成績を残す必要があります。
なお、世帯収入制限についてはあくまでも目安の金額です。
家族構成によって世帯年収の制限額が異なるため、詳しくはJASSOや在学中の高校、進学予定の大学などの担当窓口に問い合わせましょう。

学生ローンの無利子キャンペーンはある?

学生ローンは原則として有利子ですが、利用する消費者金融やタイミングによっては「無利子キャンペーン」を実施している場合があります。
無利子キャンペーンとは、消費者金融側が設定した期間内に限り、借入金の金利がゼロになるキャンペーンです。
たとえば、「初回契約者に限り30日間無利子」といったキャンペーンを適用できる場合があります。
しかし、無利子キャンペーンの終了後は、通常通り最大で年18%程度の金利が発生することには注意しなければなりません。
1ヶ月間無利子キャンペーンの場合、完全に無利子で学生ローンを利用できるのは、借入から1ヶ月以内に元金を完済した場合のみです。
返済期間が2ヶ月以上になると、無利子では学生ローンを利用できません。
そのため、長期間かつ無利子の借入を前提とする場合は、消費者金融などによる学生ローンの利用は不向きです。
一方の第一種奨学金は全期間にわたって無利子で、返済に困った場合は返済猶予や免除制度も活用できます。
そのため、長期間の借入には、第一種奨学金がより適しているでしょう。

利用すべきはどっち?ケース別のおすすめ

奨学金と学生ローンのどちらを利用すると良いかは、借り入れた資金をどのように使う予定なのかなどによって異なります。
ここでは、奨学金を利用したほうがいい人と学生ローンの検討もおすすめできる人の特徴をご紹介します。

奨学金を利用したほうがいい人

奨学金を利用したほうがいい人は、次の項目に当てはまる人です。

・大学進学や長期の教育費が必要な人
・親のサポートが難しい家庭
・将来的な返済計画が立てられる人

長期間にわたる借入を前提とする場合は、無利子もしくは低利子の奨学金を選びましょう。
利子が低い分、返済総額を少なく抑えられます。
経済的に困窮しており、親から学費の支援を受けるのが難しい場合も奨学金の利用が最適です。
収入制限の条件を満たしやすく、無利子・低金利の奨学金を利用しやすくなります。
また、奨学金の返済開始は卒業の6ヶ月後以降となるため、返済計画を立てられる方にも奨学金がおすすめです。

学生ローンを検討してもいい場合

奨学金の利用を中心に考えながらも、学生ローンの利用を検討してもいいのは、以下の条件に当てはまる人です。

・一時的な生活費・急な出費に困った時
・必ず短期間で返済できる見通しがある人
・借入額が少なく、返済能力に自信がある場合のみ

学生ローンは最短即日融資が可能であり、借り入れたお金の使い道も柔軟に決められます。
急な出費などが原因で生活費に困ったり、旅行費用などの捻出に困ったりした場合は、学生ローンの利用を検討すると良いでしょう。
また、無利子キャンペーンを利用できれば、返済総額を抑えられます。
短期間で完済できる可能性が高い場合も、学生ローンの利用を検討すると良いでしょう。

奨学金と学生ローンの比較表

この記事の最後に、奨学金と学生ローンの比較表をご用意しました。

項目 奨学金 学生ローン
提供者 公的機関(JASSOなど) 民間金融機関
利子 無利子または低金利 高金利
審査 成績・所得 年齢・収入・信用
審査の甘さ 甘くない 比較的緩い(が審査あり)
審査なしで借りられる? 不可 原則不可(注意が必要)
返済開始時期 卒業後 借入の翌月などすぐ
猶予・免除制度 あり なし

このように、奨学金と学生ローンにはさまざまな違いがあります。
大学進学後など、長期間にわたる借入を前提とする場合は、返済総額を抑えやすい奨学金を選ぶと良いでしょう。
一方、短期間の緊急的な借入を前提とする場合は、学生ローンの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

奨学金と学生ローンは、いずれも学生の金銭的なニーズを支える仕組みです。
しかし、それぞれの目的や特徴は大きく異なるため、自分自身の用途や返済計画に合ったタイプを選ぶことが重要と言えます。
日本学生支援機構(JASSO)の公式サイトでは、奨学金の返済シミュレーションを行えます。
それぞれの特徴を確認し、無理のない返済計画を立てて、楽しい学生生活を送りましょう。

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