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スカラネットで返済猶予・減額返還を申し込む方法|手順・必要書類・注意点

奨学金の返済中に、病気や失業、収入の減少など、経済的に困難な状況に直面することは少なくありません。
そのような状況で頼りになるのが、日本学生支援機構(JASSO)の提供する返済猶予や減額返還といった救済制度です。
これらの制度を活用することにより、生活や返済計画を再建しやすくなります。
そして、これらの制度を申請する際に活用するサイトが、スカラネット・パーソナルです。
この記事では、スカラネットを利用して返済猶予や減額返還を申し込む方法を解説します。
手順だけでなく、必要書類や申請時の注意点なども細かく確認しておき、必要なタイミングでスムーズに適用できるように備えましょう。

スカラネットとは?申請できる手続きの概要

スカラネットとは、日本学生支援機構(JASSO)が運営するWebサイトです。
ここでは、スカラネットを介して申請できる手続きの内容や概要をご紹介します。

スカラネットの基本機能と利用目的

スカラネット・パーソナルとは、JASSOの奨学金を借り入れしている方が利用できるWebサイトです。
自身の奨学金に関する各種情報の確認と返済に関する各種手続きの申請を行えます。
スカラネットを利用すると、現在の奨学金の残高や毎月の返済額、返済完了予定年月などの情報を確認できます。
また、奨学金返済が困難になった際の「返済猶予」や「減額返還」の申請、余裕ができた際の「繰上返還」の申し込みなど、返済に関する重要な手続きも可能です。
さらに、すべての手続きがインターネット上で完結することもスカラネットの特徴です。
郵送で書類をやり取りする場合と比較して、迅速かつ簡単に手続きを進められるでしょう。

返済猶予・減額返還制度の違い

奨学金返済で困ったときに利用できる制度は、大きく「返済猶予」と「減額返還制度」の2種類です。
それぞれの違いを把握して、自身が適用できる制度がどちらかを知っておきましょう。
返済猶予は、一時的な経済的困難からの回復を目的とする制度です。
失業や災害などにより、一時的に収入が減少した場合に、一定期間にわたって返済をストップできます。
一方の減額返還制度は、返済期間を延ばすことにより、月々の奨学金返済負担を軽減できる制度です。
一時的な減収ではなく、低収入の状態が続く方にも適用できます。

どんな人が利用できるのか(対象者の条件)

返済猶予は、大学や大学院に在学中の方や病気・失業・出産・育児・災害などの経済的困難により奨学金返済が難しい方が利用できます。
たとえば、育児休暇の取得により収入が減少した場合や病気療養により勤務の継続が困難になった場合など、一時的な収入減が認められる場合に適用が可能です。
一方の減額返還制度は、経済困難などの事情により、当初定めていた奨学金返済が困難になった方が利用できます。
月々の支払いを現状の返済額の2分の1、3分の1、4分の1または3分の2に減額すれば返済可能な場合に適用が可能です。
扶養家族の増加や収入の不安定など、制度を適用できる条件はさまざまです。

返済猶予・減額返還のメリットと注意点

返済猶予・減額返還といったJASSOの制度は、奨学金返済が難しくなった方に大きなメリットをもたらすことは間違いありません。
しかし、制度を利用する前に知っておくべき注意点があることも事実です。
ここでは、返済猶予・減額返還のメリットと注意点について、3つの項目から解説します。

返済猶予を利用するメリットとリスク

返済猶予を利用する最大のメリットは、経済的に苦しくなった際に、一時的ではあるものの、支払義務から解放されることです。
この間に生活を立て直したり、治療に専念したり、再就職活動に集中したりできます。
奨学金の延滞が発生するリスクを回避できるため、信用情報に傷が付くことを防ぎ、将来の住宅ローン審査などへの不安を残さずに済むでしょう。
リスクとして考えなければならないのは、有利子の奨学金を借りている場合、返済がストップしている間も利息が発生することです。
返済をストップしている間は元金が減らないため、猶予期間が長引くほど利息が増え、返済総額が増えてしまいます。
さらに、奨学金完済が遠のくこともリスクと言えます。

減額返還のメリットと返済期間への影響

減額返還のメリットは、月々の返済額を2分の1、3分の1、4分の1または3分の2に減額できることです。
たとえば、月々2万円を返済している場合、返済額を4分の1に減額すると、月々の返済額を5,000円に抑えられます。
返済を完全にストップするわけでもなく、奨学金完済までの期間がズルズルと延びないこともメリットでしょう。
デメリットは、猶予制度と同様に返済期間が延びることです。
たとえば、返済額を2分の1に減額した場合、返済期間は約2倍に延びます。
長期にわたる返済期間は、将来的なライフプランに影響を与える可能性があるため、利用期間は必要最小限に留めることを意識すると良いでしょう。

申請前に理解しておくべきデメリットや将来への影響

返済猶予や減額返還は、一時的な救済策であり、根本的な解決策にはなりません。
このような救済制度を利用しても、利息の発生が続いたり、返済総額が増えたりする可能性があります。
また、返済期間が長くなるため、将来的な経済計画に影響が及ぶ可能性もゼロではありません。
一方で、奨学金返済を延滞する場合と比べると、これらの救済制度は積極的に活用すべきと言えます。
延滞が発生し、信用情報機関に延滞情報が登録されると、将来の住宅ローン審査やクレジットカードの入会・更新審査に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
返済猶予や減額返還を適用すると、信用情報機関に延滞情報が登録されることはありません。
そのため、将来のライフプランに及ぶ影響は最小限です。

スカラネットで返済猶予を申し込む手順

返済猶予や減額返還といった制度は、JASSOが運用するスカラネット・パーソナルを通じて行います。
スカラネットを利用して返済猶予を申し込む手順を見ていきましょう。

申請前に準備すること

スカラネットでの入力作業をスムーズに進めるために、以下の書類と情報を手元に用意しておきましょう。

<申請前に準備すること(書類・情報)>
・奨学金番号
・スカラネットのIDとパスワード
・返済猶予を申請する理由
・返済猶予を希望する期間
・取得証明書や住民税課税証明書などの収入を証明する書類

スカラネットへのログイン方法

まずはJASSOのWebサイトからスカラネット・パーソナルのページを開きましょう。
事前に発行したIDとパスワードを入力してスカラネットにログインします。
IDやパスワードを忘れてしまった場合は、ログイン画面に表示される手順に沿って、必要な情報を再発行してください。

返済猶予申請の具体的な入力手順

スカラネットへのログイン後、メニュー画面から各種手続きに進み、「返還期限猶予願の提出」を選択しましょう。
ここでは、次のように入力を進めます。

<返済猶予申請の具体的な入力手順>
・申請理由を選択する:失業や経済困難などの選択肢から、返済困難な理由を選びます。

・猶予希望期間を入力する:申請の開始年月と終了年月を、最長12ヶ月以内で入力します。

・奨学金情報と個人情報を確認する:表示された奨学金番号や住所に誤りがないか確認します。

・必要書類を確認する:必要書類が画面に表示されるため、内容を確認します。

・申請内容を送信する:申請内容に誤りがないか確認し、情報を送信しましょう。

申請後の流れと審査期間

申請後は、JASSOに登録しているメールアドレスに「受付完了の通知」が届きます。
その後、必要書類の提出に向けた案内が届くため、指示に従ってオンラインまたは郵送で提出しましょう。
審査期間は申請時期などにより異なりますが、通常は1ヶ月~2ヶ月ほどです。
審査が完了すると、返還期限猶予承認通知または返還期限猶予却下通知が郵送されます。
承認された場合は、通知書に記されている期間に限り、奨学金返済をストップすることが可能です。

スカラネットで減額返還を申し込む手順

減額返還に関しても、スカラネット・パーソナルからの申し込みが可能です。
ここでは、スカラネットで減額返還を申し込む手順を解説します。

減額返還の申請条件と適用期間

減額返還の申請条件は、なんらかの事情により経済困難と認められる場合です。
適用期間は最長15年と長期間に及びますが、1年ごとに再申請を行い、許可を得る必要があります。
月々の返済額が減る代わりに返済期間が延びるため、綿密な返済計画を立てましょう。

スカラネットでの申請操作手順

スカラネットにログインし、各種手続きから減額返還願の提出を選択しましょう。
続いて、減額割合の選択から、月々の返済額を2分の1・3分の1・4分の1・3分の2のいずれかから選択します。
さらに、減額を希望する開始年月を入力してください。
減額返還を適用する場合は、収入証明書の提出が必須です。
画面の案内に従って必要書類を確認し、メモしておきましょう。
必要書類に同意した後、申請内容の最終確認を行い、誤りがなければ申請ボタンを押して情報を送信します。
最後に、表示された受付番号を控えれば申請は完了です。

承認後の返還額と返済スケジュールの確認方法

審査が完了すると、JASSOから減額返還承認通知が郵送されます。
この通知書には、新しく決まった月々の返済額と、返済完了予定年月が記載されているため、内容を確認しましょう。
なお、スカラネットにログインすると、いつでも通知書に記載された情報を閲覧できます。

申請に必要な書類一覧

スカラネットでの申請はオンラインで行えますが、審査のためには必ず公的書類の提出が必要です。
どのような書類が必要なのか、書類の入手方法や注意点もあわせて確認しておきましょう。

収入証明書や課税証明書の入手方法

返済猶予・減額返還を申請する場合、申請者本人収入を証明する書類が必要です。
主に以下の書類のいずれかを提出します。

<申請時の必要書類>
・住民税課税証明書または非課税証明書
・源泉徴収票
・確定申告書の控え

住民税課税証明書または非課税証明書は、管轄する役場の窓口で取得できます。
源泉徴収票は勤務先の担当部署に申請して取得しましょう。
なお、発行から3ヶ月以内の書類でなければ無効となる可能性もあるため、事前にJASSOのHPから最新の提出要件を確認してください。

提出期限や有効期限の確認ポイント

スカラネットから制度の申請を行うと、JASSOから必要書類の提出期限が通知されます。
提示された期限を超過した場合、必要書類を提出したとしても、申請が無効となる可能性が高いため注意しましょう。
また、先述した通り、必要書類は発行から3ヶ月以内のものでなければ有効とみなされない可能性があります。
書類の取得後は、できる限り早く制度の申請を済ませることが有効期限を守るためのポイントです。

書類不備による申請遅延を防ぐコツ

申請の遅延や却下の最も大きな原因は書類不備です。
これを防ぐためには、提出期限や有効期限を守ることに加えて、必要な書類を間違えずに収集する必要があります。
たとえば、課税証明書は、世帯全員分の情報が記録された書類が必要な場合があるため、窓口で「JASSOの奨学金手続きで使用したい」と伝えましょう。
また、コピーを提出する場合は、文字が鮮明に印刷されているか、必要な範囲がすべて印刷されているか確認することがポイントです。

申請が通らないケースと対処法

返済期限猶予や減額返還といった制度を利用するためには、JASSOの審査に通過しなければなりません。
審査において申請が通らないケースもあるため、その理由と有効な対処法を確認しておきましょう。

審査でよくある不備の原因

審査において不備が指摘される場合、その原因は主に以下の3つです。

<審査でよくある不備の原因>
・収入が要件を満たしてない
・書類の不備
・申請理由と書類が一致していない

年収などの条件が、JASSOが定めている条件を満たさない場合は、審査が通らないケースが多いです。
書類の有効期限が切れていたり、コピーが不鮮明で内容を確認できなかったりする場合も、申請が却下されてしまいます。
また、申請理由と書類の不一致も不備の原因になります。

再申請の流れと問い合わせ窓口

審査に落ちた場合は、再申請を行い、JASSOの再審査を受けましょう。
この場合はJASSOから却下理由が明記された通知が届くため、却下された理由を確認し、改善したうえで再申請を行います。
再申請はスカラネットから行えますが、不明点がある場合は、JASSOの奨学金相談センターに電話で問い合わせましょう。

申請却下時の代替手段

申請が却下された場合は、代替手段を検討しなければなりません。
次のような対策が有効です。

<申請却下時の代替手段>
・家計を見直して固定費や生活費を削減する
・繰越返還を設定している場合は取り消しする
・勤務先の支援制度を利用できるか確認する

勤務先が奨学金返還支援制度などの福利厚生を充実させている場合、奨学金返済の負担を軽減できる可能性があります。

スカラネット申請時のよくある質問

ここでは、スカラネット申請時のよくある質問3つにお答えします。

申請期間中の返済はどうなる?

返済猶予や減額返還の申請期間中は、原則として従来の返済スケジュール通りに引き落としが行われます。
審査中も引き落としが続くため、返済困難に陥る前に手続きを進めることが大切です。

複数回の申請は可能?

複数回の申請は可能です。
再審査を依頼する場合は、その都度、最新の収入証明書などの書類をもとに審査が行われます。
そのため、過去に申請が却下されていたとしても、新しい申請が認められる可能性があります。

奨学金返済中の転職・収入変化があった場合の対応

JASSOに報告する義務はありませんが、返済計画の変更を検討しましょう。
収入が減少した場合は減額返還などの制度の適用を、収入が増加した場合は繰上返済を行うと効果的です。

まとめ

奨学金の返済猶予や減額返還制度は、経済的な困難に直面した際の心強いセーフティネットと言えます。
これらの手続きは、JASSOが運営するスカラネット・パーソナルから申請が可能です。
ただし、返済期間が延びることや利息が増える可能性があることなどのリスクも把握しておきましょう。
また、複数回の申請が可能なため、過去に申請が却下されていたとしても、新しい申請が認められる可能性があります。

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