大学や専門学校に進学したいけれど、「奨学金を借りて本当に返せるのか不安…」と感じている高校生や保護者の方は多いのではないでしょうか。そこで注目されているのが、返済不要の「給付型奨学金」です。「奨学金 給付型とはどんな制度なのか？誰がいくらもらえるのか？親の年収や成績はどこまで影響するのか？」といった疑問に、制度を運営する日本学生支援機構（JASSO）や文部科学省の公的情報をもとに、専門的な視点からわかりやすく答えていきます。この記事では、給付型奨学金の基本の仕組みから、「高等教育の修学支援新制度」による学費免除の枠組み、民間や自治体の給付型奨学金、貸与型との併用、申し込みの流れとチェックリストまでを網羅的に解説します。「お金の不安で進学をあきらめたくない」方に、具体的な判断材料と次の一歩を提供することが本記事の目的です。
奨学金の「給付型」とは？まずは基本の仕組みを理解する
「奨学金 給付型とは何か」を正しく理解することは、進学後の家計や将来の人生設計を考えるうえでとても重要です。 奨学金には大きく「給付型」と「貸与型」の2種類があり、それぞれ仕組みも負担もまったく異なります。 まずは、この2つの基本構造と、国の「高等教育の修学支援新制度」における位置づけを押さえておきましょう。
給付型奨学金の定義 ― 「返済不要」の奨学金
給付型奨学金とは、一定の条件を満たした学生に対して、返済不要で支給される奨学金のことです。 いわゆる「もらえる奨学金」と表現されることも多く、卒業後に返済義務がない点が最大の特徴です。 授業料や入学金の一部だけでなく、通学にかかる交通費や一人暮らしの家賃・生活費の補助として使える場合もあり、 経済的な理由で進学をあきらめそうになっている学生にとって、非常に心強い支援制度だと言えます。
一方で、給付型奨学金は誰でも受けられるわけではありません。 世帯年収や資産状況、在学中の成績、学ぶ意欲や進路計画など、あらかじめ定められた要件を満たした学生が対象となります。 「返済不要」という大きなメリットがある分、審査のハードルは一定程度設けられている、というイメージを持っておくとよいでしょう。
貸与型との違いとメリット・デメリット
給付型奨学金とよく比較されるのが、卒業後に返済が必要な「貸与型奨学金」です。 貸与型は、在学中に必要な学費や生活費をまとまった額まで借りることができ、対象となる学生の範囲も比較的広いというメリットがあります。 一方で、社会人になってから毎月決まった額を返済していく必要があり、返済期間が10年〜20年に及ぶケースも少なくありません。 就職後の収入やライフプランに大きな影響を与える可能性がある点は、必ず理解しておくべきポイントです。
これに対して給付型奨学金は、原則として返済義務がないため、卒業後の家計や精神的な負担を軽くできるのが最大のメリットです。 ただし、支給額や採用人数には上限があり、貸与型に比べると「もらえる人が限られる」「希望額すべてをカバーできるとは限らない」といった側面もあります。 そのため、給付型と貸与型のどちらが良いかを二者択一で考えるのではなく、 「まずは給付型を最大限活用し、不足分を無理のない範囲で貸与型やその他の方法で補う」という視点で検討することが大切です。
「高等教育の修学支援新制度」とJASSOの役割
日本では2020年4月から、大学や専門学校などへの進学を経済面で支える「高等教育の修学支援新制度」が本格的に始まりました。 この制度は、①授業料・入学金の減免（免除・減額）と、②返済不要の給付型奨学金という2本柱で構成されているのが特徴です。 世帯年収や家族構成などの条件を満たすことで、授業料の一部〜全額が減免されると同時に、生活費等に充てられる給付型奨学金を受け取ることができます。
このうち、授業料・入学金の減免は大学・短期大学・高等専門学校・専門学校などの教育機関が行い、 給付型奨学金の支給事務を担っているのが、日本学生支援機構（JASSO）です。 つまり、国の修学支援新制度における「給付型奨学金」の多くは、JASSOを通じて学生に届けられていると言えます。
今後、給付型奨学金を検討する際には、「奨学金 給付型とは何か」という仕組みだけでなく、 自分の志望校がこの修学支援新制度の対象校かどうか、JASSOの給付型奨学金に申し込める条件を満たしているか、という点までセットで確認しておくと安心です。
給付型奨学金の対象となる学生と学校の範囲
どんな学校種が対象になるのか
給付型奨学金の対象となる学校は、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校など、いわゆる「高等教育機関」が中心です。 これらの学校は文部科学省が定めた基準に基づき、新制度の支援対象として認定されています。
また、大学生だけでなく、高校生を対象とした給付型奨学金を実施している自治体や民間財団も存在します。 たとえば、似鳥国際奨学財団のように、高校生を対象に返済不要で支給する制度もあり、 家庭の経済状況に応じた幅広い支援が行われています。
国の「修学支援新制度」の対象校を確認する方法
国が実施する「高等教育の修学支援新制度」を利用する場合、進学予定の学校が制度の対象校であるかどうかを必ず確認する必要があります。 文部科学省は、大学・短期大学・専門学校などの「対象機関リスト」を公表しており、 公式サイトから誰でも確認することができます。
検索方法としては、対象校一覧をPDFまたはExcelで開き、学校名や地域で絞り込むのが一般的です。 また、通っている高校の進路指導室や担任の先生に確認することで、最新情報を得られる場合もあります。 「自分の志望校が対象かどうか」を早めに調べることで、奨学金の計画を立てやすくなります。
対象外になりやすいケースと注意点
一部の教育機関は、奨学金制度の対象外となる場合があります。 代表例として、通信制の一部課程や、専修学校の中でも要件を満たしていない学科・コースが含まれます。 制度の対象外である学校を選んでしまうと、給付型奨学金や授業料減免を利用できない可能性があるため注意が必要です。
そのため、進学先を検討する段階で、「まずは志望校が修学支援新制度の対象校かどうか」を確認することが最優先です。 対象かどうかによって、受けられる支援額は大きく変わり、進学後の生活費や家計計画にも大きく影響します。 学校選びと奨学金制度の確認は、必ずセットで行うようにしましょう。
世帯年収・資産など「家計基準」をやさしく解説
住民税非課税世帯を基準にした「第1〜第3（第4）区分」とは
給付型奨学金の審査で最も重要になるのが、世帯の収入状況をもとに判定される「家計基準」です。 特に中心となるのが、住民税非課税世帯を基準とした「第1〜第3区分（最近では第4区分も追加）」という区分です。
第1区分は住民税非課税世帯が対象となり、もっとも手厚い支援が受けられます。 第2区分、第3区分になるにつれて支援額は2/3、1/3と段階的に少なくなり、 最新の制度では多子世帯や特定分野の学生を対象にした新設の“第4区分”が導入され、支援対象が広がりつつあります。
これらの区分は、「支給額算定基準額」という計算式に基づいて判定されます。 課税標準額に一定の係数をかけることで計算される仕組みですが、細かな計算は家庭ごとに大きく異なるため、 公式サイトで公開されている基準を確認するのが最も確実です。
世帯年収の目安と、家族構成による違い
家計基準を理解するうえで役立つのが「世帯年収の目安」です。 たとえば、日本学生支援機構（JASSO）が示す例では、
4人家族の場合、第1区分は年収約270〜300万円程度までが一つの目安となります。
ただし、この数字はあくまで“目安”であり、実際には「兄弟の人数」「年齢」「住宅ローン控除」「共働きかどうか」などによって大きく変動します。 そのため、家庭の正確な区分を知るには、JASSO公式資料や学校が提供するシミュレーションツールを活用することが欠かせません。 進学前に保護者と一緒に計算してみることで、申し込み可能性を事前に把握できます。
資産基準・多子世帯への支援拡充など最新動向
給付型奨学金には「収入基準」に加えて、預貯金や株式などの資産基準があります。 ここで注意したいのは、対象となる資産は現金・預貯金・有価証券などに限定され、自宅などの不動産は含まれないという点です。 この条件は、ガクシーの奨学金解説でも強調されているポイントです。
また、2025年度以降は制度の拡充が進み、多子世帯や理工農系など特定分野の学生を対象に、
授業料減免の強化や新たな区分（第4区分）の追加が行われています。 日本学生支援機構の発表でも、今後さらに支援対象が広がる方向性が示されており、 奨学金制度は年々アップデートされている状態です。
これらの最新情報は年度ごとに変更されるため、申し込み前には必ず最新の公的情報を確認し、 学校や自治体の担当窓口へ相談することをおすすめします。
成績・学ぶ意欲など「学力基準」のポイント
高校の評定平均「3.5以上」が一つの目安
給付型奨学金の審査では、「学力基準」も重要な評価ポイントになります。その代表的な目安が、高校の全履修科目の評定平均が3.5以上という基準です。これは日本学生支援機構（JASSO）が示す基準で、高校生活を通して安定した学習姿勢が維持できているかどうかを判断するための指標です。
ただし、評定が3.5に満たない場合でも完全にチャンスがなくなるわけではありません。実際には、学修意欲や将来の目標が確認できる場合、成績だけで判断されず、書類や面談の内容が重視されるケースもあります。つまり「勉強への取り組み方」「進路への熱意」も評価対象になるため、諦めずに準備すれば道は開けます。
在学採用では「GPA」や修得単位もチェックされる
高校在学中に申し込む「予約採用」だけでなく、進学後に申し込む「在学採用」では、大学等での学習状況も審査対象になります。ここで重要となるのが、GPA（成績平均値）や修得単位数です。
ガクシーがまとめる奨学金情報でも紹介されている通り、大学で学ぶ内容にしっかり取り組んでいるかどうかは、奨学金の継続や採用可否に大きく影響します。特にGPAが大きく下がったり、必要単位が不足したりすると、給付継続が難しくなる場合もあるため注意が必要です。
面談・レポートで重視される「学ぶ意欲」と将来像
成績と並んで重要視されるのが、学ぶ意欲（学修意欲）です。給付型奨学金では、面談やレポートを通して「なぜ進学したいのか」「将来どのように社会に貢献したいか」「大学で何を学ぶのか」といった点が丁寧に確認されます。
ガクシーの奨学金解説でも、審査で重視されるポイントとして、将来の目標やキャリアビジョンの明確さが挙げられています。ここでは以下のような自己PR構成をつくることで、説得力のある内容に仕上げることができます。
- ① 将来の目標：どんな職業・分野で活躍したいか、具体的に説明する。
- ② なぜその分野なのか：興味を持ったきっかけや背景を書いて説得力をつける。
- ③ 大学・専門学校で学びたいこと：どんな授業・研究・実習に取り組みたいかを明確にする。
- ④ 奨学金による変化：経済的支援があれば、どのように学びが深まるのかを具体的に説明する。
このように、成績だけでなく、「学びたい理由」や「進路への熱意」を明確に示すことが、給付型奨学金を受ける上で非常に重要なポイントです。自分の考えを丁寧に整理し、書類や面談でしっかりアピールできるよう準備を進めましょう。
いくらもらえる？給付額と授業料等減免の目安
JASSOの給付額 ― 国公立・私立／自宅・自宅外でどう変わるか
給付型奨学金の支給額は、進学先の種類（国公立・私立）や自宅からの通学か、一人暮らしかによって大きく変わります。 最も支援が手厚い第1区分の場合、たとえば 「私立大学 × 自宅外通学」では年間約91万円が給付されるなど、日本学生支援機構（JASSO）が詳細な支給額を定めています。
第2区分・第3区分では、それぞれ第1区分の2/3・1/3が支給額の目安となります。 これにより、家庭の収入に応じて適切な支援を受けられる仕組みになっています。
授業料・入学金の免除・減額と組み合わせるとどうなる？
給付型奨学金の大きな特徴は、授業料・入学金の減免制度と組み合わせて活用できる点です。 授業料・入学金の上限額は進学先によって異なり、たとえば厚生労働省の資料を参考にすると、以下が代表的な目安になります。
| 学校種別 | 入学金（上限） | 授業料（上限） |
|---|---|---|
| 私立大学 | 約26万円 | 約70万円 |
| 国公立大学 | 約28万円 | 約54万円 |
これらは「上限額」であり、実際の金額は学校によって変わりますが、給付型奨学金と組み合わせると、実質的な負担が大幅に下がるケースもあります。
たとえば私立大学・自宅外通学のケースでは、
給付型（約91万円）＋ 授業料減免（約70万円）＋ 入学金減免（約26万円）
を組み合わせることで、初年度の学費負担がほとんどゼロに近づくこともあります。 家庭状況と学校によって差はありますが、「どこまでカバーされるか」を事前に計算しておくことで、進学計画が立てやすくなります。
高校生・保護者が知っておきたい「トータル負担」の考え方
給付型奨学金を検討する際は、「授業料」「入学金」だけでなく、進学にかかる総費用を視野に入れて考えることが重要です。 特に自宅外通学の場合は、家賃・食費・交通費・教材費・生活費など、年間で数十万円〜100万円以上の差が出ることもあります。
給付型奨学金で学費の大部分がカバーできても、生活費までは賄えないケースもあるため、
・給付型でどこまで支援されるか
・足りない分は貸与型で補うのか
・アルバイトや定期収入で補えるか
といった視点で総予算を考えることが大切です。
進学後の生活まで含めた「トータル負担」を把握しておくことで、無理のない進学計画を立てることができ、家計への不安も軽減できます。
JASSO以外にもある！自治体・大学独自・民間財団の給付型奨学金
大学や高校が独自に実施する給付型奨学金
給付型奨学金はJASSO（日本学生支援機構）だけではありません。多くの大学・短期大学・高校が、独自の給付型奨学金制度を設けています。 これらは「学内奨学金」と呼ばれ、在籍校の推薦が必要なものや、学内選考によって採用者が決まるものが中心です。
大学の場合、成績優秀者を対象とした奨学金のほか、経済的理由で修学が困難な学生を支援する制度も多く準備されています。 高校でも、進学を応援する目的で給付型奨学金を用意している学校が増えています。 学内奨学金は対象が在校生に限定される分、競争率が比較的低く、申請しやすい点もメリットです。
自治体・教育委員会・公的財団による奨学金の例
自治体や公的財団が提供する給付型奨学金も広く利用されています。 例として、ガクシーが紹介しているキーエンス財団や地域育成財団などは、 毎年多くの学生を対象に返済不要の給付を行っています。
自治体系の奨学金は、出身地域に居住している学生を対象とするものが多く、採用人数・月額・募集時期は制度によって大きく異なります。 たとえば、
- 月額5万〜10万円程度の支給
- 採用人数が数名〜数百名と幅広い
- 地元企業での就業を条件にしている場合もある
といった特徴があります。 公的財団は信頼性が高く、募集条件や支給実績が明確に開示されている点も安心材料です。
企業・民間財団・留学向け奨学金の活用
近年増えているのが、企業や民間財団が提供する特定分野に特化した給付型奨学金です。 ガクシーの奨学金情報でも、さまざまな特徴を持つ奨学金が紹介されています。
代表例として、
- 理工系学生を対象とした奨学金
- 女子学生のキャリア支援を目的とした奨学金
- 地域医療・介護などの特定分野を目指す学生向け支援
- 海外大学進学者向けの高額奨学金（柳井正財団・トビタテ！など）
といった制度があります。特に海外留学向け奨学金は、授業料だけでなく、生活費・渡航費まで支給されるなど、支援内容が非常に充実しているケースもあります。
これらの奨学金は、自分の進路や将来のキャリア目標と合致するものを探すことが最も重要です。 「将来どんな分野で活躍したいか」「どんな専門性を身につけたいか」を明確にすることで、応募できる奨学金の幅が大きく広がります。
JASSO以外にも利用できる給付型奨学金は数多く存在するため、早めに情報収集し、複数の制度を比較しながら最適な支援を選びましょう。
給付型と貸与型は併用できる？上手な組み合わせ方と注意点
JASSO給付型と貸与型の併用可否
日本学生支援機構（JASSO）の給付型奨学金は、原則として貸与型奨学金との併用が可能です。 「返済不要の給付型」と「卒業後に返済する貸与型」を組み合わせることで、進学費用の不足分を補うことができます。
ただし、併用可能とはいえ、他の制度（大学独自の奨学金・自治体奨学金・財団奨学金）との兼ね合いで、 併用が制限される場合があります。特に給付型同士の組み合わせは注意が必要なため、 必ず各制度の募集要項で「併給の可否」を確認しましょう。
他の給付型との併用が禁止・制限されるケース
給付型奨学金は制度ごとにルールが異なり、 「他奨学金との併用不可」や「同種の給付型は併用不可」と定めているケースがあります。 特に民間財団の奨学金は、支援の目的や対象学生が明確に定められているため、 重複支給を防ぐために併用禁止を設定している場合が多いのが特徴です。
そのため、応募前には必ず以下を確認してください。
- 併用できる奨学金の種類（給付型のみ不可／貸与型は可など）
- 既に採用されている奨学金との重複の扱い
- 大学・自治体側の規定（学内奨学金との併用条件 など）
特に民間財団は「応募時に併用状況を申告する」必要があることが多く、虚偽申告は採用取消につながるため注意が必要です。
将来の返済負担を抑えるための優先順位の考え方
複数の奨学金制度がある場合、どれから優先して利用すべきか迷う方も多いでしょう。 基本的には、以下の優先順位で検討するのが理想的です。
- ① 給付型（返済不要）
- ② 授業料・入学金の減免制度
- ③ 無利子の貸与型奨学金
- ④ 有利子の貸与型奨学金
最初に給付型を最大限活用し、そのうえで授業料減免制度を組み合わせることで、進学に必要な負担を大きく減らすことができます。 次に、どうしても不足する分については、利息のかからない貸与型を優先し、それでも足りない場合に限って有利子の貸与型を検討するのが基本です。
また、将来の返済負担を抑えるためには、「卒業後の収入見込み」「学費総額」「生活費」などを踏まえたキャッシュフロー設計が欠かせません。 在学中のアルバイトや実家からの支援なども含めて、無理のない返済計画を立てておくことで、卒業後の生活に余裕を持つことができます。
給付型と貸与型を上手に組み合わせることで、進学後の経済的不安を大きく軽減できます。 制度ごとにルールが異なるため、必ず事前に確認し、自分にとって最適な奨学金プランを作成しましょう。
給付型奨学金を受けるために高校生が今からできる3つの準備
1. 成績を継続的に維持・向上させる
給付型奨学金の審査では、高校1年生からの評定平均が見られます。 「高3だけ頑張れば大丈夫」というわけではなく、高1〜高3までの積み重ねが重要です。 ガクシーの奨学金解説でも、早い段階から意識して勉強することの大切さが繰り返し強調されています。
苦手科目がある場合は、まず「どこが理解できていないのか」を把握することが必要です。 教科書の例題に戻る、学校のワークを繰り返す、得意科目で点数を稼ぐなど、 自分に合った方法で基礎を固めることが評定向上への近道です。
定期テスト対策では、提出物の早期完了・授業ノートの見直し・過去問演習が基本。 日々の学習習慣を丁寧に積み重ねることで、奨学金審査で評価される安定した成績につながります。
2. 進路と学びたい内容を言語化する（学修計画づくり）
給付型奨学金の審査では、「どのような意欲を持って進学するのか」が重視されます。 そのため、高校生のうちから「将来の目標」と「大学・専門学校で学びたいこと」を言語化しておくことが大切です。
整理しやすいワーク例はこちらです：
- ① 将来の目標：どんな職業・分野で活躍したいか、できるだけ具体的に書く。
- ② なぜその分野なのか：興味を持ったきっかけや背景を書き出す。
- ③ 大学・専門学校で学びたいこと：どんな授業・研究・スキルを身につけたいかを明確にする。
- ④ その学校を選ぶ理由：カリキュラム、設備、サポート体制など具体的に説明する。
これらを整理すると、レポートや面談でも説得力のある説明ができます。 たとえば以下のようなフレーズが有効です：
- 「将来は◯◯の分野で社会に貢献したいと考えています。」
- 「高校での学びを通して△△に興味を持ち、専門的に学びたいと思うようになりました。」
- 「貴校の□□プログラムは私の目標に直結しており、特に××の取り組みに魅力を感じています。」
こうした「学びたい理由」の明確化は、奨学金審査での大きな評価ポイントになります。
3. 保護者と家計・奨学金について早めに話し合う
給付型奨学金の申請には、世帯収入・資産情報など、家庭の経済状況が必須となります。 日本学生支援機構（JASSO）も「申請には保護者の協力が不可欠」であると明確に示しています。 そのため、高校生だけで準備するのではなく、早い段階で家庭内で相談をしておくことが重要です。
話し合っておきたいポイントは以下のとおりです：
- 家庭の収入・資産状況がどの区分に当てはまりそうか
- どこまで奨学金に頼るか、どこまで家計で負担できるか
- 自宅外通学になる場合の生活費や家賃の見通し
- 奨学金が採用されなかった場合の代替手段（貸与型利用など）
進学費用は家庭によって大きく異なるため、早めに認識を共有しておくことで、 申請時の書類準備や進学後の資金計画がスムーズになります。 給付型奨学金は準備が早いほどチャンスが広がる制度です。 今日からできることを少しずつ進めていきましょう。
申し込みの流れとチェックリスト（予約採用・在学採用）
高校在学中に申し込む「予約採用」の流れ
給付型奨学金の申し込み方法には「予約採用」と「在学採用」があります。まず予約採用は、高校在学中に申し込む方法で、募集時期は概ね高3の春〜秋に行われます。日本学生支援機構（JASSO）の制度では、多くの高校が学校を通じて申し込みを受け付けるため、担任の先生や進路指導室の案内をしっかり確認しておく必要があります。
申し込みに必要な書類は、調査書、家計状況を示す証明書類、マイナンバー関係書類などです。特に家計情報は保護者の協力が欠かせないため、早めの準備と相談が重要になります。
進学後に申し込む「在学採用」の流れ
進学後に申し込む方法が「在学採用」です。大学・短期大学・専門学校に入学した後、各学校が案内する募集期間に申し込みを行います。日本学生支援機構（JASSO）の給付型奨学金も、在学採用で申し込むことが可能です。
在学採用の特徴は、高校時よりも「大学での成績」や「修得単位数」などの学習状況が重視される点です。また、進路目標や学びたい内容をまとめる「学修計画書」が必要になる場合もあり、継続的な学習意欲が求められます。
申し込み前の最終チェックリスト（10〜15項目）
奨学金の申請を成功させるためには、事前準備がとても重要です。以下のチェックリストを活用しながら、漏れなく準備を整えていきましょう。
- 給付型・貸与型・大学独自・自治体など、利用可能な奨学金を一覧にまとめたか
- 世帯年収・資産がどの区分に当てはまりそうか把握したか
- 進学希望校が修学支援新制度の対象校か確認したか
- 家族と進学費用や奨学金の利用方針について話し合ったか
- 高校の評定平均・提出物・出欠状況など、申請に影響する点を確認したか
- 調査書や証明書類の準備スケジュールを把握しているか
- マイナンバー関連書類の準備ができているか
- 学修計画書（志望理由書）を下書きし、必要に応じて先生や家族に添削してもらったか
- 奨学金募集要項で「併用可否」や特記事項を確認したか
- 在学採用と予約採用、どちらが自分に適しているか理解しているか
- 奨学金が不採用だった場合の代替案（貸与型の利用など）を考えているか
これらのポイントを押さえておくことで、申し込みのミスや準備不足を防ぎ、安心して奨学金の申請に臨むことができます。
まとめ｜給付型奨学金を正しく理解し、進学への一歩を確実に
給付型奨学金は、返済不要という大きなメリットがある一方で、世帯年収・資産、成績、学修意欲など、一定の基準を満たす必要がある制度です。特に、日本学生支援機構（JASSO）が実施する給付型奨学金は、授業料・入学金の減免と組み合わせることで、進学にかかる経済的負担を大幅に軽減できる重要な支援策となっています。また、自治体・大学・民間財団など、JASSO以外にも多様な給付型奨学金が存在し、自分の将来の進路や興味のある分野に応じて選択肢を広げることが可能です。
奨学金を検討する際には、制度の仕組みや家計基準、学校の対象可否などを早めに調べ、必要書類や学修計画書の準備を進めておくことが成功の鍵となります。特に、高校生のうちから成績の維持・向上に努め、進路や学びたい分野を明確にしておくことは、審査を通過する上でも大きな強みになります。さらに、進学資金について保護者と話し合いながら、給付型・貸与型の併用や生活費の見通しなど、総合的な資金設計を行うことも欠かせません。
進学は人生における大きな分岐点ですが、経済的理由で夢をあきらめる必要はありません。給付型奨学金を正しく理解し、活用することで、未来への第一歩を確実に踏み出すことができます。必要であれば、学校の先生や専門窓口、情報サイトなども積極的に利用し、自分にとって最適な進学プランを作っていきましょう。
