「奨学金の申し込み期限を過ぎてしまった気がする」「今から申し込んでも間に合うの？」——進学を控えた高校生や、その保護者からよく聞く不安です。奨学金はいつ・どのタイミングで申し込むか（申し込み時期）によって選べる制度や振り込まれる時期が変わります。なかでも、日本学生支援機構（JASSO）の奨学金は利用者が多く、「予約採用」と「在学採用」という2つの申し込みパターンがあるため、スケジュールを正しく理解しておくことが大切です。
本記事では、長年奨学金相談を受けてきた大学の奨学金担当者やファイナンシャルプランナーの知見も参考にしながら、「奨学金の申し込み時期」を軸に、制度の種類・選考基準・一般的なスケジュール・申込期限を逃した場合の対処法まで、順番に整理して解説します。「自分や子どもは、今からどの奨学金に申し込めるのか？」が分かるようになることをゴールに、一緒に見ていきましょう。
奨学金の「申し込み時期」が重要な理由とは？
なぜ「いつ申し込むか」で選べる奨学金が変わるのか
奨学金は、同じ日本学生支援機構（JASSO）の制度であっても、いつ申し込むかによって利用できる種類や振り込まれる時期が変わります。代表的なのが、入学前に高校経由で申し込む「予約採用」と、大学・専門学校に入学してから申し込む「在学採用」です。予約採用であれば、進学直後の4〜5月頃から奨学金の振込が始まるケースが多い一方、在学採用では申込から振込開始までに時間がかかり、実際の受給が1〜2か月程度遅くなることもあります。
また、奨学金の多くは入学後に支給が始まるため、入学金そのものの支払いには使えないという特徴があります。入学金や入学前に必要な費用については「教育ローン」など別の手段で準備する必要があり、この点を理解しておかないと「奨学金があるから大丈夫」と思っていたのに、支払い時期に間に合わないといったトラブルにつながりかねません。
申し込み期限を逃すと何が困る？よくある失敗パターン
奨学金の申し込み時期を意識していないと、「知っていれば使えたはずの制度」を逃してしまうことがあります。よくあるのが、高校3年生のタイミングで実施される予約採用を知らず、「入学してから在学採用しか選べなかった」というケースです。この場合、本来は入学直後から奨学金を受け取れたかもしれないのに、実際の振込は夏以降になり、その間の生活費や教科書代を自己負担で乗り切らなければならなくなります。
また、「奨学金があるから大丈夫」と考えていたものの、入学金の支払い時期と奨学金の振込開始時期を混同してしまい、「入学金の支払いに奨学金が間に合わず、慌てて高金利のローンを組んだ」という例もあります。申し込み期限や振込開始時期を正しく理解していないと、結果的に家計への負担が大きくなったり、進学そのものを諦めざるを得ない状況に追い込まれることもあるため、「いつ・どの制度に申し込むか」を早めに確認しておくことが重要です。
まず整理したい奨学金の基本：給付型・貸与型とJASSOの位置づけ
奨学金の2大分類「給付型」と「貸与型」
奨学金には大きく分けて「給付型」と「貸与型」の2種類があります。給付型奨学金は、その名の通り返済不要の奨学金で、採用されれば授業料や入学金の免除・減額、あるいは毎月の給付金として支援を受けられます。一方、貸与型奨学金は卒業後に返済が必要な制度で、毎月借りた金額を社会人になってから分割で返していくのが一般的です。
ただし、「給付型だから安心」「貸与型だから悪い」という単純な話ではありません。給付型は返済不要な反面、募集枠が限られていたり、家計・成績の基準が厳しかったりすることがあります。貸与型は返済義務があるものの、教育ローンより低金利で利用できたり、所得に応じて返還額が決まる方式を選べたりと、教育機会を広げるための重要な仕組みでもあります。自分や家族の状況に合わせて、「どの程度なら返済できるか」「給付型とどう組み合わせるか」を考えながら選ぶことが大切です。
JASSO（日本学生支援機構）の奨学金が占める割合
日本で最も多くの学生が利用しているのが、JASSO（日本学生支援機構）の奨学金です。全国どの地域の学生でも申し込める公的な制度であり、給付型奨学金と第一種（無利子）・第二種（有利子）の貸与型奨学金がそろっていることから、「まず検討したい奨学金」として位置づけられています。大学（昼間部）の約半数が何らかの奨学金を利用しているという調査結果もあり、その中でもJASSOの制度が大きな割合を占めています。
また、JASSOの奨学金は「予約採用（入学前申込）」と「在学採用（入学後申込）」の2つの申し込みルートが用意されており、申し込み時期によって利用できる制度や振込開始のタイミングが変わるのも特徴です。奨学金の申し込み時期を考えるうえでも、まずはJASSOの制度概要と、自分がどのタイプに当てはまりそうかを押さえておくことが重要です。
民間・自治体・大学独自奨学金との違い
奨学金はJASSOだけでなく、企業や財団などの民間団体、地方自治体、各大学・専門学校が独自に設けている制度も数多く存在します。例えば、出身地域や進学先のエリアに紐づいた「自治体奨学金」や、特定の学部・分野を応援する「企業・財団奨学金」、成績や人物評価に基づいて選考される「大学独自の給付奨学金」など、種類はさまざまです。
これらの奨学金は、募集時期や申請方法、選考基準がそれぞれ異なります。JASSOの奨学金だけを見ていると、「自分にはチャンスが少ない」と感じてしまうこともありますが、実は自治体や大学独自の制度を組み合わせることで、給付型の割合を増やせるケースも少なくありません。進学を考える際は「JASSOの奨学金に申し込むかどうか」だけでなく、「JASSO＋自治体＋大学独自＋民間」のセットで情報収集を行い、申し込み時期や条件を早めに確認しておくことがポイントです。
「予約採用」と「在学採用」の違いを時期とスケジュールで比較
予約採用とは？——高校在学中に申し込む奨学金
予約採用とは、高校在学中に日本学生支援機構（JASSO）の奨学金へ申し込む制度です。申し込み時期の一般的な目安は高校3年生の春〜夏（春募集）で、多くの学校では4月〜7月ごろに書類配布や説明会が行われます。また、学校によっては10月前後に「秋募集」を実施している場合もあります。
申込みは高校を通して行われ、高校の奨学金担当の先生から書類が配布され、家庭状況や成績に関する必要書類を提出します。その後、JASSOによる審査を経て、「採用候補者決定通知」が発行されます。進学先が決まったら「進学届」を提出し、初回振込へと進む流れです。初回の振込は、スケジュールによっては4月〜6月のいずれかとなり、在学採用より早く受給が始まることが多い点が特徴です。
在学採用とは？——大学・専門学校入学後に申し込む奨学金
在学採用は大学・短期大学・専門学校に入学したあとに申し込む奨学金です。入学後の4〜5月に説明会や申込案内が実施されることが多く、この時期に学生課や奨学金窓口を通じて申請手続きが案内されます。
在学採用にも春募集と秋募集があり、春の申請に間に合わなくても秋募集で申し込めるため、「申し込みが遅れてしまった」と感じる学生でもまだチャンスがあります。また、事故・失業・災害などによる家計急変時には、随時申請ができるケースもあり、通常の募集時期に関係なく相談が可能です。
ただし、在学採用は審査から振込開始までに少し時間がかかるため、予約採用よりも1〜2か月ほど振込開始が遅くなる傾向があります。入学初期の教科書代や生活費を奨学金でカバーしようと考えている場合は、タイミングに注意が必要です。
予約採用と在学採用、申し込みのタイミング・メリット・デメリット比較
「予約採用と在学採用、どちらが有利なのか？」という疑問はよく聞かれますが、どちらか一方が常に優れているわけではありません。予約採用は振込開始が早く、入学直後の費用負担を軽減しやすい一方、申し込み時期が高校3年に限定されるため、情報を知らないまま見落としてしまうケースもあります。
一方で、在学採用は進学後に初めて奨学金が必要だと気づいた学生でも申し込める柔軟さがあります。また、予約採用で不採用だった場合でも、在学採用で再チャレンジできるため、「高校で落ちたから終わり」ということはありません。
地域や学校によっては、奨学金に関する情報提供が十分でない場合もあり、「予約採用を知らずにチャンスを逃してしまった」というケースも多く見られます。そのため、家庭側でも積極的に情報収集を行い、自分に合ったタイミングで申し込める制度を把握しておくことが重要です。
奨学金の申し込み時期の目安｜高校生（予約採用）のケース
高校3年生の年間スケジュールと奨学金申し込みの関係
高校生が利用できるJASSOの「予約採用」は、高校3年生の年間スケジュールと深く関係しています。多くの生徒は進学先がまだ確定していない段階で申し込みを行いますが、予約採用は進学先が決まっていなくても申し込み可能です。そのため、早めに動くことで選択肢を広げられます。
また、入試スケジュールとの関係も知っておくと安心です。総合型選抜（旧AO入試）は秋頃、推薦入試は冬頃、一般入試は年明け以降が中心となりますが、奨学金の予約採用はこれらより早い段階で動き始めます。入試の結果とは関係なく先に申し込む仕組みになっているため、「合格してから考える」ではなく、「高3の春から動き出す」意識が重要です。
春募集・秋募集の一般的な流れ
予約採用には、一般的に春募集（4月〜7月）と秋募集（10月ごろ）があります。多くの高校では春募集を基本とし、奨学金担当の先生から書類配布や説明会の案内があります。春募集で申し込んだ人は、原則として秋募集に重複して申し込むことはできません。そのため、春募集の案内を見逃さないように注意が必要です。
また、締切時期は高校によって異なるため、必ず在学している高校の奨学金担当の先生に確認しましょう。書類の提出日や説明会の日程は学校ごとに設定されており、「友達の学校では締切がまだ先だったのに、自分の学校はもう終わっていた」というケースも珍しくありません。
今、高2・高1の人が押さえておきたい「準備の時期」
奨学金を検討している高2・高1の人も、早めに準備しておくことで、申し込み時期に慌てなくて済みます。まず重要なのは、成績（評定平均）と家計状況の目安を把握することです。特にJASSO給付型や第一種奨学金は評定平均3.5以上が基準となるため、早い段階で目標を意識しておくことが大切です。
さらに、予約採用の申し込みにはマイナンバーや所得証明など、家庭で準備が必要な書類が複数あります。家族に依頼して書類を揃える必要があるため、高2・高1の時点でも一度相談しておくとスムーズです。奨学金は「直前に思い出して準備する」よりも、「早めに情報を共有しておく」ことが成功のポイントになります。
奨学金の申し込み時期の目安｜大学・専門学校生（在学採用）のケース
入学後すぐの「春募集」で申し込む場合
大学・短期大学・専門学校に進学した後に申し込める「在学採用」は、一般的に入学直後〜4〜5月ごろに説明会や申請案内が行われます。学生課・奨学金窓口・学内ポータルサイトなどで案内されるため、入学後はこまめに情報をチェックしましょう。
ただし、在学採用は申請から振込まで時間がかかるため、初回振込は6月以降になることがあります。そのため、奨学金を「入学金の支払いに使う」ことはできません。入学時に必要な費用は、別途、貯金・家族からの援助・教育ローンなどで準備しておく必要があります。
春募集に間に合わなかった場合の「秋募集」
春募集に間に合わなくても、大学や専門学校では秋募集が実施されることが多く、「春を逃した＝申し込めない」というわけではありません。秋募集でも在学採用の申し込みが可能で、状況によっては春募集と同様の支援が受けられます。
ただし、秋募集の案内は春よりも告知が少ない場合もあります。学内ポータル・掲示板・メール連絡などを定期的に確認し、募集が始まったタイミングを逃さないようにしましょう。大学によっては秋募集の枠が少なめな場合もあるため、早めの情報収集が重要です。
家計急変時（事故・失業・災害など）の「随時申請」
家計が急激に悪化した場合（生計維持者の失業・減収、事故、病気、災害など）、通常の募集時期に関係なく申し込める「家計急変」枠があります。この場合は、在学採用の春・秋募集を待たずに申請できるため、早急に大学へ相談することが大切です。
家計急変の申請は、出来事からおおむね3か月以内が目安とされることが多く、必要書類（退職証明書・減収を証明する書類など）の提出が求められます。状況が複雑な場合も多いため、迷ったら大学の学生支援センターや奨学金窓口へ早めに相談しましょう。
「通常募集が終わっていたから諦める」という必要はありません。家計急変枠は緊急時の学生を支えるために設けられた制度であり、タイミングさえ逃さなければ利用できる可能性があります。
「いつまでに申し込めば間に合う？」よくあるケース別のチェックリスト
ケース1｜高3の春に奨学金を知った場合
高校3年生の春に初めて奨学金の存在を知ったとしても、まだ十分に間に合います。まずは、在学している高校で行われる奨学金説明会に参加し、申し込み書類やスケジュールを確認しましょう。多くの学校では春募集が4〜7月に実施されるため、できるだけ早く奨学金担当の先生に相談し、締切日をチェックすることが重要です。
もし春募集に間に合わなかった場合は、秋募集（10月ごろ）や、JASSO以外の大学独自・自治体・財団の奨学金制度の検討も可能です。進学先が決まっていなくても申し込める制度があるため、「遅れたからもう無理」と諦めないことが大切です。
ケース2｜大学入学後に奨学金の必要性に気づいた場合
大学・専門学校に進学してから「やっぱり奨学金が必要」と気づく学生も多くいます。この場合は、在学採用の春募集が主な申し込みタイミングとなり、入学直後の4〜5月に案内があります。
すでに春募集の時期を過ぎてしまった場合でも、秋募集で申し込むことができます。また、大学によっては独自の給付型奨学金や緊急支援制度が用意されていることもあり、併せて検討することで選択肢が広がります。入学初期の費用が不足している場合は、教育ローンを併用するケースも一般的です。
ケース3｜家計急変で急ぎお金が必要になった場合
生計維持者の失業、病気、事故、災害などにより急遽家計が悪化した場合は、通常の募集期間に関係なく申し込める家計急変枠があります。まずは大学の学生支援センターに相談し、状況を説明しましょう。
学費がすぐに必要な場合は、延納・分納の相談が可能な大学も多く、また、大学独自の緊急給付金制度や、自治体・民間の奨学金を組み合わせることで支援を受けられる場合があります。とにかく「迷ったら早めに相談」することが重要です。
「申し込み時期」を確認するときの5つのチェックポイント
- 自分の学年・進路（高校生／大学生・専門学生）を把握する
- 申し込みたい奨学金の種類（JASSO／大学独自／自治体／民間）を整理する
- 今年度の募集時期（春・秋）と締切日を確認する
- 家計状況や成績（評定平均・GPA）の目安を把握しておく
- 相談先（高校の先生／大学の学生課／ファイナンシャルプランナー／専門NPO）を決めておく
この5つを押さえることで、「自分はいつまでに、どの奨学金に申し込めるのか」を正確に判断しやすくなります。進学準備の早い段階で確認しておくと安心です。
申請前に知っておきたい「学力基準」と「家計基準」
学力基準の目安（評定平均・GPAなど）
奨学金には、家計状況だけでなく学力基準が設定されている場合があります。特に日本学生支援機構（JASSO）の給付型や第一種奨学金は、次のような目安がよく使われます。
- 予約採用：評定平均3.5以上が目安の給付型・第一種奨学金
- 在学採用：高校2〜3年の成績、または入学後のGPA（大学での成績）が基準になる
- 学校側の判断で「平均水準以上」「学びの意欲」など定性的な評価が加わることもある
成績だけで一律に判断されるわけではありません。特に予約採用では、世帯の状況や本人の学習意欲などを総合的に見て判断されるケースもあります。成績に不安がある場合でも、すぐに諦める必要はありません。
家計基準の目安（世帯年収と世帯人数で変わる）
奨学金の可否を左右するもう一つの重要なポイントが家計基準です。家計基準は、世帯年収や世帯人数、通学形態（自宅・自宅外）によって大きく変わります。
- 住民税非課税世帯・準ずる世帯は、給付型奨学金の対象になる可能性が高い
- 共働きかどうか、家族の人数、私立大学か国公立か、自宅外通学かどうかで上限額が変動する
- 「家計基準に当てはまらない」と思っても、実際に計算すると対象となる場合がある
家計基準は年度ごとのルールや世帯構成で変わるため、必ず最新の募集要項で確認しましょう。家庭の事情により収入が不安定な年は、基準に当てはまる可能性が高くなることもあります。
成績や年収が少し足りないときに諦めないための考え方
「成績が少し足りない…」「年収が少し超えてしまった…」という理由で、奨学金を諦めてしまう人もいます。しかし、基準を満たせない場合でも、次のような選択肢があります。
- 基準緩和や特例採用を利用できるケース（住民税非課税世帯、生活保護世帯、社会的養護を必要とする学生など）
- 他の奨学金制度との組み合わせ（民間・大学独自・自治体奨学金など）
- 在学採用で再チャレンジし、大学側の推薦を得て採用されるケースもある
奨学金は「給付型だけ」「JASSOだけ」で判断する必要はありません。「給付型は無理」と決めつけず、複数の制度を調べることで本来利用できるはずの支援に出会える可能性があります。情報を取りに行く姿勢が、進学の選択肢を広げる大きなポイントです。
JASSO以外の奨学金・学費支援の申し込み時期も確認しよう
大学独自の奨学金・授業料減免制度
奨学金＝JASSOというイメージを持っている人も多いですが、実は大学が独自に設けている奨学金や授業料減免制度も数多く存在します。これらには大きく分けて、
- 入学前に出願が必要なもの（入試の出願時に同時応募するタイプ）
- 入学後に募集されるもの（毎年度、春や秋に募集されるタイプ）
があります。中には、合格通知と同時に案内が送られてくるタイプもあり、見落としてしまうと応募機会を逃してしまうことがあります。大学独自の制度は、給付型の割合が高かったり、条件が比較的柔軟だったりするため、入学前後のタイミングで必ず確認しましょう。
自治体・企業・財団の奨学金
地方自治体や企業、財団法人などが提供する奨学金も、進学を支える重要な選択肢です。例えば、
- 出身地域の学生を対象とした地域限定の奨学金
- 医療・工学など特定の分野に進む学生を支援する学部限定の奨学金
- 卒業後に地元就職を条件とした条件付き給付型奨学金
などさまざまです。これらの奨学金は、募集時期や条件がバラバラで、年度によって募集がない場合もあります。そのため、年単位で情報収集することが重要です。「知らなかった」で応募機会を逃す学生は多く、早めのチェックが大きな差になります。
教育ローン・給付型奨学金との組み合わせで支えるケース
進学費用は、奨学金だけでなく教育ローンとの併用で賄うケースも一般的です。特に、
- 入学金や初年度納入金は教育ローン
- 在学中の生活費や授業料は奨学金
という組み合わせは多くの家庭で利用されています。JASSOの奨学金は入学前の費用には間に合わないため、このように役割を分けることで無理のない進学計画が立てやすくなります。
「奨学金だけに頼らない」進学費用計画が重要であり、複数の制度を組み合わせることで返済負担の軽減・選択肢の拡大につながります。進学を検討している段階で、奨学金・授業料減免・教育ローンの全体像を把握し、家族と一緒に計画することが大切です。
申し込み時期を逃さないために：情報収集・相談先・スケジュール管理のコツ
まずは学校の窓口・ホームルームでの案内を活用する
奨学金の申し込み時期を逃さないための最初のステップは、学校で提供される情報を積極的に活用することです。高校の場合は、進路指導室や奨学金担当の先生が最新情報や必要書類を案内してくれます。ホームルームで配布されるプリントや説明会の情報も見逃さないようにしましょう。
大学・短期大学・専門学校の場合は、学生課や奨学金係、学生支援センターが主な窓口になります。学内ポータル・掲示板で案内されることも多いため、入学後は定期的にチェックする習慣をつけておくことが大切です。
公式情報源（JASSO・大学サイト）と信頼できる解説をチェック
奨学金の情報は毎年更新されるため、SNSや噂だけに頼るのは危険です。必ずJASSOの公式サイトや、志望校・在学中の大学の公式ページで募集要項やスケジュールを確認しましょう。
YouTubeなどで奨学金を専門に解説するチャンネルも増えており、制度の仕組みを理解するのに役立ちます。ただし、年度の古い情報は制度が変わっている可能性があるため、最新年度で更新されている動画や記事を参照することが大切です。
スケジュール管理の実践アイデア
申し込み時期を逃さないためには、日常的なスケジュール管理がとても効果的です。次のような方法を取り入れることで、締切直前の慌てや提出漏れを防げます。
- 自分用の「奨学金申し込みカレンダー」を作り、募集時期・提出日・説明会日程を記録しておく
- 公式の締切日の1〜2週間前を「自分の締切」として設定することで、想定外の遅れに対応しやすくなる
- 保護者や先生と情報を共有し、声掛けや確認のサポートを受けることで準備がスムーズになる
奨学金は「気づいたときには締切が過ぎていた」というケースが非常に多いため、日頃からの情報収集とスケジュール管理が成功の鍵になります。
まとめ
奨学金の申し込みは、「どの制度を選ぶか」以上にいつ申し込むか（申し込み時期）が非常に重要です。特にJASSOの奨学金は、入学前に申し込む「予約採用」と、入学後に申し込む「在学採用」でスケジュールが大きく異なり、振込開始時期にも差が出ます。高校生であれば、高3の春〜夏に実施される予約採用の案内を見逃さないこと、大学生・専門学校生であれば、入学直後の春募集や、間に合わなかった場合の秋募集を押さえておくことがポイントです。
また、奨学金には学力基準・家計基準があり、自分では「対象外かもしれない」と思っていても、実際には採用されるケースも多くあります。さらにJASSO以外にも、大学独自の奨学金、自治体・企業・財団による給付型支援、教育ローンなど、進学費用を支える制度は幅広く存在します。複数の制度を組み合わせることで、返済負担を抑え、進学の選択肢を広げることが可能です。
「申し込み時期を逃したらどうしよう」「今からでも間に合う？」と不安に感じる場合でも、まずは学校の窓口や専門家に相談することで解決できることがほとんどです。正しい情報を早めに集め、スケジュールを管理することで、自分に合った奨学金制度を賢く活用し、安心して進学への一歩を踏み出しましょう。
