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奨学金返済の利率固定とは?見直し方式との違い・金利上昇時代の選び方と注意点

奨学金を借りた人の多くが、卒業後に直面するのが「返済」と「金利」の問題です。特に日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金では、「利率固定方式」と「利率見直し方式」のどちらを選ぶかによって、将来の返済負担が大きく変わる可能性があります。
近年は長く続いた超低金利時代から転換し、金利上昇の兆しも見え始めました。その中で「利率固定は本当に安心なのか」「固定にすると損をすることはないのか」と不安を感じている人も多いでしょう。
本記事では、実際の金利推移データや返済シミュレーション、制度設計の考え方をもとに、奨学金返済における利率固定方式の仕組み・メリット・注意点を整理します。将来のライフプランを見据え、後悔しない選択をするための判断材料を、専門的かつわかりやすく解説します。

奨学金返済における「利率固定方式」とは

「奨学金返済 利率固定」で検索する人が気になるのは、返済中に金利が変わらない“安心”が本当に得かどうか、という点です。利率固定方式は、日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金(有利子)で選べる金利の決め方の一つで、貸与が終了した時点(卒業など)で決まった利率が、返済完了まで固定されます。

一方で、金利が下がっても返済中の利率は変わりません。つまり、利率固定方式は「将来の金利上昇リスクを避けたい人」に向く反面、「金利低下のメリットは受けにくい」仕組みだと理解しておくことが大切です。

利率固定方式の基本的な仕組み

利率固定方式は、返済が始まる前に“最終的に適用される利率”が決まり、その後は原則として変わらない方式です。返済中に市場金利が上昇しても、あなたの奨学金返済の利率は据え置かれるため、毎月の返済額や総返済額の見通しが立てやすいのが特徴です。

ただし、固定されるのは「申込時の利率」ではありません。実際に適用される利率は、卒業などで貸与が終わるタイミングで決まります(詳しくは後述)。

適用されるのはどの奨学金か(第二種奨学金)

利率固定方式が関係するのは、主にJASSOの貸与奨学金のうち、第二種奨学金(有利子)です。第一種奨学金は無利子のため、利率固定/見直しの選択は基本的に対象外になります。

第二種奨学金は、学費や在学中の生活費を補う目的で利用されることが多い一方、卒業後に返済が続くため、「借入総額 × 返済年数 × 金利(利率)」の組み合わせで将来負担が変わります。だからこそ、利率固定方式を選ぶ際は、金利の仕組みを正しく理解しておくことが重要です。

利率はいつ・どのように決まるのか

第二種奨学金の利率は、在学中に確定するわけではありません。一般的に、JASSOの第二種奨学金は貸与中(在学期間中)は利息がかからず、卒業や退学などで貸与期間が終了した時点の利率が、返済に適用されます。

そのうえで利率固定方式を選ぶと、貸与終了時に決定した利率が返済完了まで続く仕組みです。つまり、「入学時に低金利だったから固定が有利」とは限らず、卒業時の金利水準が重要な判断材料になります。

なお、どちらの方式を選ぶかは申込時に決めますが、貸与終了年度の学校が定める期限まで変更できる場合があります。将来の金利動向は予測しづらいため、在学中も情報を確認し、必要に応じて早めに検討しましょう。

利率見直し方式との違いをわかりやすく比較

奨学金返済で「利率固定方式」を選ぶか迷うとき、必ず比較対象になるのが利率見直し方式です。どちらも日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金(有利子)で選択できる仕組みで、違いはシンプルに言うと「返済中に金利が変わるかどうか」です。

ただし、「固定=安心」「見直し=危険」と決めつけるのは早計です。金利は市場の動きに連動するため、将来の金利が上がるか下がるかで有利不利が変わります。ここでは、奨学金返済の利率固定と利率見直しの違いを、なるべく噛み砕いて整理します。

利率見直し方式の特徴(5年ごと見直し)

利率見直し方式は、貸与が終了した時点(卒業など)で決まった利率を、おおむね5年ごとに見直していく方式です。見直し時点の市場金利が上昇していれば、次の期間の利率は上がる可能性があり、逆に市場金利が下がっていれば下がる可能性があります。

つまり、利率見直し方式は“金利変動の影響を受ける”代わりに、金利が下がった局面では返済負担が軽くなることもあります。一方で、金利上昇局面では返済額が増える可能性があるため、家計の見通しを立てるうえでは注意が必要です。

固定方式と見直し方式の比較表(考え方)

「奨学金返済 利率固定」と「利率見直し方式」は、次の観点で比較すると理解しやすいです。

比較ポイント利率固定方式利率見直し方式
返済中の利率貸与終了時に決まった利率が完済まで固定貸与終了時の利率を基準におおむね5年ごとに見直し
金利上昇時の影響返済中に金利が上がっても影響を受けにくい見直しのタイミングで利率が上がる可能性
金利低下時の影響金利が下がっても下がらない見直し時に利率が下がる可能性
安心感・見通し毎月の返済計画が立てやすく家計管理向き返済額が変動し得るため計画に幅が必要
利率水準の傾向見直し方式より高めに設定されることが多い固定方式より低めに設定されることが多い

ポイントは、利率固定方式は「上がるリスクを避ける」性質が強く、利率見直し方式は「上下どちらにも動く可能性がある」という点です。

どちらが「得」かはなぜ一概に言えないのか

結論から言うと、利率固定方式と利率見直し方式のどちらが「得」かは、将来の金利動向を確実に予測できないため一概に言えません。たとえば、今後金利が上がるなら利率固定方式が有利になりやすく、反対に金利が下がるなら利率見直し方式が有利になりやすい、という構造です。

さらに、実際の負担は借入総額返済期間によっても変わります。借入額が大きいほど、利率差が総返済額に与える影響も大きくなります。一方、借入額が小さかったり、利率そのものが低水準だったりすると、固定と見直しの差が月数十円〜数百円程度にとどまるケースもあります。

そのため、「どちらが得か」ではなく、家計の安定性を優先するのか(固定)金利低下の可能性も取りに行くのか(見直し)という“リスク許容度”で考えるのが現実的です。

奨学金の金利はどのくらい?最新の金利推移

「奨学金返済 利率固定」を検討するうえで欠かせないのが、実際の金利水準とその推移です。奨学金の金利は、住宅ローンやカードローンのように常に一定ではなく、社会全体の金利動向(市場金利)の影響を受けて決まります。

長らく続いた超低金利時代を背景に、「奨学金の金利はほとんどかからない」という印象を持っている人も多いかもしれません。しかし近年は、少しずつ金利上昇の局面に入りつつあり、固定方式・見直し方式を選ぶ意味合いも変わってきています。

第二種奨学金の金利推移(低金利時代から上昇局面へ)

日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金の金利は、2000年代後半〜2010年代にかけて大きく低下しました。時期によっては、利率固定方式でも年0.1%を下回る水準となり、「利息はほとんど気にしなくてよい」と言われるほどでした。

しかし、2019年以降は世界的な金融政策の転換などを背景に、第二種奨学金の金利も緩やかに上昇しています。直近の卒業年度では、利率固定方式で年0.9%前後、利率見直し方式で年0.3%前後といった水準が適用されたケースもあり、以前と比べると無視できない差が生じています。

このように、奨学金の金利は「常に低い」とは限らず、卒業時の金利水準によって返済負担が左右される点は、しっかり認識しておく必要があります。

利率固定方式と見直し方式の実際の水準

一般的に、同じ年度で比較すると、利率固定方式のほうが、利率見直し方式よりも高めに設定される傾向があります。これは、固定方式が「将来の金利上昇リスクを回避できる」分、その安心料として利率が上乗せされているためです。

たとえば、ある卒業年度で見た場合、利率固定方式が約0.9%、利率見直し方式が約0.3%といった差がつくこともあります。この差だけを見ると、見直し方式のほうが圧倒的に有利に見えますが、見直し方式は将来の金利上昇によって途中で返済額が増える可能性がある点に注意が必要です。

一方、利率固定方式は返済完了まで利率が変わらないため、長期の家計計画を立てやすいというメリットがあります。金利水準だけでなく、返済期間全体を通じたリスクの取り方が重要になります。

上限金利(3%)と増額分の利率上乗せ

第二種奨学金の金利には、借りる側を守るための上限が設けられています。基本月額に対する利率は、利率固定方式・利率見直し方式いずれも年3%が上限です。市場金利が大きく上昇したとしても、奨学金の利率が無制限に上がることはありません。

ただし注意したいのが、私立大学の医・歯・薬・獣医学系などで利用される「増額分」です。増額分については、原則として基本月額に適用される利率に0.2%が上乗せされます。借入額が大きい場合、この0.2%の差でも、総返済額に影響が出ることがあります。

奨学金返済を考える際は、「利率が何%か」だけでなく、どの部分にどの利率がかかるのかまで含めて確認することが、後悔しない選択につながります。

利率固定を選んだ場合の返済額シミュレーション

「奨学金返済 利率固定」を選ぶかどうか迷ったときは、感覚ではなく数字で比較するのがいちばん確実です。利率固定方式は、卒業などで貸与が終了した時点の利率が完済まで変わらないため、金利が低い年度に卒業すれば負担は軽くなりますが、金利が上がった年度に卒業すると想定より負担が増える可能性があります。

ここでは、参考記事で示されている代表的なケースとして、第二種奨学金を4年間借りた場合の返済イメージを整理し、利率の違いでどれだけ差が出るのかを確認します。

月額8万円・12万円で借りた場合の返済イメージ

第二種奨学金(有利子)は、大学・短大の場合月額2万円〜12万円の範囲で選び、卒業後に返済(返還)が始まります。たとえば4年間借りた場合、借入総額は次のようになります。

  • 月額8万円 × 48か月(4年)=384万円
  • 月額12万円 × 48か月(4年)=576万円

JASSOの返済は、借入総額に応じて返済期間や毎月の返済額が一定のルールで決まります。参考例では、どちらも返済期間は20年とされ、月々の返済額は「元金+利息」を分割して支払うイメージになります(実際の条件は借入総額・返還方式等で変動します)。

金利0.07%と1%超でどれほど差が出るか

同じ借入額でも、利率固定方式で適用される金利が違うと、総返済額と利息負担が大きく変わります。参考記事の試算例(利率固定方式)では、次のような差が示されています。

① 月額8万円(総額384万円)

利率(固定)月々の返済額返済期間返済総額利息分
1.5%18,646円20年4,475,297円635,297円
0.07%16,117円20年3,868,252円28,252円

② 月額12万円(総額576万円)

利率(固定)月々の返済額返済期間返済総額利息分
1.5%27,970円20年6,712,982円952,982円
0.07%24,177円20年5,802,436円42,436円

同じ「利率固定方式」でも、金利が0.07%のときは利息が数万円程度に収まる一方、1%超になると利息が数十万円〜約100万円規模になることがわかります。つまり「奨学金の金利は低い」と言われやすい一方で、金利水準次第では無視できない負担になり得ます。

「月々数百円」の差をどう評価すべきか

一方で、金利が低い年度のケースでは、利息負担が月々数百円に見えることもあります。参考例では、金利0.07%のケースで利息が、月額8万円借入で約117円/月、月額12万円借入で約177円/月と試算されています。

この「月々数百円」をどう捉えるかが、利率固定方式を選ぶうえでの分かれ道です。

  • 家計の安定性を重視する人:金利上昇で返済額が増える不安を避けたいなら、固定の安心感は大きい
  • 合理性(期待値)を重視する人:金利低下局面のメリットも狙うなら、見直し方式を検討する余地がある
  • 共通の結論:どちらを選ぶにせよ、借入額を必要最小限に抑えるほど金利差の影響は小さくなる

結局のところ、利率固定は「損得」だけで判断するよりも、返済期間中の家計変動リスクをどこまで許容できるかで考えるのが現実的です。次章以降では、固定方式のメリット・デメリットをさらに整理し、どんな人に向くかを具体的に解説します。

奨学金返済で利率固定を選ぶメリット

奨学金返済において利率固定方式を選ぶ最大のポイントは、「返済中の不確実性を減らせること」です。返済期間は10年〜20年と長期にわたるため、金利の変動が家計に与える影響も小さくありません。ここでは、奨学金返済で利率固定を選ぶ主なメリットを3つの視点から整理します。

返済額が変わらない安心感

利率固定方式では、貸与終了時(卒業時など)に決まった利率が完済まで変わりません。そのため、返済中に市場金利が上昇しても、毎月の返済額が増えることはありません

利率見直し方式の場合、5年ごとの見直しで返済額が上がる可能性がありますが、固定方式ではその心配がないため、「将来いくら払うのか」が最初から明確になります。これは、奨学金返済に不安を感じやすい人にとって、大きな心理的メリットといえるでしょう。

家計管理・ライフプランを立てやすい

返済額が一定であることは、家計管理のしやすさにも直結します。毎月の返済額が変わらなければ、生活費・貯蓄・住宅費などのバランスを長期的に計画しやすくなります。

特に、奨学金の返済期間中には、就職・転職・結婚・出産・住宅購入といった大きなライフイベントが重なることも少なくありません。そうした局面でも、奨学金返済の金額が固定されていれば、将来の支出を見通したライフプランを立てやすいという利点があります。

金利上昇局面でのリスク回避

近年は、長く続いた超低金利時代から転換し、金利が上昇しやすい環境に入りつつあります。このような局面では、利率見直し方式を選んでいると、将来の見直し時に返済額が増えるリスクがあります。

利率固定方式であれば、卒業時点の金利水準で返済条件が確定するため、将来の金利上昇リスクを回避できるのが大きな強みです。「今後、金利が上がるかもしれない」という不安を抱えながら返済を続ける必要がない点は、長期返済において重要な価値があります。

このように、利率固定方式は「得か損か」だけでなく、安心感・計画性・リスク管理を重視する人に向いた選択肢だといえるでしょう。

利率固定方式のデメリット・注意点

奨学金返済において利率固定方式は「安心」というイメージが強い一方で、選ぶ前に理解しておきたいデメリットや注意点も存在します。固定方式は万能ではなく、状況によっては見直し方式のほうが結果的に有利になるケースもあります。ここでは、誤解されやすいポイントを整理します。

金利が下がっても恩恵を受けられない

利率固定方式の最大のデメリットは、返済開始後に市場金利が下がっても、返済利率が下がらない点です。利率は貸与終了時(卒業時など)に確定し、その後は完済まで変わりません。

たとえば、卒業時点で金利が比較的高い水準だった場合、その後に金利が低下しても、利率見直し方式のように返済額が軽くなることはありません。将来の金利低下の可能性を取り込みたい人にとっては、固定方式は不利に働くことがあります。

見直し方式より高めに設定されやすい理由

同じ年度で比較すると、利率固定方式は利率見直し方式よりも高めに設定されることが多い傾向があります。これは、固定方式が「将来の金利上昇リスクを回避できる」分、その安心料としてあらかじめ利率が上乗せされているためです。

つまり、固定方式は「安全だが割高」、見直し方式は「変動リスクはあるが割安」という性質を持っています。金利が長期的に安定または低下する局面では、結果的に見直し方式のほうが総返済額を抑えられる可能性があります。

「固定=必ず安心」という誤解

利率固定方式は確かに返済額が変わらないため安心感がありますが、必ずしも最善の選択とは限りません。借入額が小さい場合や、利率自体が非常に低い場合には、固定と見直しの差が月数十円〜数百円程度にとどまることもあります。

また、返済途中で収入が増え、繰上返済や一括返済を行う予定がある場合、利率の違いが与える影響はさらに小さくなります。そのため、「固定=絶対に安心」「見直し=危険」と単純に決めつけるのではなく、借入額・返済期間・将来の収入見込みを踏まえて判断することが重要です。

利率固定方式は、あくまでリスクを抑えるための選択肢の一つです。次の章では、どのような人に固定方式が向いているのか、具体的なタイプ別に整理していきます。

利率固定と見直し、どんな人に向いている?

奨学金返済で「利率固定方式」と「利率見直し方式」のどちらを選ぶべきかは、正解が一つに決まっているわけではありません。重要なのは、金利の損得だけでなく、自分の性格・家計状況・将来の見通しに合っているかどうかです。

ここでは、それぞれの方式がどんな人に向いているのかを整理し、在学中や申込時に考えておきたい判断軸を解説します。

利率固定方式が向いている人の特徴

利率固定方式は、返済期間中に金利や返済額が変わらないため、安定性を重視したい人に向いています。具体的には、次のようなタイプです。

  • 将来の金利上昇が不安で、返済額が増えるリスクを避けたい人
  • 毎月の支出を一定に保ち、家計管理をシンプルにしたい人
  • 長期間の返済でも、精神的な安心感を重視したい人
  • 住宅ローンや結婚・子育てなど、将来の支出計画を早めに立てたい人

特に、返済期間が長く、奨学金以外の支出増加が見込まれる人にとっては、利率固定方式の「変わらない安心感」は大きなメリットになります。

利率見直し方式が向いている人の特徴

一方、利率見直し方式は、金利が下がれば返済負担も軽くなる可能性があるため、変動リスクを許容できる人に向いています。具体的には、次のようなケースが考えられます。

  • 将来的に金利が下がる可能性にも期待したい人
  • 返済額が多少変動しても、家計に余裕がある人
  • 収入増加や繰上返済などで、早期返済を見込んでいる人
  • 固定方式の「安心料(やや高めの利率)」を避けたい人

見直し方式は、短期的には利率が低く抑えられることも多いため、合理性や期待値を重視する人に向いた選択肢といえます。

在学中・申込時に考えておきたい判断軸

利率固定か見直しかを選ぶ際は、「どちらが得か」だけで判断するのではなく、次のような判断軸で考えることが重要です。

  • 借入総額:金額が大きいほど、利率差の影響は大きくなる
  • 返済期間:返済が長期になるほど、金利変動リスクの影響を受けやすい
  • 将来の収入見込み:安定重視か、増収を見込めるか
  • リスク許容度:返済額が変わることを心理的に受け入れられるか

また、どちらの方式も貸与終了年度の学校が定める期限まで変更できる場合があります。在学中も金利動向や制度情報を確認し、「今の自分に合った選択か」を見直す姿勢が、後悔しない奨学金返済につながります。

奨学金返済で後悔しないために知っておくべき制度

奨学金返済で後悔しないためには、金利や利率方式の選択だけでなく、返済の仕組みや救済制度まで含めて理解しておくことが重要です。制度を知らないまま返済が始まると、「こんな選択肢があるなら早く知りたかった」と感じるケースも少なくありません。

ここでは、奨学金返済を続けるうえで必ず押さえておきたい制度を、3つの観点から整理します。

返済開始時期と返済期間の考え方

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、卒業や退学などで貸与が終了した翌月から数えて7か月目に返済(返還)が始まります。たとえば、3月に卒業した場合、返済開始は同年10月です。

返済期間は、借入総額に応じて自動的に決まります。一般的には10年〜20年程度と長期にわたるため、月々の返済額だけでなく、「何歳まで返済が続くのか」という視点で考えることが大切です。

返済開始時期や返済期間を事前に把握しておくことで、就職後の生活設計や貯蓄計画を立てやすくなり、返済への不安を減らすことにつながります。

減額返還・返還猶予などの救済制度

奨学金は返済義務のある制度ですが、事情によって返済が難しくなった場合のために、救済制度が用意されています。

  • 減額返還制度:一定期間、月々の返済額を減らして返済できる制度
  • 返還猶予制度:病気、失業、収入減少などの理由が認められた場合、返済を一時的に先送りできる制度

これらの制度を利用しても、原則として延滞扱いにはなりません。返済が苦しくなってから何もせずに滞納するのではなく、早めに制度を活用することが、信用情報や将来の生活を守るうえで重要です。

「返せなくなったらどうしよう」と不安を抱えたままにせず、困ったときに使える制度があることを知っておくだけでも、心理的な負担は大きく軽減されます。

繰上返済・一括返済という選択肢

奨学金返済では、決められた月額を支払い続けるだけでなく、繰上返済や一括返済を行うことも可能です。収入に余裕が出たタイミングで繰上返済を行えば、利息の負担を減らせるというメリットがあります。

特に利率固定方式の場合、金利がやや高めに設定されているケースでは、早めの返済によって総返済額を抑えられることがあります。一方で、無理に貯蓄を削って返済すると、生活防衛資金が不足するリスクもあります。

繰上返済を検討する際は、「利息を減らす効果」と「手元資金の余裕」のバランスを考え、自分の家計状況に合ったタイミングで行うことが、後悔しない奨学金返済につながります。

教育ローンとの比較で見える奨学金の位置づけ

奨学金返済を考える際、「教育ローンと比べてどうなのか?」という疑問を持つ人も多いでしょう。どちらも教育費を賄う手段ですが、金利水準・返済義務の所在・返済開始時期などに大きな違いがあります。

ここでは、教育ローンとの比較を通じて、奨学金(特に第二種奨学金)の位置づけと、注意すべきポイントを整理します。

奨学金と教育ローンの金利・返済義務の違い

一般的に、奨学金(第二種奨学金)の金利は、教育ローンよりも低く抑えられていることが多いです。奨学金は公的制度であるため、市場金利より低い水準で設定される仕組みになっています。

一方、教育ローンは金融機関や国の制度によって提供され、金利は固定金利で1%台後半〜2%前後になることが一般的です。奨学金と比べると、利率はやや高めに見えるかもしれません。

ただし、最大の違いは誰が返済義務を負うかです。奨学金は原則として学生本人が返済義務者となるのに対し、教育ローンは父母などの生計維持者が返済義務を負う点が大きな違いです。

親が背負うローンと本人返済の奨学金

教育ローンは、受験費用や入学金など、入学前から使えるというメリットがあります。その一方で、返済は在学中または借入直後から始まるケースが多く、親世代の家計に直接影響します。

奨学金の場合、在学中は返済がなく、卒業後に本人が返済を担うため、親の負担を一時的に軽減できるという側面があります。しかしその分、社会に出たばかりの若い世代が、長期間にわたって返済を続けることになります。

どちらが良い・悪いではなく、「親の家計で支えるのか」「本人の将来収入で支えるのか」という負担の置きどころの違いとして捉えることが重要です。

「低金利=借り得」と考える危うさ

奨学金は教育ローンに比べて金利が低いため、「低金利だから借りておいたほうが得」と考えてしまいがちです。しかし、金利が低くても、借りたお金は確実に返さなければならないという点は変わりません。

返済期間は10年〜20年と長く、就職後の収入やライフイベントによっては、毎月の返済が負担になることもあります。低金利であっても、借入額が大きくなれば、総返済額は決して小さくありません。

奨学金も教育ローンも、あくまで「教育費を補うための手段」です。「低金利=借り得」と安易に考えるのではなく、必要な金額を見極め、返済後の生活まで見据えた判断をすることが、後悔しない選択につながります。

まとめ

奨学金返済における「利率固定方式」は、返済中に金利や返済額が変わらないという安心感が最大の特徴です。金利上昇局面では、将来の負担増を避けられる点が大きなメリットとなり、家計管理やライフプランを立てやすい選択肢といえるでしょう。一方で、金利が下がっても恩恵を受けられない、見直し方式より利率が高めに設定されやすいといった注意点もあります。

重要なのは、「どちらが得か」という単純な比較ではなく、借入総額・返済期間・将来の収入見込み・リスク許容度を踏まえて、自分に合った方式を選ぶことです。また、減額返還や返還猶予、繰上返済といった制度を知っておくことで、返済中の不安や負担を軽減できます。

奨学金は低金利で利用しやすい一方、長期間にわたる返済が続く大きな責任も伴います。制度を正しく理解し、必要最小限の借入と現実的な返済計画を立てることが、後悔しない奨学金返済への第一歩です。

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