【この記事の結論】
- 第一種奨学金は無利子のため、金利はかかりません
- 第二種奨学金は有利子で、返還時に利息が加算されます
- 2026年7月に貸与が終了した人の基本月額の利率は、利率固定方式が年3.000%、利率見直し方式が年2.000%です
- 適用される利率は、奨学金を借り始めた月ではなく、原則として貸与が終了した月に決まります
※本記事の金利は2026年8月26日時点で公表されている情報です。最新情報は日本学生支援機構(JASSO)の公式サイトをご確認ください。
奨学金を利用するとき、「金利は何%なのか」「固定金利と変動金利のどちらを選べばよいのか」と不安に感じる人も多いでしょう。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金のうち、第一種奨学金には金利がかかりません。一方、第二種奨学金は有利子であり、貸与総額に利息を加えた金額を卒業後に返還します。
第二種奨学金の利率は近年上昇しています。2026年7月に貸与が終了した人の基本月額に適用される利率は、利率固定方式で年3.000%、利率見直し方式で年2.000%です。
本記事では、2026年度の最新金利、利率が決まる時期、利率固定方式と利率見直し方式の違い、過去の推移、金利別の返還額をわかりやすく解説します。
奨学金の金利は現在何%?
奨学金の金利は、奨学金の種類や貸与終了月、選択した利率の算定方式によって異なります。
第一種奨学金は無利子ですが、第二種奨学金は有利子です。第二種奨学金では、申し込み時に「利率固定方式」と「利率見直し方式」のいずれかを選択します。
2026年度の第二種奨学金の最新金利一覧
2026年度に貸与が終了した人の基本月額に適用される利率は、以下のとおりです。
| 貸与終了月 | 利率固定方式 | 利率見直し方式 |
|---|---|---|
| 2026年4月 | 年2.722% | 年1.874% |
| 2026年5月 | 年2.922% | 年2.000% |
| 2026年6月 | 年2.922% | 年1.900% |
| 2026年7月 | 年3.000% | 年2.000% |
2026年7月の利率固定方式は、基本月額の上限である年3.000%に達しています。
ただし、上表の利率がすべての利用者に適用されるわけではありません。実際に適用されるのは、原則として自分の貸与が終了した月の利率です。
たとえば、2026年7月に貸与が終了した人には7月の利率が適用されます。2027年3月に貸与が終了する人の利率は、2027年3月の金利が公表されるまで確定しません。
出典:日本学生支援機構「貸与利率の推移」
第一種奨学金には金利がかからない
JASSOの貸与型奨学金には、主に第一種奨学金と第二種奨学金があります。
| 種類 | 金利 | 主な特徴 |
| 第一種奨学金 | 無利子 | 学力基準や家計基準が第二種より厳しい |
| 第二種奨学金 | 有利子 | 第一種より利用条件が比較的緩やかで、貸与月額の選択肢が多い |
第一種奨学金は無利子であるため、原則として貸与された元金を返還します。第二種奨学金では、貸与された元金に利息を加えて返還しなければなりません。
なお、給付型奨学金は貸与ではなく給付であるため、所定の条件を満たしている限り、原則として返還する必要はありません。
第二種奨学金の上限金利は年3%
第二種奨学金の基本月額に適用される利率は、利率固定方式・利率見直し方式ともに年3.0%が上限です。
市場金利が大幅に上昇しても、基本月額の利率が年3.0%を超えることはありません。
ただし、私立大学の医・歯・薬・獣医学課程などにおける増額分や、入学時特別増額貸与奨学金には、基本月額とは異なる利率が適用されます。増額部分の利率は年3.0%を超える場合があるため、利用している人は注意が必要です。
奨学金の金利はいつ決まる?
第二種奨学金の具体的な利率は、申し込み時や貸与開始時ではなく、原則として貸与が終了した月に決まります。
大学入学時の金利が低くても、卒業時までに金利が上がれば、卒業時の高い利率が適用される可能性があります。
貸与終了月の利率が適用される
第二種奨学金では、貸与が終了した月の利率が適用されます。
たとえば、4年制大学へ2022年4月に入学し、2026年3月に貸与が終了した場合、利率固定方式では2026年3月の年2.423%が適用されます。
一方、2023年4月に貸与が始まり、2027年3月に終了する場合、適用利率が決まるのは2027年3月です。借り始めた2023年4月の利率が適用されるわけではありません。
また、退学や貸与辞退などにより予定より早く貸与が終了した場合は、実際に貸与が終了した月の利率が基準になります。
在学中には利息がかからない
第二種奨学金は有利子ですが、貸与を受けている在学期間中には利息がかかりません。
利息の計算が始まるのは、原則として貸与期間が終了した後です。そのため、在学中に毎月振り込まれる金額から利息が差し引かれるわけではありません。
ただし、貸与終了後に返還期限猶予を利用した場合など、個別の取り扱いについてはJASSOから届く通知や公式サイトを確認しましょう。
自分に適用される金利の確認方法
自分に適用される利率は、貸与終了後にJASSOから交付される「第二種奨学金の返還条件等通知及び口座振替(リレー口座)加入通知」で確認できます。
確認するときは、次の項目をチェックしましょう。
- 適用される利率
- 利率固定方式・利率見直し方式のどちらになっているか
- 割賦方法
- 毎月の返還額
- 返還回数
- 返還開始月
- 返還総額
貸与終了前の段階では、JASSOが毎月公表する「貸与利率の推移」を確認すると、現在の金利水準を把握できます。ただし、貸与終了前に表示されている利率は、将来自分に適用される利率ではありません。
利率固定方式と利率見直し方式の違い
第二種奨学金では、申し込み時に「利率固定方式」と「利率見直し方式」のどちらかを選びます。
両者の主な違いは、貸与終了時に決まった利率が返還完了まで変わらないか、返還中に見直されるかです。
| 比較項目 | 利率固定方式 | 利率見直し方式 |
| 利率が決まる時期 | 貸与終了時 | 貸与終了時 |
| 返還中の見直し | なし | おおむね5年ごと |
| 金利上昇時 | 影響を受けない | 利率が上がる可能性がある |
| 金利低下時 | 利率は下がらない | 利率が下がる可能性がある |
| 返還計画 | 立てやすい | 将来の返還額が変わる可能性がある |
| 貸与終了時の傾向 | 見直し方式より高いことが多い | 固定方式より低いことが多い |
固定方式は返還完了まで変わらない
利率固定方式では、貸与終了時に決まった利率が返還完了まで適用されます。
返還期間中に市場金利が上昇しても、自分に適用されている利率は変わりません。返還額や返還総額を確定しやすく、長期的な家計の見通しを立てやすいことがメリットです。
一方、貸与終了後に市場金利が下がっても、適用利率は下がりません。また、貸与終了時点では、利率見直し方式より高い利率が設定される傾向があります。
利率固定方式は、将来の金利上昇を避けたい人や、返還額が変わることに不安を感じる人に向いています。
見直し方式はおおむね5年ごとに変わる
利率見直し方式では、貸与終了時に決まった利率が、おおむね5年ごとに見直されます。
見直し時に市場金利が上がっていれば適用利率も上がり、反対に市場金利が下がっていれば利率が下がる可能性があります。
貸与終了時点の利率は固定方式より低い傾向がありますが、将来もその利率が続くとは限りません。返還期間が長い場合は、複数回の見直しを受ける可能性があります。
なお、利率見直し方式でも、基本月額に適用される利率の上限は年3.0%です。
固定と見直しはどちらを選ぶべき?
固定方式と見直し方式のどちらが有利になるかは、将来の市場金利によって変わるため、事前に確定することはできません。
選択するときは、金利予測だけでなく、自分の家計やリスクへの考え方も踏まえましょう。
利率固定方式が向いているのは、次のような人です。
- 返還額を確定させたい
- 金利上昇による負担増加を避けたい
- 毎月の支出が変わることに不安がある
- 長期的な家計計画を立てやすくしたい
利率見直し方式が向いているのは、次のような人です。
- 貸与終了時点の利率をなるべく低く抑えたい
- 将来の金利低下による恩恵も受けたい
- 金利の見直しによる返還額の変化を許容できる
- 繰上返還なども含め、早めの完済を検討している
選択した算定方式は、貸与が終了する年度の一定時期まで変更できますが、貸与終了後は変更できません。変更期限は学校によって異なる場合があるため、変更したい人は早めに学校の奨学金窓口へ確認しましょう。
奨学金の金利はどのように推移している?
第二種奨学金の金利は、市場金利の影響を受けて変動します。
特に2023年度以降は上昇傾向が目立ち、2026年7月には基本月額の利率固定方式が上限の年3.000%に達しました。
2021~2026年度の金利推移
各年度の3月に貸与が終了した人の基本月額の利率は、以下のとおりです。2026年度については、3月の利率がまだ確定していないため、2026年7月の最新公表値を掲載しています。
| 貸与終了時期 | 利率固定方式 | 利率見直し方式 |
| 2022年3月(2021年度) | 年0.369% | 年0.040% |
| 2023年3月(2022年度) | 年0.905% | 年0.300% |
| 2024年3月(2023年度) | 年0.940% | 年0.400% |
| 2025年3月(2024年度) | 年1.641% | 年1.100% |
| 2026年3月(2025年度) | 年2.423% | 年1.600% |
| 2026年7月(2026年度・最新) | 年3.000% | 年2.000% |
※2021~2025年度は各年度3月、2026年度は2026年7月の値です。比較する月が異なるため、2026年度の数値は参考値としてご覧ください。
2022年3月と2026年7月を比較すると、固定方式は年0.369%から年3.000%、見直し方式は年0.040%から年2.000%へ上昇しています。
以前の「奨学金は非常に低金利」というイメージだけで判断せず、現在の利率を使って返還額を計算することが重要です。
金利が上昇している背景
JASSOは、奨学金を交付するために借り入れた資金を、貸与終了時に財政融資資金へ借り換えています。そのため、貸与終了月ごとの利率は、借り換え時の財政融資資金の利率などをもとに決まります。
国内の市場金利が上昇すると、JASSOの資金調達に関係する金利も上がり、第二種奨学金の貸与利率が上昇する可能性があります。
ただし、利率は月ごとに変わるため、一直線に上昇するとは限りません。今後の利率が上がるか下がるかを正確に予測することも困難です。
貸与終了が近い人は、毎月公表される利率を確認し、必要に応じて固定方式と見直し方式の選択を再検討しましょう。
金利別の返済額シミュレーション
金利が上がると、毎月の返還額だけでなく、返還期間全体で支払う利息も増加します。
ここでは、JASSOが掲載している、第二種奨学金を月額10万円ずつ4年間借りた場合の例を確認します。
480万円を20年で返す場合
次の条件で返還すると仮定します。
- 貸与月額:10万円
- 貸与期間:48か月
- 貸与総額:480万円
- 返還期間:20年
- 返還回数:240回
適用利率別の返還額は以下のとおりです。
| 適用利率 | 毎月の返還額 | 返還総額 | 利息総額 |
| 年0.5% | 21,069円 | 5,056,654円 | 256,654円 |
| 年1.0% | 22,172円 | 5,321,420円 | 521,420円 |
| 年1.5% | 23,309円 | 5,594,115円 | 794,115円 |
| 年2.0% | 24,478円 | 5,874,754円 | 1,074,754円 |
| 年2.5% | 25,680円 | 6,163,224円 | 1,363,224円 |
| 年3.0% | 26,914円 | 6,459,510円 | 1,659,510円 |
※JASSOが掲載する返還月額例をもとにしています。実際の返還額は、貸与総額、割賦方法、保証制度、適用利率などによって異なります。
1%・2%・3%で利息はいくら変わる?
貸与総額480万円を20年間で返還する場合、利息総額は次のように変わります。
- 年1.0%:521,420円
- 年2.0%:1,074,754円
- 年3.0%:1,659,510円
年1.0%と年3.0%を比較すると、利息総額の差は1,138,090円です。毎月の返還額にも4,742円の差が生じます。
| 比較 | 毎月の返還額の差 | 利息総額の差 |
| 年1%と年2% | 2,306円 | 553,334円 |
| 年2%と年3% | 2,436円 | 584,756円 |
| 年1%と年3% | 4,742円 | 1,138,090円 |
金利差が1%でも、20年間では50万円以上の差になる計算です。
ただし、第二種奨学金の利率は貸与終了まで確定しません。申し込み時点では、年1%などの低い利率だけを前提に返還計画を立てず、年2~3%になった場合の返還額も確認しておくと安心です。
増額部分の金利が3%を超える場合
第二種奨学金の基本月額は年3.0%が上限ですが、増額部分には異なるルールが適用されます。
増額部分に該当するのは、主に次の貸与です。
- 私立大学の医・歯・薬・獣医学課程および法科大学院で、基本月額に加えて貸与を受ける増額分
- 入学時特別増額貸与奨学金
基本月額と増額部分の上限の違い
基本月額と増額部分では、利率の決まり方が異なります。
| 区分 | 利率の取り扱い |
| 基本月額 | 固定・見直しともに年3.0%が上限 |
| 増額部分 | 原則として基本月額の利率に年0.2%を上乗せ |
| 財政融資資金の利率が2.9~3.1%の場合 | 増額部分は年3.1% |
| 財政融資資金の利率が3.1%を超える場合 | 財政融資資金の利率を適用 |
2026年5月と6月に貸与が終了した人の増額部分では、利率固定方式が年3.100%となっています。
「奨学金の金利は最大3%」という説明は基本月額についてのものです。増額部分には同じ上限がそのまま適用されるわけではありません。
基本月額と増額部分の両方を利用している場合、実際の適用利率は、それぞれの利率を借用金額に応じて加重平均して決定します。自分の正確な利率は、貸与終了後にJASSOから届く通知で確認しましょう。
奨学金と教育ローンの金利を比較
進学費用を用意する方法には、奨学金のほかに教育ローンがあります。
両者は金利だけでなく、借りる人や利用できる時期、返済開始時期も異なります。
| 比較項目 | JASSO第二種奨学金 | 教育ローン |
| 借りる人 | 学生本人 | 原則として保護者 |
| 金利 | 貸与終了月に決定 | 契約時に決定 |
| 利息の発生 | 在学中は無利子 | 一般に借入後から発生 |
| 返済開始 | 貸与終了後 | 借入後から始まる商品が多い |
| 入学前の利用 | 原則として毎月の貸与は入学後 | 入学金などにも利用できる |
| 審査の中心 | 学力基準・家計基準 | 保護者の収入や返済能力 |
| 返済義務 | 学生本人 | 契約者である保護者 |
一般的には、第二種奨学金は教育ローンより低い金利で利用できることが多く、在学中に利息が発生しない点もメリットです。
一方、奨学金は入学後に振り込まれるため、受験料や入学金、前期授業料など、入学前に必要となる費用には間に合わない場合があります。教育ローンは、こうした入学前の支払いにも利用できることが特徴です。
教育ローンの金利は金融機関や商品、契約時期によって異なります。比較する際は、表示されている金利だけでなく、保証料、手数料、返済開始時期、在学中の返済方法まで確認しましょう。
奨学金の金利に関するよくある質問
奨学金の金利は借り始めたときに決まりますか?
第二種奨学金の適用利率は、原則として貸与が終了した月に決まります。申し込み時や貸与開始時の利率が、そのまま適用されるわけではありません。
第一種奨学金にも利息はかかりますか?
第一種奨学金は無利子のため、通常は利息がかかりません。利息が付くのは有利子の第二種奨学金です。
在学中にも第二種奨学金の利息は増えますか?
第二種奨学金は有利子ですが、在学中には利息がかかりません。原則として貸与が終了した後から利息が発生します。
利率固定方式と利率見直し方式は後から変更できますか?
貸与が終了する年度の一定時期までは変更できますが、貸与終了後には変更できません。変更期限や手続きは、在籍する学校の奨学金窓口へ確認してください。
利率見直し方式は毎年金利が変わりますか?
毎年ではなく、おおむね5年ごとに見直されます。市場金利が上昇すれば利率が上がり、低下すれば下がる可能性があります。
奨学金の金利は最大3%ですか?
基本月額の利率は、固定方式・見直し方式ともに年3.0%が上限です。ただし、入学時特別増額貸与奨学金などの増額部分は年3.0%を超える場合があります。
自分の奨学金の金利はどこで確認できますか?
貸与終了後にJASSOから届く「第二種奨学金の返還条件等通知及び口座振替(リレー口座)加入通知」で確認できます。貸与終了前は、JASSO公式サイトの「貸与利率の推移」で最近の金利水準を確認できます。
金利が高い場合は繰上返還したほうが得ですか?
繰上返還によって返還期間を短くすると、将来支払う利息を抑えられる可能性があります。ただし、生活費の不足や高金利の借り入れにつながっては逆効果です。緊急時の貯蓄を確保したうえで検討しましょう。
まとめ
第一種奨学金は無利子ですが、第二種奨学金は有利子です。
2026年7月に貸与が終了した人の基本月額に適用される利率は、利率固定方式が年3.000%、利率見直し方式が年2.000%となっています。
第二種奨学金の利率について、特に押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 利率は借り始めた月ではなく、原則として貸与終了月に決まる
- 在学中には利息がかからない
- 固定方式は貸与終了時の利率が返還完了まで続く
- 見直し方式はおおむね5年ごとに利率が変わる
- 基本月額の上限は年3.0%
- 増額部分は年3.0%を超える場合がある
- 貸与終了後は固定方式と見直し方式を変更できない
近年は第二種奨学金の金利が上昇しており、金利によっては利息総額が100万円を超えるケースもあります。
申し込み時の低い金利だけを前提にせず、年1%・2%・3%それぞれの返還額を確認しておくことが大切です。貸与終了が近づいたら最新の利率を確認し、自分の家計や金利変動への考え方に合った方式を選びましょう。