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奨学金の繰り上げ返済とは?利息の節約メリット・クレジットカード払いの注意点

「奨学金をできるだけ早く完済したい」「奨学金の総返済額を減らす方法を知りたい」と考えている方は多いでしょう。
そんな方におすすめできるのが、奨学金の繰り上げ返済です。
この記事では、奨学金の繰り上げ返済とは何か、その仕組みやメリット・デメリット、手続きの方法などについて解説します。
また、クレジットカードを使って借入金を返済する際の注意点もお伝えします。

奨学金の繰り上げ返済とは?仕組みと種類を解説

まずは、そもそも奨学金の繰り上げ返済とは何か解説します。
繰り上げ返済の種類は2つに分かれ、それぞれ特徴やメリットが異なるため、繰り上げ返済の概要を把握することから始めましょう。

繰り上げ返済とは何か?

奨学金の繰り上げ返済とは、定められた返済スケジュールよりも早く、借入金の全額または一部を返済することです。
有利子の奨学金を利用している方が繰り上げ返済を行うと、返済期間を短縮できるため、利息負担を軽減して総返済額を削減できます。
繰り上げ返済の方法は、大きく分けて次の2種類です。

・全額返済(一括返済):奨学金の残債を一度に完済する方法
・一部返済:残債の一部を前倒しで返済する方法

全額返済にはまとまった資金が必要ですが、返済期間を大幅に短縮できるため、利息の節約効果を最大化させられます。
一方の一部返済は、最低1万円から可能な繰り上げ返済の方法で、無理のないペースで返済額や返済ペースを調整できることがメリットです。

繰り上げ返済は、返済計画を見直したい人や将来の負担を軽減したい人に有効な選択肢です。
ただし、一時的な出費が大きくなるため、自分自身の経済状況やライフプランとの兼ね合いを見ながら、適度な金額を返済する必要があります。

JASSO(日本学生支援機構)の繰上返済制度

JASSO(日本学生支援機構)の奨学金を利用している場合、繰り上げ返済の手続きは「スカラネット・パーソナル」を通じて行います。
スカラネット・パーソナルは、奨学金の利用者が各種手続きや奨学金残債などを確認できるWebサイトです。
スカラネット・パーソナルを利用すると、返済金額やスケジュールを自分で設定できるため便利です。
なお、JASSOが提供している奨学金には以下の2種類があり、それぞれ繰り上げ返済により得られるメリットが異なります。

・第一種奨学金(無利子)
・第二種奨学金(有利子)

第一種奨学金は利息が発生しないため、繰り上げ返済による金銭的なメリットは限定的です。
ただし、返済期間を短縮することにより、奨学金の完済が早まり、精神的な安心を得られます。
一方の第二種奨学金は利息が発生するため、繰り上げ返済を行うと利息が発生する返済期間が短くなり、総返済額を大幅に削減できます。
特に、借入額が多い方や返済期間が長い方が繰り上げ返済を行うと、大きな効果を得られるでしょう。

奨学金を繰り上げ返済するメリット

奨学金を繰り上げ返済するメリットは、利息を節約できることだけではありません。
精神的な負担が軽くなることに加えて、信用情報上の評価が上がる可能性もあります。
奨学金を繰り上げ返済するメリットを詳しく見ていきましょう。

最大の利点は「利息の節約」

有利子奨学金の場合、繰り上げ返済によって得られる最大のメリットは「利息の節約」です。
奨学金の返済期間が長ければ長いほど、元本により多くの利息が加算されるため、総返済額が増えます。
しかし、繰り上げ返済を行うと返済期間を短縮でき、総返済額を抑えることが可能です。
たとえば、奨学金として300万円を金利0.4%で借り入れて、月1万円を20年にわたって返済するケースをシミュレーションしてみましょう。
繰り上げ返済を行わない場合、元金300万円に利息が約18万円追加されるため、総返済額は318万円です。
一方、繰り上げ返済で予定よりも5年早く完済するケースを想定します。
15年経過時点で、残り5年分の残債60万円を繰り上げ返済すると、利息を約12万円に抑えられるため、繰り上げ返済をしなかった場合と比較して6万円がお得になる計算です。
なお、奨学金の借入額や金利、繰り上げ返済の金額・タイミングによって、節約できる金額はさらに大きくなる場合があります。
このように、有利子奨学金を利用している方が繰り上げ返済を行うと、経済的に大きなメリットを得られることがわかります。

精神的な負担が軽くなる

奨学金の返済は、毎月の金銭的な負担に加え、借金を抱えていること自体が精神的なストレスになりかねません。
繰り上げ返済を行うことで、借金を早く完済できるため、精神的な安心感を得られます。
特に、20年以上の長期返済を予定している場合、早期完済により心にゆとりを持たせられ、将来のライフプランを立てやすくなるでしょう。
また、奨学金の返済が残っていると、住宅ローンやクレジットカードの審査に悪い影響を与える可能性があります。
繰り上げ返済で借金を減らすことにより、審査におけるリスクを軽減できる可能性があるのです。
ただし、奨学金の返済状況が直接的に信用情報に大きな影響を与えるケースは稀です。
滞納した形跡がない限り、審査に大きな影響が生じることはほとんどありません。

信用情報上の評価アップ(間接的効果)

奨学金の返済を延滞せずに進め、繰り上げ返済で早期完済することは、信用情報にも良い影響を与えます。
CICやJICCなど信用情報機関に記録される返済履歴は、住宅ローンやマイカーローン、クレジットカードを申し込む時などの審査で参照されることがあります。
延滞なく完済することにより、信頼性を高めやすく、審査が有利に働きやすいでしょう。
ただし、繰り上げ返済そのものが利用者の信用性を直接的に上げるわけではないため、あくまでも延滞を避け、計画的に返済を続けることが重要です。

繰り上げ返済のデメリット・注意点

繰り上げ返済には先述したメリットがありますが、その一方でいくつかのデメリットもあります。
ここでは、一括返済の注意点を詳しく解説しましょう。

まとまった資金が必要になる

繰り上げ返済を行うためには、まとまった資金が必要です。
特に全額返済(一括返済)の場合、数十万円から数百万円単位の資金を用意しなければなりません。
このため、以下のようなライフイベントにかかる費用とのバランスを考慮して、現在のタイミングで奨学金を繰り上げ返済しても良いのか慎重に考える必要があります。

・結婚
・引っ越し(マイホームの購入)
・出産

これらのライフイベントを控えている場合、無理に繰り上げ返済を行うと、将来の資金繰りが悪化するかもしれません。
手元の資金に余裕があるか確認し、生活全体を計画的に進めることが重要です。

他のローン(教育ローン・住宅ローンなど)との兼ね合い

奨学金以外のローンを借り入れている場合、そちらを優先的に返済する方が賢明です。
奨学金の金利は0.2~0.8%と低金利ですが、一般的なローンの金利は10~15%と奨学金よりも高金利です。
そのため、金利の高い借金を先に返済することにより、返済にかかる総額を抑えやすくなります。
特にクレジットカードのリボ払いや消費者金融からの借入は金利が高い傾向にあるため、奨学金よりも優先的に完済すると良いでしょう。

第一種(無利子)奨学金では効果が限定的

第一種奨学金は無利子であるため、繰り上げ返済による金銭的なメリットはほとんどありません。
第二種奨学金を繰り上げ返済するメリットは、返済期間の短縮による精神的な安心に限定されます。
無理に繰り上げ返済をするよりも、将来のライフイベントや貯蓄を優先する方が合理的と言えるでしょう。

実際に繰り上げ返済をするには?手続きの流れ

奨学金の繰り上げ返済について、メリットやデメリット、注意点をお伝えしてきました。
そのうえで繰り上げ返済を実行しようと考えている方も多いかもしれません。
ここでは、実際に奨学金を繰り上げ返済する方に向けて、手続きの流れを解説します。

返済方法の2種類(全額返還/一部繰上返還)

JASSOの繰り上げ返済には、以下の2つの方法があります。

・全額返還:奨学金の残債全額を一括で返済する
・一部繰上返還:最低1万円から、好きな金額を繰り上げ返済する

2つの方法から、自分自身やご家庭にとって過度な負担がかからない方法を選びましょう。
全額返還は、返還後の預金残高に一定以上のゆとりが生じる場合に選ぶのがおすすめです。
一部繰上返還は、1万円以上の任意の金額を選べる柔軟性の高さが特徴と言えます。

支払方法・スケジュール

繰り上げ返済の手続きについて、具体的な流れを見てみましょう。

・1.スカラネット・パーソナルで申し込む:返済金額や返済日を指定
・2.払込用紙の受け取り:申し込み後、約1~2週間で専用払込用紙が届く
・3.支払い:コンビニ、郵便局、または金融機関で支払いを行う
・4.手続き完了:支払後、約2週間~1ヶ月で手続きが完了し、返済計画が更新される

オンラインから手続きを行い、郵送された払込用紙を使って支払うだけのためシンプルです。

申込タイミングの工夫で損しないコツ

繰り上げ返済のタイミングによって、利息の計算に微妙な差が生じる場合があります。
少しでもお得に繰り上げ返済を行うポイントとして、以下のコツを活かしましょう。

・支払日を確認する:支払日が月初か月末かで、利息計算の基準日が変わるため
・引き落とし日との重複を避ける:繰り上げ返済の支払いと通常の引き落とし日が重なると、資金管理が複雑になるため

JASSOのスカラネット・パーソナルでは、奨学金の返済シミュレーションも可能です。
事前に返済スケジュールを確認し、無駄な利息を支払わずに済む繰り上げ返済のタイミングはいつか計算することをおすすめします。

奨学金の繰り上げ返済にクレジットカードは使える?

繰り上げ返済にかかる費用は高額になる場合が多く、クレジットカードで支払いたいと考える方も多いでしょう。
ここでは、奨学金の繰り上げ返済にクレジットカードが使えるのか解説します。

JASSOはクレジットカード払いに対応していない

JASSOの奨学金返済は、クレジットカード払いに対応していません。
支払方法は以下の2つのみです。

・口座引き落とし:毎月の返済で利用する返済方法
・払込用紙:繰り上げ返済や臨時返済時にコンビニ・郵便局・金融機関で行う返済方法

払込用紙を使った支払いは原則として現金のみとなり、クレジットカードは使用できません。

民間奨学金・教育ローンではクレカ対応の可能性あり

民間の奨学金や教育ローンの場合、クレジットカード払いに対応しているケースもあります。
ただし、クレジットカード払いを選択すると別途手数料がかかったり、リボ払いや分割払いを選択することにより、クレジットカードの金利がかかったりする場合があることには注意しましょう。

クレカ払いに頼りすぎると逆効果になることも

クレジットカードで返済を行う場合、リボ払いや分割払いを選ぶと、奨学金の低金利よりもはるかに高い金利が発生します。
特にリボ払いは「高金利地獄」に陥るリスクが高いため、奨学金の繰り上げ返済には不向きです。
場合によっては、繰り上げ返済をしたせいで総返済額が増えることもあるため、クレジットカードに頼りすぎないようにしましょう。

奨学金の繰り上げ返済に向いている人・向いていない人

ここでは、奨学金の繰り上げ返済に向いている人・向いていない人をそれぞれご紹介します。
ご自身の状況に当てはめて、今すぐ繰り上げ返済をしたほうが良いのか、それとも現状のままコツコツと支払いを続けたほうが良いのかを見極めましょう。

繰り上げ返済が向いている人の特徴

繰り上げ返済が向いているのは、以下の特徴に合致する方です。

・安定した収入があり、貯金に余裕がある
・有利子奨学金で、残高がまだ多く残っている
・住宅ローンや結婚など、将来のローン審査に備えたい

特に、有利子となる第二種奨学金の残債が多く残っている場合、早めに繰り上げ返済を行うことにより、経済的・精神的なメリットを得やすいでしょう。

無理に繰り上げ返済しない方が良い人の特徴

今すぐに繰り上げ返済をしないほうが良いのは、以下の特徴に合致する方です。

・ほかに高金利の借金がある
・手元資金が少ない/将来のライフイベントに備えたい
・第一種(無利子)を借りていて、心理的負担が小さい

自分自身の経済状況や将来のライフイベントを考慮し、奨学金の繰り上げ返済とどちらにプライオリティを置くべきか慎重に検討しましょう。
悩んだ場合は全額返済(一括返済)ではなく、1万円~2万円などの少額を繰り上げ返済すると良いでしょう。

返済計画の見直しに役立つ制度・サポート

奨学金の繰り上げ返済は、将来発生する利息をカットして、総返済額を少なく抑えられることや精神的な負担を軽減できることがメリットです。
しかし、そのようなメリットを追求した結果、日常生活にしわ寄せが発生し、資金繰りに悪影響が生じるようでは本末転倒でしょう。
返済計画の見直しに役立つ制度は、繰り上げ返済以外にもあるため、これからご紹介する制度の活用を検討することもおすすめします。

減額返還制度・返還期限猶予制度も検討

奨学金の返済が負担に感じる場合、繰り上げ返済よりも以下の制度を活用することを優先しましょう。

・減額返還制度:月々の返済額を減らし、返済期間を延長する制度
・返還期限猶予制度:一定期間、返済を猶予できる制度

繰り上げ返済は、あくまで「資金に余裕がある人向け」の手段です。
上記の制度はいずれも経済的なゆとりを持てない人に向けた救済的な制度であり、奨学金の返済にかかる負担を軽減できる可能性があります。

JASSOの返還シミュレーターを活用しよう

JASSOの公式サイトにアクセスすると、奨学金の返済計画をシミュレーションできる「返還シミュレーター」を無料で利用できます。
このツールでは、以下のような項目の確認が可能です。

・計画している金額を繰り上げ返済すると、利息をいくら節約できるのか
・返済期間の短縮効果がどの程度まで波及するのか
・毎月の返済額を変更すると完済時期がいつになるのか

シミュレーターを活用することにより、自身の返済計画を具体的かつ客観的に把握できます。
シミュレーターの結果を確認しながら、無理のない範囲で繰り上げ返済を行いましょう。

まとめ

奨学金の繰り上げ返済は、特に有利子の奨学金を借りている人にとって、利息の節約や精神的な負担を軽減するための有効な手段です。
JASSOのスカラネット・パーソナルを利用すれば、オンラインから簡単に繰り上げ返済の手続きができます。
ただし、特に全額返済をする場合は手元の資金が急激に減るため、その他の支払いやライフイベントとの兼ね合いを見ながら、繰り上げ返済をすべきか慎重に検討する必要があります。
JASSOの返還シミュレーターも活用しながら、計画的に奨学金残債と向き合いましょう。

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