アメリカでは62歳を過ぎても学生ローンを返済している人がいる
大学進学にかかる費用は、日本でも大きな課題となっていますが、アメリカではさらに深刻な状況となっています。
野村グループの金融経済教育サイト「Fin Wing」に掲載された「日米で異なる大学進学ローンの実態~教育投資と家計負担をどう考えるか~」では、アメリカの学生ローン事情が紹介されています。
特に驚くのは、学生ローンの返済が老後まで続くケースが少なくないことです。
- 25~34歳:27.9%
- 35~49歳:40.2%
- 50歳以上:26%
学生時代に借りたローンを60代以降も返済し続けている人が多く存在していることが分かります。
アメリカでは「奨学金」と「学生ローン」が明確に分かれている
日本では貸与型奨学金も「奨学金」と呼ばれています。
一方、アメリカでは返済不要のScholarship(奨学金)と、返済が必要なStudent Loan(学生ローン)が明確に区別されています。
そのため、教育費に対する考え方や制度設計も日本とは大きく異なります。
学生ローンが人生設計にも影響
学生ローンの返済は、単なる教育費の問題ではありません。
返済負担が長期間続くことで、
- 住宅購入
- 結婚・子育て
- 転職
- 老後資金の形成
など、人生のさまざまなライフイベントにも影響を与えています。
このような背景から、アメリカでは企業が福利厚生として学生ローンの返済支援を行うケースも増えています。
日本も同じ流れになる可能性
日本でも奨学金返済支援制度を導入する企業が増えています。
現在は福利厚生の一つとして導入されるケースが増えていますが、今後は人材確保や定着率向上を目的とした制度として、さらに普及していく可能性があります。
アメリカの事例を見ると、日本も同じような流れをたどることが予想されます。
教育は「投資」か「スタートライン」か
今回の記事を読んで最も印象的だったのは、教育に対する考え方の違いです。
アメリカでは、「学生ローンを借りてでも将来への投資をする」という考え方が強く感じられます。
一方、日本では「大学へ進学して初めて社会人としてのスタートラインに立てる」という意識が根強く、奨学金もそのための手段として利用されるケースが多いように感じます。
同じ教育費でも、その背景にある価値観は大きく異なっています。
まとめ
アメリカの学生ローン問題は、日本にとっても決して他人事ではありません。
奨学金返済支援制度を導入する企業が増えている今、教育費の負担を個人だけで抱える時代から、企業や社会全体で支える時代へと変わり始めています。
今後の日本の奨学金制度や企業の福利厚生を考える上でも、アメリカの事例は非常に参考になるでしょう。