韓国の大学教育をめぐり、地方国立大学の授業料を無償化する政策が進められています。
2026年9月に報じられたニュースでは、韓国の地方国立大学30校のうち17校で、すでに在校生の半分以上が授業料を全額免除されていることが明らかになりました。
一方、日本では大学生の奨学金利用が広く見られ、奨学金を「借りて」進学するケースもあります。
今回は、韓国の地方国立大学の授業料無償化をきっかけに、日本と韓国の大学進学を支える教育政策について考えます。
韓国の地方国立大学30校中17校で「授業料0ウォン」
韓国では、地方国立大学の授業料を支援する政策が進められています。
報道によると、2025年時点で地方国立大学30校のうち17校では、国家奨学金や大学内外の奨学金などによって、在校生の半分以上が授業料を全額免除されていました。
つまり、これらの大学では、在校生の半数以上が実質的に「授業料0ウォン」で学んでいることになります。
さらに韓国政府は、2027年度から地方国立大学の新入生を対象に、所得水準にかかわらず登録料を全額支援する「地域均衡発展奨学金」を導入する方針を示しています。
その後、対象学年を順次拡大し、2030年には地方国立大学の全学年を無償化する計画です。
日本では「奨学金を借りて大学へ」という選択肢も
日本でも、大学進学にかかる経済的な負担を軽減するため、さまざまな奨学金制度があります。
給付型奨学金のように返還を必要としない制度がある一方、貸与型奨学金では卒業後に返還する必要があります。
そのため、日本では「奨学金を利用して大学に進学し、卒業後に返還していく」という形も大学進学を支える重要な仕組みの一つになっています。
韓国の地方国立大学で進む授業料無償化と比較すると、大学進学にかかる費用を誰がどのように負担するのかという点で、教育政策の違いを見ることができます。
「給付型を増やす」「授業料を無料にする」ことへのさまざまな意見
奨学金や大学の授業料については、「給付型の支援を増やしたほうがいい」「授業料を無料にするべきだ」という考えがある一方で、「借りたものは自分で返すべきだ」という考え方もあります。
また、企業が従業員の奨学金返還を支援する「奨学金代理返還」のような仕組みもあります。
奨学金バンクも、奨学金代理返還を通じて、企業が従業員の奨学金返還を支援する取り組みを進めています。
重要なのは、これらを単純に「どれが正しい」と考えるのではなく、それぞれがどのような役割を持っているのかを考えることではないでしょうか。
大学進学を「誰が支えるのか」という問題
大学進学にかかる費用を考えるとき、重要になるのが「誰が負担するのか」という問題です。
例えば、
- 国が税金などを使って支援する
- 大学が授業料を減免する
- 奨学金によって学生を支援する
- 企業が奨学金代理返還などで支援する
- 給付型奨学金や寄付によって支援する
など、さまざまな方法があります。
韓国の地方国立大学で進められている授業料無償化は、こうした大学教育への公的な支援を考える一つの事例といえます。
一方で、韓国でも授業料だけではなく、大学の研究力や教育環境への支援をどうするかという議論があります。実際、地方国立大学の授業料無償化をめぐっては、授業料だけでなく研究支援を増やすべきだという意見も報じられています。
日本の奨学金についても「全体の構造」を考える
日本の奨学金を考えるときも、「借りる・借りない」だけではなく、大学進学を社会全体でどのように支えていくのかという視点が重要です。
給付型奨学金、貸与型奨学金、奨学金代理返還、授業料減免など、それぞれの制度には異なる役割があります。
韓国の地方国立大学で進む授業料無償化も、単に「大学が無料になる」というニュースとして見るだけでなく、
「大学教育を誰が支えるのか」
「教育への公的支援をどこまで行うのか」
「学生本人の負担をどこまで減らすのか」
といった視点から見ることで、日本の教育政策について考えるきっかけになります。
韓国と日本、大学進学を支える仕組みを考える
今回のニュースは奨学金そのもののニュースではありません。
しかし、大学進学にかかる経済的な負担をどのように支えるのかという点では、日本の奨学金制度とも深く関係するテーマです。
韓国の地方国立大学では授業料無償化が進められる一方、日本では奨学金を利用して進学する学生もいます。
大学教育への支援にはさまざまな方法があり、それぞれに役割があります。
こうした違いを知ることは、日本の奨学金や教育政策について考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。
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