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奨学金のかしこい借り方とは?返済で困らない選び方・申込時期・注意点を解説

大学・短大・専門学校への進学を考えるとき、多くの家庭で悩みになるのが教育費です。授業料だけでなく、入学金、受験料、一人暮らし費用、教材費なども必要になり、「奨学金を借りたほうがよいのでは」と考える人も少なくありません。しかし、奨学金は進学を支える大切な制度である一方、貸与型の場合は卒業後に返還が必要です。借りる金額や制度の選び方を誤ると、社会人になってから家計を圧迫する原因にもなります。
本記事では、「奨学金 借り方 かしこい」と検索している高校生や保護者に向けて、給付型・貸与型の違い、JASSO奨学金の申込時期、入学前費用への備え、返済額の考え方までを整理します。JASSOや文部科学省の公的情報も踏まえ、返済トラブルを防ぐための実践的な借り方を解説します。

奨学金のかしこい借り方は「必要額」と「返済額」から逆算すること

奨学金を利用する際に大切なのは、「いくら借りられるか」ではなく、「卒業後に無理なく返せるか」という視点を持つことです。大学や専門学校への進学では、授業料だけでなく、入学金や生活費など多くの費用が必要になります。しかし、必要以上に貸与型奨学金を借りてしまうと、社会人になってから返済負担に苦しむケースも少なくありません。

特に近年は、物価上昇や社会保険料負担の増加により、若年層の生活費負担が重くなっています。そのため、進学前の段階で「本当に必要な金額はいくらなのか」「返済額は将来の収入で無理なく払えるのか」を具体的にシミュレーションしておくことが重要です。

また、奨学金には返済不要の給付型奨学金や授業料減免制度などもあります。貸与型だけに頼るのではなく、返済不要の制度を優先的に活用することで、将来の負担を軽減できます。ここではまず、奨学金制度の基本と、かしこく借りるために知っておきたい考え方を整理していきます。

奨学金は「もらえるお金」と「返すお金」に分かれる

奨学金には、大きく分けて「返済不要のもの」と「卒業後に返済が必要なもの」があります。違いを理解せずに申し込んでしまうと、「思ったより返済額が大きかった」と後悔する原因になりかねません。

  • 給付型奨学金
  • 貸与型奨学金
  • 授業料等減免
  • 教育ローンとの違い

給付型奨学金は、原則として返還義務がない支援制度です。日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金をはじめ、大学独自の制度や自治体・民間団体による奨学金があります。世帯収入や学業成績、学修意欲などが審査対象となることが一般的です。

一方、貸与型奨学金は卒業後に返済が必要です。JASSOの第一種奨学金は無利子、第二種奨学金は有利子となっており、借入額によっては返済期間が20年近くに及ぶこともあります。

また、高等教育の修学支援新制度では、給付型奨学金とあわせて授業料・入学金の減免を受けられる場合があります。これにより、実際の自己負担額を大きく減らせる可能性があります。

さらに、奨学金と混同されやすい制度として「教育ローン」があります。教育ローンは保護者が借主となるケースが多く、入学前に利用できる点が特徴です。奨学金は原則として入学後に支給されるため、入学金や引っ越し費用などには教育ローンが活用される場合もあります。

借りられる金額ではなく「返せる金額」で考える

奨学金を検討するとき、多くの人は「いくら借りられるか」に注目しがちです。しかし本当に重要なのは、「卒業後に毎月いくら返済できるか」を先に考えることです。

  • 卒業後の手取り収入
  • 毎月の返還額
  • 生活費とのバランス
  • 長期返済リスク

例えば、大学卒業後の初任給は20万円前後でも、税金や社会保険料を差し引くと手取りは16万円台になることが少なくありません。その中から家賃、食費、通信費などを支払いながら奨学金を返済する必要があります。

貸与額が大きいほど毎月の返還額も増えます。特に第二種奨学金は利息が付くため、総返済額が想像以上に膨らむこともあります。一般的には、毎月の返済額が2万円を超えると生活への負担感が強くなりやすいといわれています。

また、奨学金返済は数年では終わりません。返済期間が15〜20年になるケースもあり、その間に結婚、出産、住宅購入など人生の大きな支出が重なる可能性があります。だからこそ、借入前に返還シミュレーションを行い、「将来の自分が本当に返済できる金額か」を冷静に考えることが大切です。

進学費用全体を見える化する

奨学金をかしこく借りるためには、「進学後に必要なお金」だけでなく、「入学前から卒業までにかかる費用全体」を把握しておく必要があります。

  • 入学金
  • 授業料
  • 受験料
  • 一人暮らし費用
  • 教材費・交通費

大学進学では、入学金や前期授業料だけでも数十万円が必要になります。私立大学や自宅外通学の場合は、さらに負担が大きくなります。

また、見落とされやすいのが受験料や受験時の交通費・宿泊費です。複数校を受験する場合、想像以上に費用がかかることがあります。

一人暮らしをする場合は、敷金・礼金・家具家電購入費なども必要です。加えて、入学後も教材費、定期代、パソコン購入費などが発生します。

このように、進学には授業料以外にも多くの支出があります。必要額を正確に把握しないまま奨学金を借りると、「途中で足りなくなった」「逆に借りすぎた」という状況にもなりかねません。まずは家族で必要費用を一覧化し、そのうえで不足分だけを奨学金で補うという考え方が重要です。

まず確認したい奨学金の種類

奨学金をかしこく利用するためには、まず「どのような種類があるのか」を理解することが大切です。奨学金というとJASSO(日本学生支援機構)だけをイメージする人も多いですが、実際には大学独自の制度や自治体、民間団体による支援制度など、さまざまな選択肢があります。

また、同じJASSOの奨学金でも、返還不要の給付型と、卒業後に返済が必要な貸与型では大きな違いがあります。制度の特徴を知らないまま申し込むと、「もっと条件の良い制度があった」「必要以上に借りてしまった」と後悔することにもなりかねません。

ここでは、進学前に必ず知っておきたい代表的な奨学金制度の種類について整理していきます。

JASSOの給付型奨学金

  • 返還不要
  • 世帯収入や学修意欲が審査対象
  • 授業料等減免とセットで考える
  • 対象校の確認が必要

JASSOの給付型奨学金は、原則として返還不要の支援制度です。以前は対象者が限られていましたが、制度改正により対象範囲が広がり、多くの学生が利用しやすくなりました。

審査では、世帯収入だけでなく、進学後に学ぶ意欲があるかどうかも重視されます。単純に成績だけで判断されるわけではないため、「成績に自信がないから無理かもしれない」と決めつけず、まずは条件を確認することが重要です。

また、給付型奨学金の大きな特徴として、授業料や入学金の減免制度とセットで利用できる場合があります。これにより、実際の学費負担を大幅に減らせる可能性があります。

ただし、制度の対象となる学校には条件があります。大学・短期大学・専門学校によって対象外となる場合もあるため、志望校が支援対象校かどうかを事前に確認しておきましょう。

JASSOの貸与型奨学金

  • 第一種奨学金:無利子
  • 第二種奨学金:有利子
  • 併用できる場合がある
  • 借りすぎに注意

JASSOの貸与型奨学金は、卒業後に返済する必要がある奨学金です。利用者数が多く、進学費用を支える代表的な制度として知られています。

第一種奨学金は無利子で利用できるため、将来的な返済負担を抑えやすい点がメリットです。一方、第二種奨学金は有利子ですが、第一種より収入基準が緩やかで、多くの学生が利用できます。

また、条件を満たせば第一種と第二種を併用できる場合もあります。ただし、複数利用すると貸与総額が大きくなり、卒業後の返済負担も増えるため注意が必要です。

特に第二種奨学金は、毎月の貸与額を高めに設定できるため、「借りられるから」と安易に増額すると、返済総額が大きく膨らむ可能性があります。奨学金はあくまで将来返済するお金であることを忘れず、必要最低限に抑える意識が大切です。

大学・自治体・民間団体の奨学金

  • 大学独自の給付型奨学金
  • 地方自治体の支援制度
  • 民間財団の奨学金
  • JASSO以外も必ず調べる

奨学金はJASSOだけではありません。大学独自の給付型奨学金や、地方自治体、民間財団による支援制度も数多く存在します。

大学独自の奨学金には、成績優秀者向けだけでなく、地方出身者支援や特定学部向けなど、比較的条件が緩やかな制度もあります。授業料減免や入学金免除など、学校によって支援内容もさまざまです。

また、自治体による奨学金制度では、「将来的に地元で働くこと」を条件に返還支援を受けられるケースもあります。看護師や保育士など、特定職種向けの制度も多く見られます。

さらに、民間財団による給付型奨学金では、返還不要で生活費まで支援される場合もあります。募集人数は少ないものの、条件が合えば非常に大きな支援になります。

奨学金を検討する際は、「JASSOだけ見ればいい」と考えず、志望校のホームページや自治体の制度、奨学金検索サービスなどを活用しながら、幅広く情報収集することが重要です。

奨学金をかしこく借りるための優先順位

奨学金を利用するときは、「どの制度から優先的に利用するべきか」を理解しておくことが大切です。順番を間違えると、必要以上に借金を抱える原因になってしまいます。

特に近年は、給付型奨学金や授業料減免制度が拡充されているため、貸与型だけに頼る必要がないケースも増えています。ここでは、返済負担をできるだけ軽くするための優先順位を整理していきます。

返還不要の制度を最優先で探す

  • 給付型奨学金
  • 授業料減免
  • 入学金減免
  • 学校独自の免除制度

奨学金を検討するときは、まず返済不要の制度を優先的に探すことが基本です。返還不要の支援を活用できれば、その分だけ卒業後の負担を軽減できます。

代表的なのはJASSOの給付型奨学金ですが、大学独自の授業料減免制度や入学金免除制度なども見逃せません。条件に当てはまれば、学費そのものを大きく減らせる場合があります。

また、スポーツ・資格・地域条件など、特定条件に該当することで利用できる制度もあります。募集人数が少ない制度も多いため、早めの情報収集が重要です。

貸与型は「第一種→第二種」の順で検討する

  • 無利子を優先
  • 有利子は必要最小限
  • 併用時は返済総額を確認

貸与型奨学金を利用する場合は、まず無利子の第一種奨学金を優先して検討しましょう。利息が付かないため、総返済額を抑えやすくなります。

一方、第二種奨学金は有利子のため、借入額が大きいほど返済総額も増加します。そのため、必要以上に借りないことが重要です。

また、第一種と第二種を併用する場合は、毎月の返済額だけでなく、最終的にいくら返済することになるのかまで確認しておきましょう。返済シミュレーションを活用し、将来の負担を具体的にイメージしておくことが大切です。

不足分だけを借りる

  • 生活費まで含めて試算
  • アルバイト頼みにしすぎない
  • 余った場合の減額・辞退も検討

奨学金は「借りられる上限額」ではなく、「本当に必要な金額」だけ借りることが重要です。

進学後は、授業料だけでなく、家賃、食費、交通費、教材費などさまざまな支出が発生します。そのため、生活費も含めて必要額をシミュレーションしておく必要があります。

また、「足りない分はアルバイトで補えばいい」と考える人もいますが、学業との両立が難しくなるケースも少なくありません。特に実習や課題が多い学部では、想定ほど働けない場合があります。

一方で、必要以上に借りてしまった場合は、貸与月額の減額や辞退も可能です。進学後の生活状況を見ながら調整し、無駄な借入を防ぐことも、奨学金をかしこく利用するポイントです。

奨学金の申込時期とスケジュール

奨学金は、「必要になったら申し込めばよい」というものではありません。特にJASSOの奨学金は、高校在学中から申込みが始まる制度もあり、時期を逃してしまうと利用できる選択肢が限られる場合があります。

また、給付型奨学金や第一種奨学金は春の申込みが重要になるケースも多く、「知らなかった」「案内を見落としていた」という理由でチャンスを逃してしまう高校生も少なくありません。

さらに近年は、多子世帯向け支援や修学支援新制度の拡充など、制度変更も頻繁に行われています。ここでは、奨学金をかしこく利用するために知っておきたい申込時期やスケジュールについて解説します。

高校在学中の「予約採用」を確認する

  • 高校を通じて申込み
  • 高校3年春の案内に注意
  • 卒業後2年以内も対象になる場合あり
  • 高卒認定の場合は直接申込み

JASSOの奨学金には、「予約採用」と呼ばれる制度があります。これは、高校在学中に進学後の奨学金利用を予約する仕組みで、多くの高校では高校3年生の春頃に説明会や案内が行われます。

申込みは高校を通じて行うケースが一般的ですが、学校によってスケジュールが異なるため注意が必要です。説明会後すぐに締切になる場合もあるため、配布プリントや学校からの連絡を見逃さないようにしましょう。

また、予約採用は高校卒業後すぐの人だけでなく、卒業後2年以内であれば対象となる場合があります。浪人中や進路変更を考えている場合でも、条件を確認してみる価値があります。

さらに、高卒認定試験を利用して進学する場合は、高校経由ではなくJASSOへ直接申し込む形になるケースがあります。一般の高校生とは手続きが異なるため、早めに情報収集しておくことが大切です。

進学後の「在学採用」もある

  • 入学後に申請
  • 予約採用を逃した場合の選択肢
  • 学校ごとの案内確認が必要

奨学金は、高校在学中の予約採用だけでなく、大学・短大・専門学校へ進学してから申し込む「在学採用」もあります。

予約採用を逃してしまった場合や、進学後に家計状況が変わった場合でも、在学採用を利用できる可能性があります。そのため、「高校時代に申し込まなかったからもう無理」とあきらめる必要はありません。

ただし、在学採用は学校ごとに募集時期や手続きが異なります。春募集だけでなく秋募集がある学校もありますが、募集人数や対象制度が限られる場合もあります。

また、進学後は授業や新生活で忙しくなり、手続きを後回しにしてしまう人も少なくありません。奨学金の案内は学校ポータルや掲示板で行われることが多いため、入学後は定期的に確認する習慣をつけましょう。

多子世帯や修学支援新制度の最新情報も確認する

  • 文部科学省の高等教育の修学支援新制度
  • 2025年度以降の多子世帯支援
  • 所得制限や対象校の確認
  • 制度改正に注意

近年は、教育費負担を軽減するために、国による支援制度の拡充が進んでいます。代表的なのが「高等教育の修学支援新制度」です。

この制度では、給付型奨学金と授業料・入学金減免を組み合わせて支援を受けられる場合があります。世帯収入や資産状況などに応じて支援区分が決まる仕組みです。

さらに、2025年度以降は多子世帯向け支援の拡充も注目されています。子どもが複数いる家庭では、支援内容が変わる可能性もあるため、最新情報を確認することが重要です。

ただし、制度には所得制限や対象校の条件があります。進学先によっては対象外となるケースもあるため、文部科学省やJASSOの公式情報を必ず確認しましょう。

奨学金制度は毎年のように変更されることがあります。数年前の情報だけを信じるのではなく、最新情報を確認しながら準備を進めることが、かしこい奨学金利用につながります。

JASSO奨学金は入学前費用に間に合わない点に注意

奨学金を利用する際に意外と見落とされやすいのが、「JASSOの奨学金は原則として入学後に振り込まれる」という点です。

そのため、入学金や前期授業料、一人暮らしの初期費用など、進学前に必要なお金には直接使えないケースが多くあります。

「奨学金が決まったから安心」と思っていても、実際には入学前にまとまった資金が必要になるため注意が必要です。ここでは、入学前費用への備え方について解説します。

奨学金の振込は原則入学後

  • 入学金には直接使いにくい
  • 前期授業料の納付時期に注意
  • 受験料や引越し費用も必要

JASSOの奨学金は、予約採用で採用候補者になっていても、実際に振り込まれるのは進学後です。そのため、入学金や前期授業料の支払いには間に合わないケースが一般的です。

特に私立大学では、合格後すぐに数十万円規模の入学金を納付する必要があることもあります。また、前期授業料も入学前に支払期限が設定されている場合が多く、想像以上に早い段階でお金が必要になります。

さらに、受験料や受験時の交通費、宿泊費、一人暮らしの初期費用なども大きな負担になります。敷金・礼金や家具家電購入費まで含めると、入学前だけで100万円以上必要になるケースもあります。

そのため、奨学金だけを前提に進学計画を立てるのではなく、「入学前費用をどう準備するか」まで含めて考えておくことが重要です。

入学前に必要な資金を別で準備する

  • 貯蓄
  • 学資保険
  • 国の教育ローン
  • ろうきんの入学時必要資金融資

入学前費用に備える方法として、まず基本になるのが家庭の貯蓄や学資保険です。しかし、それだけでは不足するケースも少なくありません。

その場合に検討されるのが、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」です。比較的低金利で利用できるため、進学費用の不足分を補う手段として利用されています。

ただし、教育ローンは申込みから融資実行まで時間がかかることもあります。進学時期ギリギリでは間に合わない可能性もあるため、早めに準備を進めることが大切です。

また、「ろうきん(労働金庫)」では、入学時必要資金融資制度を取り扱っている場合があります。これは、後から支給される奨学金を前提に、一時的に必要資金を借りる仕組みです。

進学費用はタイミングによって必要なお金が異なるため、「いつ・いくら必要か」を整理しながら資金計画を立てましょう。

入学時特別増額貸与奨学金の仕組みを理解する

  • 10万〜50万円の貸与
  • 条件確認が必要
  • 実際の振込時期に注意
  • 教育ローンとの関係を確認

JASSOには、「入学時特別増額貸与奨学金」という制度があります。これは、通常の貸与型奨学金に加えて、入学時にまとまった金額を借りられる制度です。

貸与額は10万円〜50万円の範囲で選択できます。入学前費用の負担軽減に役立つ制度ですが、利用には条件があります。

特に注意したいのが、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」に申し込み、利用できなかったことが条件になる場合がある点です。そのため、教育ローンとの関係を事前に確認しておく必要があります。

また、この奨学金も実際に振り込まれるのは入学後です。入学前に直接使えるわけではないため、「すぐに使えるお金」と誤解しないよう注意しましょう。

制度の仕組みを正しく理解し、必要に応じて教育ローンや他制度と組み合わせながら、無理のない進学準備を進めることが大切です。

返済で困らないための借入額の決め方

奨学金を利用する際に最も重要なのが、「いくら借りるか」を慎重に決めることです。必要以上に借りてしまうと、卒業後の返済が長期間にわたって家計を圧迫する原因になります。

特に貸与型奨学金は、進学時には便利に感じても、社会人になってから「毎月の返済が重い」と感じるケースも少なくありません。だからこそ、借入前の段階で返済額を具体的にイメージしておくことが重要です。

ここでは、返済で困らないための借入額の考え方や、シミュレーションの重要性について解説します。

返還シミュレーションを必ず行う

  • 貸与総額
  • 毎月の返還額
  • 返還完了時期
  • 利率の影響

奨学金を借りる前には、必ず返還シミュレーションを行いましょう。借入額だけを見るのではなく、「卒業後に毎月いくら返すことになるのか」を具体的に確認することが大切です。

例えば、月額数万円の貸与でも、4年間借り続けると総額は数百万円になります。さらに第二種奨学金では利息も加わるため、最終的な返済総額は想像以上に大きくなる場合があります。

また、返済期間にも注意が必要です。借入額によっては、返済が15年〜20年近く続くケースもあります。社会人生活のかなり長い期間、毎月返済が発生することを理解しておかなければなりません。

JASSOでは、貸与総額や毎月の返還額、返還完了時期を試算できるシミュレーションを提供しています。進学前の段階で必ず利用し、「将来の自分が無理なく返済できるか」を確認しておきましょう。

毎月返済できる金額から逆算する

  • 手取り収入の範囲で考える
  • 返済額2万円前後を目安に検討
  • 2万5000円超は負担が重くなりやすい
  • 就職後の生活費も想定

奨学金の借入額を決める際は、「借りられる上限額」ではなく、「毎月返済できる金額」から逆算して考えることが重要です。

大学卒業後の初任給は20万円前後でも、税金や社会保険料を差し引くと、実際の手取り額は16万円台になることが一般的です。そこから家賃、食費、通信費、水道光熱費などを支払う必要があります。

そのため、毎月の返済額が大きすぎると、生活そのものが苦しくなる可能性があります。一般的には、返済額は毎月2万円前後に抑えるのが一つの目安とされています。

特に2万5000円を超える返済額になると、負担感が強くなりやすく、転職や一人暮らし、結婚などライフイベントにも影響を与える場合があります。

また、卒業後すぐに高収入になるとは限りません。就職先や景気状況によっては、想定より収入が低いケースもあります。将来の生活費も含めて考えながら、無理のない借入額を設定することが大切です。

第二種奨学金は利息も含めて確認する

  • 有利子の仕組み
  • 利率固定方式
  • 利率見直し方式
  • 総返還額の違い

第二種奨学金を利用する場合は、「利息が付く」という点を必ず理解しておきましょう。

第二種奨学金は有利子の貸与型奨学金であり、借入総額が大きくなるほど、返済時の利息負担も増えます。そのため、「毎月の貸与額」だけでなく、「最終的にいくら返済することになるのか」を確認することが重要です。

第二種奨学金には、「利率固定方式」と「利率見直し方式」があります。利率固定方式は、返済終了まで同じ利率が適用される仕組みです。一方、利率見直し方式は、市場金利に応じて一定期間ごとに利率が見直されます。

それぞれにメリット・デメリットがありますが、どちらを選ぶ場合でも、将来的な返済総額を確認しておく必要があります。

「毎月少しずつだから大丈夫」と考えていても、返済期間が長くなることで総額は大きく膨らむ可能性があります。特に第二種奨学金を多く借りる場合は、利息込みで返済計画を立てることが大切です。

奨学金を借りる前に親子で話し合うべきこと

奨学金は、学生本人だけでなく家族全体に関わるお金の問題です。しかし実際には、「誰が返済するのか」「どこまで家族が支援するのか」が曖昧なまま申し込みを進めてしまうケースも少なくありません。

進学後や卒業後にトラブルにならないためには、進学前の段階で親子でしっかり話し合っておくことが重要です。ここでは、奨学金を借りる前に確認しておきたいポイントを整理します。

進学先別に必要額を比較する

  • 国公立・私立
  • 自宅通学・自宅外通学
  • 文系・理系
  • 専門学校・短大・大学

進学費用は、進学先によって大きく異なります。そのため、「とりあえず奨学金を借りる」のではなく、まず必要額を比較・整理することが重要です。

例えば、国公立大学と私立大学では授業料に大きな差があります。また、自宅通学と一人暮らしでは、生活費負担が大きく変わります。

さらに、理系学部では実験費や教材費が高額になる場合もあります。専門学校や短大、4年制大学でも必要費用は異なるため、進学先ごとの総額を比較しておく必要があります。

進学後に「思ったよりお金がかかる」とならないよう、学費だけでなく生活費まで含めて家族で確認しておきましょう。

誰が返すのかを明確にする

  • 学生本人が返すのか
  • 保護者が一部支援するのか
  • 返済開始後の家計負担
  • 親子間の認識ズレを防ぐ

奨学金は、原則として学生本人が返済する仕組みです。しかし、実際には保護者が一部負担するケースや、家族で協力して返済するケースもあります。

そのため、「誰がどこまで返済するのか」を事前に話し合っておくことが重要です。

例えば、「社会人になるまでは親が支援する」「ボーナス時に繰上返還する」「一部は親が返済する」など、家庭によって考え方は異なります。

こうした認識が曖昧なままだと、卒業後に「こんなに返済額が大きいとは思わなかった」と親子間でトラブルになる可能性もあります。

返済開始後の生活を具体的にイメージしながら、家族で現実的な返済計画を共有しておくことが大切です。

保証制度も確認する

  • 人的保証
  • 機関保証
  • 保証料
  • 連帯保証人・保証人の負担

奨学金を申し込む際には、「保証制度」の確認も必要です。

JASSOの貸与型奨学金では、「人的保証」と「機関保証」のどちらかを選択することになります。

人的保証では、連帯保証人と保証人を立てる必要があります。一般的には親族に依頼するケースが多く、返済が滞った場合には保証人へ請求が及ぶ可能性があります。

一方、機関保証は保証会社を利用する仕組みで、連帯保証人は不要です。ただし、その分保証料が毎月の貸与額から差し引かれます。

どちらにもメリット・デメリットがあるため、家族の状況に応じて選択する必要があります。特に人的保証では、保証人となる家族にも負担が生じる可能性があるため、十分に話し合ったうえで決めることが重要です。

奨学金返済で困ったときに使える制度

奨学金は、卒業後に長期間返済を続ける制度です。そのため、就職状況や収入、生活環境の変化によって、「返済が苦しい」と感じる時期が来る可能性もあります。

しかし、返済が難しくなったからといって、すぐに延滞扱いになるわけではありません。JASSOには、返済負担を軽減するための支援制度が用意されています。

重要なのは、「返済できなくなってから放置しないこと」です。早めに相談し、利用できる制度を活用することで、将来的なリスクを抑えられる可能性があります。ここでは、奨学金返済で困ったときに知っておきたい制度について解説します。

減額返還制度

  • 毎月の返還額を減らす
  • 返還期間は延びる
  • 早めの申請が重要

減額返還制度は、毎月の返済額を一時的に減らせる制度です。収入が少ない場合や、生活費負担が大きい場合などに利用できます。

例えば、通常の返済額では生活が厳しい場合でも、返済額を減らすことで家計への負担を軽減できる可能性があります。

ただし、返済額が減る分、返還期間は長くなります。特に第二種奨学金では、返済期間が延びることで利息負担が増える場合もあるため注意が必要です。

また、返済が苦しくなってから慌てて申請するのではなく、「このままだと厳しくなりそう」と感じた時点で早めに相談・申請することが重要です。延滞してからでは利用条件が変わる可能性もあります。

返還期限猶予制度

  • 失業
  • 病気
  • 収入減少
  • 災害など

返還期限猶予制度は、一定期間、奨学金の返済を待ってもらえる制度です。

例えば、失業や病気、収入減少、災害などによって返済が難しくなった場合に利用できます。経済的な事情だけでなく、ライフイベントや家庭状況の変化によって利用対象となるケースもあります。

返済を一時的に止められるため、生活を立て直す時間を確保できる点が大きなメリットです。

ただし、猶予が認められるには条件があり、申請には書類提出が必要になる場合があります。また、猶予期間が終われば返済は再開されるため、「返済が免除される制度」ではない点も理解しておきましょう。

返済が難しくなりそうな場合は、一人で抱え込まず、早めに制度利用を検討することが大切です。

延滞前に相談することが大切

  • 信用情報への影響
  • 督促リスク
  • 放置しない
  • JASSOへの相談

奨学金返済で最も避けたいのは、「返済できない状態を放置すること」です。

長期間延滞すると、信用情報へ影響が出る可能性があります。将来的にクレジットカードや住宅ローン、自動車ローンなどの審査へ影響するケースもあるため注意が必要です。

また、返済を放置すると督促が届き、状況によっては保証人へ連絡が行く場合もあります。人的保証を利用している場合、家族や親族へ負担が及ぶ可能性もあります。

しかし、返済が苦しい段階で早めに相談すれば、減額返還制度や返還期限猶予制度などを利用できる場合があります。

「返せなくなってから」ではなく、「返済が厳しくなりそうな時点」でJASSOへ相談することが重要です。早めの対応が、将来の大きなトラブルを防ぐことにつながります。

奨学金のかしこい借り方でよくある質問

奨学金について調べていると、「本当に借りても大丈夫?」「給付型と貸与型は併用できる?」「途中で変更できる?」など、さまざまな疑問を持つ人も多いはずです。

特に初めて奨学金を利用する家庭では、制度の違いや手続きがわかりにくく、不安を感じやすいものです。ここでは、奨学金のかしこい借り方に関してよくある質問を整理して解説します。

奨学金は借りないほうがいいですか?

  • 返済計画があれば進学の選択肢になる
  • 借りすぎは避ける
  • 給付型から優先する

奨学金は「借金だから絶対に借りないほうがいい」というわけではありません。返済計画をしっかり立てたうえで利用すれば、進学の選択肢を広げる大切な制度になります。

実際、多くの学生が奨学金を利用しながら大学や専門学校へ進学しています。経済的理由で進学をあきらめないためにも、制度を正しく理解することが重要です。

ただし、必要以上に借りると卒業後の負担が大きくなるため注意が必要です。まずは給付型奨学金や授業料減免制度など、返済不要の制度を優先的に検討しましょう。

給付型と貸与型は併用できますか?

  • 条件により併用可能
  • 不足額を補う方法として有効
  • 申込時に確認が必要

給付型奨学金と貸与型奨学金は、条件によって併用できる場合があります。

例えば、給付型奨学金だけでは生活費や学費が足りない場合、不足分を第一種や第二種奨学金で補うという使い方も可能です。

また、第一種と第二種を併用できるケースもあります。ただし、制度によって収入基準や貸与上限額が異なるため、申込み時に条件を確認する必要があります。

併用すると借入総額が大きくなりやすいため、「本当に必要な金額だけ借りる」という意識を持つことが大切です。

奨学金は途中で減額できますか?

  • 必要額が変わった場合に見直す
  • 借りすぎ防止につながる
  • 学校窓口で確認

奨学金は、進学後に貸与月額を見直せる場合があります。

例えば、「思ったより生活費がかからなかった」「アルバイト収入が安定した」など、必要額が変わった場合には減額を検討することも重要です。

必要以上に借り続けると、将来の返済負担が大きくなります。そのため、進学後の生活状況に応じて調整することは、かしこい奨学金利用につながります。

手続き方法や受付時期は学校によって異なるため、奨学金窓口で確認しておきましょう。

教育ローンと奨学金はどちらがよいですか?

  • 借主の違い
  • 返済開始時期の違い
  • 入学前費用には教育ローンが使いやすい場合もある
  • 併用も検討可能

教育ローンと奨学金は似ているようで、仕組みが大きく異なります。

奨学金は学生本人が借主となるケースが一般的で、返済は卒業後から始まります。一方、教育ローンは保護者が借主となり、返済も比較的早い段階から始まることが多いです。

また、JASSOの奨学金は原則として入学後に振り込まれるため、入学金や前期授業料など「入学前に必要なお金」には使いにくい場合があります。そのため、入学前費用には教育ローンが活用されるケースもあります。

どちらか一方だけを選ぶのではなく、必要に応じて併用することも可能です。家庭の状況や返済計画を踏まえながら、無理のない方法を選ぶことが大切です。

まとめ

奨学金をかしこく借りるためには、「とりあえず借りる」のではなく、必要額と返済額を事前にしっかりシミュレーションすることが大切です。特に貸与型奨学金は、卒業後に長期間返済が続くため、将来の生活費やライフイベントまで見据えて借入額を決める必要があります。

また、給付型奨学金や授業料減免制度、大学独自の支援制度など、返済不要の制度を優先的に活用することも重要です。JASSOだけでなく、自治体や民間団体の奨学金まで幅広く情報収集することで、将来の負担を軽減できる可能性があります。

さらに、奨学金は申込時期や振込時期にも注意が必要です。入学前費用には教育ローンなど別の資金準備が必要になる場合もあるため、家族で早めに話し合いながら進学計画を立てましょう。

奨学金は、正しく利用すれば進学の選択肢を広げる大切な制度です。不安がある場合は、学校の奨学金窓口やJASSOの公式情報、専門家への相談も活用しながら、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

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