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母子家庭・父子家庭が利用できる奨学金とは?大学進学に使える制度と注意点

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更新日:

ひとり親家庭で大学や専門学校への進学を考える際、「学費を用意できるだろうか」「奨学金を借りても、卒業後に返済できるだろうか」と不安を感じる方は少なくありません。ひとり親家庭が利用を検討できる制度には、JASSOの給付奨学金、授業料・入学金の減免、貸与型奨学金、自治体の母子父子寡婦福祉資金などがあります。

ただし、ひとり親家庭であることだけを理由に、すべての奨学金を利用できるわけではありません。世帯収入や資産、扶養人数、本人の学修意欲、進学先が対象校であるかなど、制度ごとの条件を確認する必要があります。高等教育の修学支援新制度では、給付型奨学金と授業料等減免を組み合わせて支援し、2025年度からは多子世帯に対する授業料等減免も拡充されています。

本記事では、ひとり親家庭が利用できる奨学金や学費支援制度、申請時の注意点、卒業後の返済負担を軽減する方法までわかりやすく解説します。

ひとり親家庭が利用できる奨学金とは

ひとり親家庭が利用を検討できる奨学金には、母子家庭・父子家庭などを対象とした制度と、世帯収入や学業などの条件を満たすことで利用できる一般的な制度があります。制度ごとに対象者や支援内容が異なるため、「ひとり親家庭向け」という名称だけで判断せず、募集要項を確認することが大切です。

母子家庭・父子家庭でも奨学金を利用できる

母子家庭だけでなく、父子家庭の学生も奨学金へ申し込めます。民間団体や財団のなかには、ひとり親家庭の子どもを対象とした給付型奨学金を設けているところもあります。

一方、日本学生支援機構(JASSO)の給付型・貸与型奨学金は、ひとり親家庭だけを対象とした制度ではありません。世帯収入や資産、本人の学業成績・学修意欲などの基準によって審査されます。そのため、ひとり親家庭であっても必ず採用されるとは限りません。

また、家計基準は年収だけで一律に決まるものではなく、家族構成や扶養人数などによって判定が異なります。母子家庭・父子家庭のどちらであっても、制度ごとの条件を確認したうえで申請しましょう。

給付型・貸与型・授業料減免の違い

進学費用を支援する制度には、返済不要のものと、卒業後に返還が必要なものがあります。主な違いは以下の通りです。

支援の種類返済主な特徴
給付型奨学金原則不要生活費や学修費の支援として支給される
第一種奨学金必要無利子の貸与型奨学金
第二種奨学金必要有利子の貸与型奨学金
授業料・入学金減免不要学校へ納める費用を一定額まで減額・免除する
福祉資金・教育ローン必要入学前に必要な費用などにも利用できる場合がある

給付型奨学金を利用できても、授業料がすべて無料になるとは限りません。高等教育の修学支援新制度では、返還不要の給付型奨学金と授業料・入学金の減免を組み合わせて支援します。一方、第一種・第二種などの貸与型奨学金は卒業後に返還が必要なため、借入額と将来の返還額を確認して利用することが重要です。

ひとり親家庭が利用を検討できる給付型奨学金

ひとり親家庭が進学費用を準備する際は、返還する必要がない給付型奨学金から確認するとよいでしょう。給付型奨学金には、日本学生支援機構(JASSO)の制度だけでなく、大学、自治体、財団、企業、NPOなどが独自に実施する制度もあります。

ただし、ひとり親家庭であれば自動的に給付を受けられるわけではありません。世帯収入、資産、成績、居住地域、進学先などの条件は制度ごとに異なるため、最新の募集要項を確認したうえで申し込む必要があります。

JASSOの給付奨学金

日本学生支援機構(JASSO)の給付奨学金は、国の「高等教育の修学支援新制度」を構成する支援の一つです。大学、短期大学、高等専門学校、専門学校などへ進学する学生のうち、家計や学業などの基準を満たす人が対象となります。

給付奨学金を利用するには、進学先が修学支援新制度の対象校として確認を受けている必要があります。同じ大学や専門学校であっても、学校、学部、課程などによって取り扱いを確認したほうがよい場合があるため、出願前に対象状況を調べておくことが大切です。

支給額は一律ではありません。世帯収入などに応じた支援区分に加え、国公立か私立か、自宅から通学するか自宅外で生活するかなどによって異なります。また、世帯年収はあくまで目安であり、扶養人数や所得の種類、住民税の課税状況などを含めて判定されます。

JASSOでは、世帯年収や家族構成などを入力し、給付型・貸与型奨学金の対象となる可能性を確認できる「進学資金シミュレーター」を提供しています。ただし、シミュレーション結果は目安であり、実際の採用や支援区分を保証するものではありません。最終的な結果は、正式な申請後の審査によって決まります。

大学独自・自治体・民間団体の給付型奨学金

JASSO以外にも、大学独自の給付型奨学金や授業料免除、自治体の進学支援金、財団・企業・NPOが実施する奨学金があります。なかには、母子家庭や父子家庭など、ひとり親家庭の生徒・学生を対象とした制度もあります。

たとえば、ひとり親家庭の生徒を対象とする制度として、夢を応援基金「ひとり親家庭支援奨学金制度」などがあります。また、進学予定の大学が独自に設ける給付型奨学金や、居住する自治体が実施する入学準備金・進学支援金を利用できる場合もあります。

ただし、応募条件は制度ごとに異なります。主な条件として、成績、世帯収入、居住地域、在籍校、進学先、対象学年などが設定されることがあります。募集時期、採用人数、給付額、給付期間、ほかの奨学金との併用可否も一律ではありません。

全国母子寡婦福祉団体協議会などでは、ひとり親家庭を対象とした給付型奨学金について、年度ごとの申請案内を公開しています。制度名が同じでも、対象者や給付額、募集期間が年度によって変更される可能性があります。2026年度に申し込む場合は、必ず2026年度の募集要項を確認し、過去の記事に掲載された給付額や条件をそのまま利用しないようにしましょう。

給付型奨学金を受けるための主な条件

給付型奨学金の審査では、ひとり親家庭かどうかだけでなく、世帯収入、住民税、資産、本人の学業成績や学修意欲、進学先などが確認されます。インターネット上で紹介されている年収額はモデルケースであることが多く、同じ年収でも家族構成や所得状況によって判定が変わる可能性があります。

世帯収入・住民税・資産の基準

JASSOの給付奨学金には、収入基準と資産基準があります。家計基準の判定には、原則として本人と生計維持者の住民税情報などが使用されます。

世帯年収は、対象になるかを考える際の目安にはなりますが、年収額だけで一律に判定されるわけではありません。給与所得か事業所得か、扶養する家族の人数、社会保険料や各種控除などによって、住民税の課税状況や支援区分が異なるためです。

2026年度のJASSO給付奨学金では、第1区分から第4区分に加え、多子世帯に関する区分が設けられています。そのため、過去の記事にある「支援区分は第1~第3区分のみ」という説明は、現在の制度とは異なります。最新の支援区分や条件はJASSOの案内で確認してください。

ひとり親家庭における生計維持者の判定は、戸籍上の親子関係だけで単純に決まるとは限りません。離婚後の同居状況、生活費の負担、養育費の受け取りなど、家庭ごとの事情によって確認が必要になる場合があります。判断に迷う場合は、在籍する高校・大学等の奨学金窓口やJASSOへ相談しましょう。

また、失業、死亡、傷病、災害、離婚などにより家計が急変した場合は、通常の住民税情報では現在の収入状況が反映されないことがあります。この場合は、家計急変採用の対象になる可能性があるため、事由が発生した時点で早めに学校へ相談することが重要です。

学業成績・学修意欲の基準

給付型奨学金では、家計基準だけでなく、学業成績や学修意欲も確認されます。ただし、高校の評定平均が一定の数値を下回っているだけで、必ず不採用になるとは限りません。

申請時には、成績に加えて、レポートや面談などを通じて、進学する目的や学ぶ意欲が確認される場合があります。「評定平均3.5未満なら給付型奨学金を利用できない」と一律に判断せず、学校から案内される学業要件を確認しましょう。

また、採用時の基準と、進学後に奨学金を継続するための基準は分けて考える必要があります。採用後も、定められた単位を取得し、学業を継続していることが求められます。出席不足、修得単位数の不足、学業不振などがある場合は、警告、支給停止、廃止などの措置が取られる可能性があります。

奨学金の継続に必要な基準や確認時期は、学校や制度によって異なる場合があります。進学後も大学等から届く案内を確認し、不明点があれば奨学金窓口へ相談してください。

進学先が対象校であること

高等教育の修学支援新制度を利用するには、進学先が制度の対象校として確認を受けている必要があります。大学、短期大学、高等専門学校、専門学校であれば、すべて自動的に対象になるわけではありません。

志望校を選ぶ際は、学校名だけでなく、必要に応じて学部、学科、課程、キャンパスなども確認しましょう。入学後に対象外だったと気づくと、給付奨学金や授業料等減免を前提にしていた資金計画が崩れる可能性があります。

文部科学省は、修学支援新制度の対象となる大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の一覧を公開しています。志望校を決める段階で対象校一覧を確認するとともに、最新の対象状況を学校の入試窓口や奨学金担当窓口にも確認しておくと安心です。

ひとり親家庭が受けられる支援額はどのくらい?

ひとり親家庭が利用できる給付型奨学金や授業料等減免の支援額は、一律ではありません。家計状況や進学先などによって支援内容が変わるため、「自分はいくら受け取れるのか」を事前に確認することが大切です。インターネット上に掲載されている金額は過去の制度や一例である場合もあるため、最新情報は日本学生支援機構(JASSO)や進学先の案内を確認しましょう。

給付奨学金の支給額を決める要素

JASSOの給付型奨学金は、支援区分だけでなく、さまざまな条件をもとに支給額が決まります。主な判断要素は以下のとおりです。

  • 支援区分
  • 国公立または私立
  • 自宅通学または自宅外通学
  • 大学・短期大学・高等専門学校・専門学校などの学校種別
  • 多子世帯に該当するかどうか

特に自宅外通学の支給額は、自宅通学より高く設定される場合がありますが、実家を離れて生活しているだけで自動的に自宅外通学として認められるわけではありません。JASSOが定める要件を満たす必要があるため、住居の状況や通学方法などを事前に確認しましょう。

また、制度内容や支給額は見直されることがあります。最新の支給額や支援区分は、JASSOの公式サイトや進学資金シミュレーターで確認することをおすすめします。

授業料・入学金の減免

高等教育の修学支援新制度では、給付型奨学金とは別に、授業料や入学金の減免を受けられる場合があります。支援額の上限は、学校種別や国公立・私立によって異なります。

ただし、授業料や入学金が必ず全額免除される制度ではありません。学校の授業料が減免の上限額を超える場合は、その差額を自己負担する必要があります。また、実習費、教材費、施設設備費、通学費、住居費などは減免の対象外となる場合があるため、進学後に必要となる費用もあわせて確認しておきましょう。

大学や専門学校によっては、独自の授業料減免制度や給付型奨学金を設けている場合があります。修学支援新制度との併用が可能かどうかは学校ごとに異なるため、募集要項や学生支援窓口で確認することが大切です。

多子世帯の授業料等減免との違い

2025年度からは、多子世帯を対象とした授業料・入学金の減免制度が拡充されています。この制度では、一定の要件を満たす多子世帯の学生について、授業料等が一定の上限額まで減免されます。

一方で、多子世帯向けの制度と給付型奨学金は同じ制度ではありません。多子世帯の授業料等減免が適用された場合でも、給付型奨学金が所得制限なく満額支給されるわけではなく、それぞれ異なる基準で判定されます。

また、「ひとり親家庭」と「多子世帯」は別の判定要件です。ひとり親家庭であっても、税法上の扶養する子どもの人数などの条件を満たす場合は、多子世帯の支援対象となる可能性があります。自分の家庭がどちらの制度に該当するかは、JASSOや学校の窓口で確認しましょう。

奨学金以外に利用できるひとり親家庭の学費支援制度

大学や専門学校への進学では、授業料だけでなく、受験料や入学金、教材費、一人暮らしの準備費用など、入学前からまとまった資金が必要になることがあります。奨学金だけでは不足する場合もあるため、ほかの支援制度もあわせて確認しておくことが重要です。

母子父子寡婦福祉資金貸付金

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、ひとり親家庭などの経済的自立や子どもの修学を支援する貸付制度です。母子家庭だけでなく、父子家庭も対象となる場合があります。

修学資金や就学支度資金などの貸付が用意されており、入学金、授業料、通学費などに利用できる場合があります。ただし、給付型ではなく貸付制度のため、原則として返済が必要です。

対象者や貸付限度額、保証人の要否、返済期間などは自治体によって異なる場合があります。利用を検討する際は、居住する都道府県や市区町村の福祉担当窓口へ相談し、奨学金との併用可否や条件も確認しましょう。

国の教育ローン・教育支援資金

JASSOの奨学金は、進学後の手続きを経て振り込まれるものが多く、入学前の費用には間に合わない場合があります。そのため、受験料や入学金、引っ越し費用などを準備する必要がある場合は、ほかの制度を検討することも選択肢です。

代表的な制度として、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」や、社会福祉協議会が窓口となる教育支援資金があります。これらは、学生本人ではなく保護者などが借りる制度となる場合があります。

利用する際は、金利、返済期間、保証制度、審査基準を事前に確認し、必要以上に借りないよう注意しましょう。また、ひとり親家庭向けの優遇措置が設けられている場合もありますが、内容は変更されることがあるため、最新の募集要項や制度案内を確認してください。

高校生向けの就学支援制度

高校生の段階から利用できる支援制度を活用することで、大学進学に向けた教育費を計画的に準備しやすくなります。

代表的な制度には、高等学校等就学支援金や高校生等奨学給付金があります。また、自治体によっては独自の給付金や教育支援制度を実施している場合もあります。

高校段階と大学等への進学後では利用できる制度が異なるため、早い段階から情報収集を始めることが大切です。高校の進路指導室や奨学金担当の先生へ相談し、自分の家庭状況に合った支援制度を確認しておきましょう。

ひとり親家庭が奨学金を申し込む流れ

奨学金は、申し込み時期や必要書類が制度ごとに異なります。特にJASSOの給付型・貸与型奨学金は、募集期間を過ぎると申し込めない場合があるため、早めに準備を始めることが大切です。ここでは、高校在学中から進学後までの一般的な流れを紹介します。

高校在学中に予約採用へ申し込む

JASSOの予約採用は、高校在学中に申し込みを行い、進学後に奨学金を受け取るための制度です。一般的な流れは次のとおりです。

  1. 高校から奨学金の案内や申込書類を受け取る
  2. 希望する進学先が修学支援新制度の対象校か確認する
  3. 本人と生計維持者の情報や必要書類を準備する
  4. スカラネットから申し込む
  5. マイナンバー関係書類などを提出する
  6. 採用候補者決定通知を受け取る
  7. 進学後に進学届を提出し、正式に採用手続きを行う

募集時期は高校ごとに異なりますが、高校3年生の春頃から案内されることが多くなっています。また、学校内の提出期限はJASSOの締切より早く設定される場合があるため、案内を受け取ったら早めに準備を始めましょう。詳細な日程や必要書類は、在籍している高校へ確認してください。

進学後は在学採用へ申し込める

高校在学中に予約採用へ申し込んでいなくても、進学後に在学採用へ申し込める場合があります。大学、短期大学、専門学校などの奨学金担当窓口で申請方法を確認しましょう。

在学採用は春採用と秋採用が実施されることがあり、給付型奨学金と貸与型奨学金では家計基準や申請条件が異なります。また、大学独自の給付型奨学金や授業料減免制度も同時に募集されることがあるため、あわせて確認すると選択肢が広がります。

募集期間を過ぎると申請できない場合がありますが、家計の状況や制度によっては例外的な対応が認められることもあります。不安がある場合は、締切後であっても学校の奨学金窓口へ相談してみましょう。

家計が急変したときは早めに相談する

失業、死亡、傷病、災害、離婚などにより家計が急変した場合は、通常の住民税情報では現在の収入状況が反映されないことがあります。そのような場合は、家計急変採用の対象となる可能性があります。

家計急変採用には申請期限が設けられているため、対象となる事由が発生したらできるだけ早く学校の奨学金窓口へ相談しましょう。状況に応じて必要書類や申請方法が案内されるため、自己判断で申し込みを諦めず、まずは相談することが大切です。

ひとり親家庭が奨学金を選ぶときの注意点

奨学金を選ぶ際は、支援額だけを見るのではなく、利用条件や卒業後の返還負担まで考えることが重要です。ここでは、申し込み前に確認しておきたいポイントを紹介します。

年収の目安だけで対象外と判断しない

インターネットには、給付型奨学金の対象となる世帯年収の目安が数多く掲載されています。しかし、これらはあくまでモデルケースであり、すべての家庭に当てはまるわけではありません。

実際には、家族構成や扶養人数、給与所得か事業所得かといった所得の種類、住民税の課税状況などをもとに判定されます。同じ年収でも支援区分が異なることがあるため、「自分は対象外だ」と早い段階で判断しないようにしましょう。

JASSOの進学資金シミュレーターを利用すれば、おおよその対象区分を確認できます。ただし、シミュレーションはあくまで目安であり、最終的な判定は正式な申請後の審査によって決まります。また、数年前の記事に掲載されている年収基準や支援区分は現在の制度と異なる場合があるため、最新情報を確認することが大切です。

民間奨学金の併用条件を確認する

民間団体や大学独自の給付型奨学金は、JASSOの奨学金と併用できるものもありますが、すべての制度で認められているわけではありません。

制度によっては、給付型奨学金同士の併用を制限していたり、JASSOや大学独自制度との重複受給によって給付額が調整されたりする場合があります。また、採用後に他の奨学金を利用する際は報告義務が課されることもあります。

応募前には、募集要項で併用条件や重複受給に関する規定を確認し、不明点があれば事務局や学校へ問い合わせましょう。

貸与型奨学金は返還総額を試算する

貸与型奨学金は、卒業後に返還する必要があります。第一種奨学金は無利子、第二種奨学金は有利子ですが、どちらも借りた金額が多いほど返還期間が長くなる可能性があります。

申し込む際は、借りられる上限額ではなく、本当に必要な金額を考えることが大切です。月額と貸与期間を掛け合わせて借入総額を把握し、第二種奨学金では利率によって返還総額が変わることも理解しておきましょう。

卒業後の毎月の返還額だけでなく、家賃や生活費、就職後の手取りなども考慮しながら返還計画を立てることが重要です。返還シミュレーションを活用し、まずは給付型奨学金や授業料減免、民間の給付制度を優先的に確認することをおすすめします。

入学前に必要なお金も計算する

大学や専門学校への進学では、入学後だけでなく、入学前にもまとまった費用が必要になります。

  • 受験料
  • 入学金
  • 前期授業料
  • 教材費
  • パソコン代
  • 引っ越し費用
  • 賃貸住宅の初期費用
  • 奨学金の初回振込までの生活費

これらは合格後すぐに支払いが必要になることも多く、JASSOの奨学金だけでは間に合わない場合があります。その場合は、母子父子寡婦福祉資金貸付金や国の教育ローン、学校の延納制度なども含めて資金計画を立てておくと安心です。

奨学金を借りたひとり親家庭の学生が返済負担を減らす方法

貸与型奨学金を利用した場合、卒業後は原則として返還が必要です。返済が家計やキャリア選択の負担になっている場合は、無理に支払いを続けるのではなく、JASSOの制度や勤務先の福利厚生を確認しましょう。特に、返還が難しいと感じた段階で早めに相談することが重要です。

返還が難しい場合はJASSOの救済制度を確認する

収入の減少や失業、傷病などにより奨学金の返還が難しくなった場合は、JASSOの減額返還制度や返還期限猶予制度を利用できる可能性があります。

減額返還制度は、一定期間の月々の返還額を減らして返還を続ける制度です。返還期限猶予制度は、一定期間、返還期限を先延ばしにする仕組みです。どちらも奨学金の返還額が自動的に免除される制度ではなく、所定の条件を満たしたうえで申請する必要があります。

審査では、原則として奨学金を返還している本人の所得や事情などが確認されます。親がひとり親であることだけで適用されるわけではありません。申請条件や必要書類は制度ごとに異なるため、延滞する前にJASSOへ相談しましょう。

繰上返還は生活資金を確保してから検討する

手元資金に余裕がある場合は、奨学金の全部または一部を繰上返還する方法があります。返還期間を短縮できるほか、第二種奨学金では、将来支払う利息の負担を減らせる可能性があります。

ただし、貯金をすべて繰上返還に使うのは避けたほうがよいでしょう。急な病気や失業に備える生活防衛資金を確保し、転職、引っ越し、結婚などの予定も考慮する必要があります。繰上返還によって日常生活が苦しくならないよう、毎月の収支や今後の予定を確認してから判断しましょう。

奨学金返還支援制度のある企業を探す

企業のなかには、福利厚生の一つとして奨学金返還支援制度を導入しているところがあります。JASSOの「企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度」では、企業が従業員に代わって返還額の一部または全額をJASSOへ直接送金できます。

ただし、支援額、支援期間、対象者などは企業ごとに異なります。新卒社員だけでなく中途採用者を対象とする企業もありますが、個別の確認が必要です。

求人を比較する際は、次の項目を確認しましょう。

  • 毎月または年間の支援額と支援上限
  • 支援を受けられる期間
  • 対象となる奨学金の種類
  • 新卒・中途などの対象者
  • 勤続年数などの利用条件
  • 支援が開始される時期
  • 退職した場合の取り扱い

求人票に「奨学金返還支援制度あり」と記載されていても、詳細が分からない場合があります。就業規則や社内規程も確認し、年収だけでなく、返還支援を含めた実質的な待遇を比較することが大切です。

奨学金バンクで就職・転職を相談する

奨学金バンクでは、奨学金を返済中の学生や社会人を対象に、就職・転職の支援を行っています。奨学金返還支援制度を導入している企業とのマッチングを通じて、返済負担とキャリアの両面を考えた仕事探しができます。

相談する際は、奨学金の残高や毎月の返還額だけでなく、希望する職種、勤務地、年収、働き方なども整理しておきましょう。ただし、返還支援制度の有無だけで転職先を決めるのではなく、仕事内容、雇用条件、将来のキャリア形成も含めて比較することが重要です。

毎月の奨学金返済が就職先や転職先を選ぶ際の負担になっている場合は、奨学金返還支援制度を導入している企業を探す方法もあります。奨学金バンクでは、返還支援制度のある企業への就職・転職相談を受け付けています。支援額や対象条件、紹介可能な求人は状況によって異なるため、自分が対象になるかを確認しながら検討しましょう。

ひとり親家庭の奨学金に関するよくある質問

ひとり親家庭なら給付型奨学金を必ず受けられますか?

ひとり親家庭であっても、給付型奨学金を必ず受けられるわけではありません。JASSOの給付奨学金では、世帯収入や資産、本人の学業成績・学修意欲、進学先が対象校であることなどの要件があります。一方、ひとり親家庭を対象とした民間の給付型奨学金もあるため、それぞれの募集要項を確認しましょう。

母子家庭と父子家庭で条件は違いますか?

JASSOの奨学金は、母子家庭か父子家庭かという性別の違いではなく、家計や学業などの基準で判定されます。ひとり親向けの自治体・民間制度には父子家庭を対象とするものもありますが、制度によって対象範囲が異なります。名称に「母子」と含まれている場合も、父子家庭が対象になるかは募集要項で確認してください。

児童扶養手当を受けていれば給付型奨学金も対象ですか?

児童扶養手当を受給していても、給付型奨学金へ自動的に採用されるわけではありません。児童扶養手当と奨学金では審査基準が異なり、住民税情報、資産、学業などをもとに判定されます。JASSOの進学資金シミュレーターで目安を確認し、学校の奨学金窓口にも相談しましょう。

給付型奨学金と貸与型奨学金は併用できますか?

給付型奨学金と貸与型奨学金は、条件を満たせば併用できる場合があります。ただし、給付奨学金と第一種奨学金を併用する場合は、第一種の貸与月額が調整されることがあります。第二種奨学金や民間奨学金との併用条件も制度ごとに異なるため、必要以上に借入総額が増えないよう確認しましょう。

奨学金は入学前に振り込まれますか?

JASSOの奨学金は、原則として進学後に必要な手続きを行ってから振込が始まります。そのため、合格後すぐに必要となる入学金や前期授業料の納付に間に合わない可能性があります。入学前の資金が不足する場合は、母子父子寡婦福祉資金、教育ローン、大学等の延納・分納制度を確認しましょう。納付猶予の有無は学校ごとに異なります。

すでに奨学金を返済中でも相談できますか?

すでに奨学金を返済中でも、状況に応じた相談が可能です。返還が難しい場合は、JASSOの減額返還制度や返還期限猶予制度を検討できます。また、奨学金返還支援制度を導入している企業への就職・転職を探す方法もあります。奨学金バンクでは、奨学金を返済中の社会人も就職・転職について相談できますが、対象条件や紹介可能な求人は要確認です。

まとめ

ひとり親家庭が利用を検討できる支援には、JASSOの給付奨学金や貸与型奨学金、授業料・入学金の減免、大学・自治体・民間団体による給付型奨学金、母子父子寡婦福祉資金などがあります。ただし、ひとり親家庭であることだけで利用できるとは限らず、世帯収入や資産、扶養人数、学業、進学先などの条件を確認する必要があります。

インターネット上の年収目安や支援額はモデルケースであることが多いため、JASSOの進学資金シミュレーターや学校の奨学金窓口を活用し、最新の募集要項を確認しましょう。貸与型奨学金を利用する場合は、入学前に必要な費用と卒業後の返還総額をあわせて試算することも大切です。

すでに奨学金を返済しており、就職・転職とあわせて負担軽減を考えたい場合は、奨学金返還支援制度を導入している企業を探す方法もあります。奨学金バンクでは、希望する職種や勤務地、待遇を踏まえながら、返還支援制度のある企業への就職・転職について相談できます。

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