奨学金を返還しているなかで、収入の減少や失業、病気、育児などにより、毎月の返還が難しくなることがあります。「今月は払えそうにない」「延滞するとどうなるのだろう」と不安を感じていても、何もせずに返還を止めることは避けなければなりません。
JASSO(日本学生支援機構)には、一定期間、奨学金の返還期限を先送りできる「返還期限猶予制度」があります。また、少額であれば返還を続けられる人向けには、毎月の返還額を減らす「減額返還制度」も用意されています。どちらも自動的に適用される制度ではなく、申請と審査が必要です。
この記事では、奨学金の返還期限猶予について、利用できる理由、期間、申請方法、必要書類、減額返還との違いを解説します。すでに返還が遅れている場合の対応や、返還負担を中長期的に軽減する方法も紹介するため、延滞する前にできることを確認しましょう。
奨学金の返還期限猶予とは
奨学金の返還期限猶予とは、失業や収入の減少、傷病などによりJASSOの貸与奨学金を返還することが難しくなった場合に、承認された期間の返還期限を先送りできる制度です。返還額そのものが減額・免除される制度ではなく、猶予期間の終了後は、原則として返還を再開する必要があります。
一定期間、奨学金の返還を先送りする制度
JASSO(日本学生支援機構)は、返還期限猶予を「一定期間返還期限を延期する制度」として設けています。経済的な事情などにより、現在の返還額を支払うことが難しい場合に、生活や収入の状況を立て直すための選択肢として利用できます。
ただし、返還期限猶予を利用しても、奨学金の返還残額が減ったり、返還義務がなくなったりするわけではありません。承認された期間の返還を後ろに延ばす仕組みであるため、猶予期間が終われば、原則として返還が再開されます。
また、返還が難しいからといって、本人の判断だけで口座への入金や返還を止めることは、返還期限猶予の利用にはなりません。制度を利用するには、奨学生本人がJASSOへ願い出を行い、所定の審査を受ける必要があります。通常の返還額では難しくても、少ない金額であれば返還を続けられる場合は、減額返還制度もあわせて検討しましょう。
原則として1年ごとに申請が必要
返還期限猶予は、一度申請すれば通算の上限期間まで自動的に適用される制度ではありません。原則として、1年ごとに願い出る必要があります。承認期間が終了した後も返還が難しい状態が続いている場合は、改めて更新の手続きを行います。
更新時には、収入や失業、傷病などの状況を確認するため、証明書類の提出が必要になる場合があります。申請できる時期や必要書類は申請理由によって異なるため、手続き前にJASSOの公式サイトで最新情報を確認することが大切です。
奨学金の返還猶予を申請できる主な理由
奨学金の返還期限猶予は、収入の減少や失業、傷病などにより、通常どおりの返還が難しくなった場合に申請できます。ただし、該当する事情があれば必ず承認されるわけではありません。本人の収入や生活状況、申請理由を証明する書類などをもとに、JASSO(日本学生支援機構)の審査が行われます。
経済困難や収入減少
収入が少なく、生活費を確保すると通常どおりの返還が難しい場合は、「経済困難」を理由として返還期限猶予を申請できる可能性があります。転職による収入減少のほか、勤務時間の短縮、正社員から契約社員・パートなどへの雇用形態の変更によって、収入が下がった場合も対象となることがあります。
審査では本人の収入や所得だけでなく、扶養している家族の人数などが考慮される場合があります。所得基準は申請事由や家族状況によって異なるため、「年収が一定額以下なら必ず利用できる」とは限りません。また、収入に対して支出が多いという理由だけで、必ず承認されるわけではない点にも注意が必要です。最新の所得基準や必要書類は、JASSOの公式サイトで確認しましょう。
失業中・新卒等
勤務先を退職し、現在失業している場合も、返還期限猶予を申請できる可能性があります。卒業後間もなく就職先が決まっていない場合や、就職していても十分な収入を得られていない場合は、「新卒等」に該当することがあります。
申請時には、雇用保険受給資格者証や離職票など、失業や退職の状況を確認できる書類の提出が必要になる場合があります。ただし、新卒や失業中であることだけで自動的に猶予が認められるわけではありません。JASSOは、スカラネット・パーソナルから願い出られる主な事由として、「新卒等」「経済困難」「失業中」などを案内しています。
傷病・災害・生活保護・育児休業など
病気やけがによって働くことが難しい場合や、災害により生活や収入に影響を受けた場合も、返還期限猶予を申請できることがあります。そのほか、生活保護を受給している場合、産前休業・産後休業・育児休業中の場合、一部の大学校へ在学している場合、海外派遣中の場合なども申請事由として扱われます。
必要な証明書は、診断書や罹災証明書、生活保護受給証明書など、申請する事由によって異なります。自分がどの事由に該当するか判断が難しい場合は、自己判断で手続きを進めず、JASSOの公式サイトや相談窓口で確認することが大切です。
奨学金の返還猶予は何年まで利用できる?
JASSOの一般的な返還期限猶予は、原則として通算10年、120か月まで利用できます。ただし、一度の申請で10年間の猶予がまとめて認められるわけではありません。原則として1年ごとに願い出を行い、その都度、返還が難しい状況について審査を受ける必要があります。
一般猶予は原則として通算10年まで
一般猶予の上限は、原則として通算10年です。例えば、収入が減少した期間に2年間利用し、その後返還を再開したものの、数年後に失業して再び3年間利用した場合は、合計5年間利用したものとして管理されます。必ずしも連続して10年間利用する制度ではなく、返還が困難な期間に応じて申請する仕組みです。
また、承認された期間が終了しても、猶予は自動的に更新されません。引き続き返還が難しい場合は、改めて申請し、必要に応じて収入や失業などを証明する書類を提出する必要があります。
10年の上限が適用されない事由もある
災害、傷病、生活保護受給中、産前休業・産後休業・育児休業、一部の大学校在学、海外派遣、給付奨学金の返還などを理由とする場合は、状況が継続している期間について、通算10年の上限を超えて願い出られることがあります。
ただし、これらの事由であっても、無期限に自動適用されるわけではありません。事由が継続していることを確認するため、原則として定期的な申請や証明書類の提出が必要です。また、同一の災害を理由とする場合は原則5年までなど、個別に期間制限が設けられているケースもあります。適用期間や条件は申請理由によって異なるため、最新のJASSO情報を確認してください。
返還期限猶予と減額返還制度の違い
奨学金の返還が難しくなった場合に利用できる制度として、「返還期限猶予」と「減額返還制度」があります。どちらも返還者の負担を軽減するための制度ですが、仕組みや向いている人は異なります。自分の状況に合った制度を選ぶことで、延滞を防ぎながら無理のない返還計画を立てることができます。
返還期限猶予は返還を一時的に先送りする
返還期限猶予は、承認された期間の返還を一時的に先送りできる制度です。失業や収入の大幅な減少、傷病などにより、現在は返還に回せる余裕がほとんどない人に向いています。
猶予期間中は返還を待ってもらえますが、奨学金の元金や返還残額が免除されるわけではありません。猶予した期間だけ完済時期が後ろに延び、承認期間が終了すると原則として返還を再開します。一時的な生活の立て直しを目的とした制度であり、収入が回復するまでの支援策として活用できます。
減額返還制度は月々の返還額を減らす
減額返還制度は、毎月の返還を完全に止める制度ではありません。通常どおりの返還は難しいものの、返還額を減らせば継続できる人を対象としています。返還期間を延長することで、毎月の負担を軽くしながら返還を続けられる点が特徴です。
減額できる割合や適用期間は制度内容によって異なるため、最新のJASSO情報を確認しましょう。また、利用には審査があり、申請時点での返還状況や延滞の有無などによって手続きが異なる場合があります。
どちらを選ぶべきか
返還期限猶予と減額返還制度の違いは、以下の表のとおりです。
| 比較項目 | 返還期限猶予 | 減額返還制度 |
|---|---|---|
| 毎月の返還 | 一定期間先送り | 減額して継続 |
| 向いている人 | 現在は返還が難しい人 | 少額なら返還できる人 |
| 返還残額 | 原則として減らない | 原則として減らない |
| 完済時期 | 猶予した期間だけ後ろに延びる | 返還期間が延びる |
| 手続き | 申請・審査が必要 | 申請・審査が必要 |
JASSOでは、通常額での返還が難しくても減額すれば返還できる場合は減額返還制度を、減額後でも返還が難しい場合は返還期限猶予制度を案内しています。現在の収入や生活状況を踏まえ、自分に合った制度を選ぶことが大切です。
奨学金の返還猶予を申請する方法
返還期限猶予は、自動的に適用される制度ではありません。利用するにはJASSOへ申請し、審査を受ける必要があります。現在はスマートフォンやパソコンから利用できる「スカラネット・パーソナル」での手続きが用意されており、条件を満たせばオンラインで申請できます。
スカラネット・パーソナルから申請する
返還期限猶予は、スカラネット・パーソナルを利用してパソコンやスマートフォンから申請できます。ログイン後、「各種手続」から返還期限猶予願を選択し、ワンタイムパスワードを取得したうえで、奨学生番号や氏名、申請事由などを確認・入力します。
オンライン申請には、JASSOへマイナンバーを提出済みであることなどの条件があります。また、返還方法や契約内容によってはオンライン申請の対象外となる場合もあります。審査結果はスカラネット・パーソナルで確認できますが、手続き画面や利用条件は変更される可能性があるため、申請前に最新情報を確認しましょう。
郵送で申請する
オンライン申請の対象外となる場合は、郵送で手続きを行います。まずは「奨学金返還期限猶予願&チェックシート」を入手し、必要事項を記入します。申請書類はJASSO公式サイトからダウンロードできます。
申請事由に応じた証明書類を添付し、記入漏れや署名漏れ、証明書の不足がないか確認したうえで、JASSOが指定する受付窓口へ提出します。制度改正により様式や送付先が変更される場合もあるため、古い申請書類や送付先を使用しないよう注意してください。
申請に必要な書類
返還期限猶予の申請では、返還期限猶予願やチェックシートのほか、申請事由を確認するための証明書類を提出します。経済困難であれば所得を確認する書類、失業中であれば離職票や雇用保険受給資格者証、傷病であれば診断書など、提出書類は申請理由によって異なります。
また、本人確認書類やマイナンバーに関する書類が必要になる場合があります。すでにJASSOへマイナンバーを提出している場合は、一部の証明書類を省略できるケースもあります。必要書類は申請事由ごとに異なるため、提出前にJASSOの公式サイトで最新情報を確認すると安心です。
奨学金の返還猶予を申請するときの注意点
奨学金の返還期限猶予は、申請書を提出した時点で適用されるわけではありません。JASSO(日本学生支援機構)の審査を経て、承認された場合に利用できます。申請中の扱いや猶予後の返還について正しく理解し、早めに手続きを進めることが大切です。
審査中も返還請求は止まらない
返還期限猶予の申請書を提出しても、審査結果が出るまでは猶予が確定していません。JASSOは、審査中であっても口座振替による返還請求や払込通知書の発送を停止できないと案内しています。すでに延滞している場合は、審査中も督促が続く可能性があります。
そのため、「申請したので今月から引き落とされない」と思い込まないよう注意が必要です。審査結果が出るまでは口座残高や返還状況を確認し、スカラネット・パーソナルなどで手続きの進捗を把握しましょう。収入の減少や失業などにより返還が難しくなると分かった段階で、余裕を持って申請することが重要です。
猶予は返還の免除ではない
返還期限猶予を利用しても、奨学金の返還義務そのものがなくなるわけではありません。承認された期間の返還期限が先送りされる制度であり、猶予期間が終了すれば、原則として返還を再開します。その分、当初の返還完了予定時期も後ろにずれます。
猶予中は生活や収入の立て直しを優先しつつ、返還再開後の家計も考えておきましょう。特に第二種奨学金の利息の取り扱いは、貸与条件や制度によって確認が必要です。「猶予中は利息がすべて免除される」と一律に判断せず、自分の契約内容とJASSOの最新案内を確認してください。
条件や必要書類は必ずJASSOで確認する
返還期限猶予の所得基準や必要書類、申請方法は変更される可能性があります。また、同じ収入でも家族構成や扶養人数、申請時期などによって取り扱いが異なる場合があります。インターネット上の古い記事だけを参考にせず、JASSOの公式サイトで最新情報を確認しましょう。
手続き前には、奨学生番号、第一種・第二種の貸与区分、定額返還方式・所得連動返還方式などを整理しておくとスムーズです。自分がどの制度や申請事由に該当するか判断できない場合は、JASSOの返還相談窓口へ問い合わせることをおすすめします。
すでに奨学金を延滞している場合の対応
すでに奨学金を延滞している場合でも、返還期限猶予を申請できる可能性があります。延滞しているからといって自己判断で諦めたり、連絡を避けたりせず、現在の状況に応じた手続きを早めに確認しましょう。
延滞中でも申請できる場合がある
延滞開始時点から経済困難や失業、傷病などの申請事由を証明できる場合は、延滞期間を含めて返還期限猶予を願い出られることがあります。また、延滞額の一部を入金したうえで一般猶予を申請する方法や、一定の条件を満たす場合に延滞据置猶予を申請する方法もあります。
利用できる手続きは、延滞期間、収入、申請事由、証明書を提出できる期間などによって異なります。必要な入金額や書類を自己判断せず、JASSOへ確認してください。延滞期間が長くなるほど対応が複雑になる可能性があるため、できるだけ早く相談することが大切です。
延滞を放置した場合の影響
奨学金の延滞を放置すると、延滞金が発生する可能性があります。また、本人に対して文書や電話による督促が行われ、人的保証を選択している場合は、連帯保証人や保証人へ連絡が及ぶこともあります。さらに延滞が長期化すると、法的手続きに進む可能性があります。
JASSOでは、延滞が3か月以上になると、個人信用情報機関への登録対象になると案内しています。ただし、新規返還者については返還開始から6か月が経過した時点など、登録判定に関するルールがあります。登録されると、スマートフォンの分割払い、クレジットカード、住宅ローンなどの審査に影響する場合がありますが、必ず利用できなくなると断定できるものではありません。
返還できないと分かった時点で相談する
返還が難しい場合は、引き落とし日を過ぎてからではなく、支払いが困難になると予想された段階でJASSOの返還相談窓口へ相談しましょう。スカラネット・パーソナルでは、返還残額や毎月の返還額、返還状況などを確認できます。
相談前には、奨学生番号、返還残額、毎月の返還額に加え、現在の収入と支出、退職日や失業日、傷病期間などを整理しておくと、状況を説明しやすくなります。返還金を用意するために新たな借り入れを行う前に、返還期限猶予や減額返還制度など、利用できる公的な支援策を確認してください。
返還猶予後の負担を軽減する方法
返還期限猶予は、当面の返還を先送りして生活を立て直すための制度です。ただし、猶予期間が終われば原則として返還が再開するため、その後の負担も見据えて準備する必要があります。家計の見直しに加え、減額返還制度や返還方式、勤務先の福利厚生なども確認しましょう。
返還残額と家計を確認する
まずは、現在の返還残額、通常の返還月額、返還完了予定時期を確認します。複数の奨学金を借りている場合は、第一種・第二種の内訳や、それぞれの返還状況も整理しましょう。第一種奨学金については、定額返還方式と所得連動返還方式のどちらが適用されているかも確認が必要です。
家計では、家賃、通信費、保険料、定額サービスなどの固定費を見直します。ただし、食費や医療費などの生活費を過度に削る方法は長続きしにくいため、無理なく継続できる返還計画を立てることが大切です。猶予終了後の返還再開を見越し、可能な範囲で少額を積み立てておく方法もあります。
減額返還や所得連動返還方式を確認する
収入が回復しても通常の返還月額を支払うことが難しい場合は、減額返還制度を検討できます。返還を完全に止めるのではなく、毎月の返還額を減らして返還期間を延長する仕組みのため、少額であれば返還を続けられる人に適しています。
また、第一種奨学金の対象者は、定額返還方式から所得連動返還方式へ変更できる場合があります。所得連動返還方式は、前年の所得などに応じて返還月額が決まる仕組みです。対象となる貸与年度や条件が定められているため、変更手続きとあわせてJASSOの最新情報を確認してください。返還期限猶予、減額返還、所得連動返還方式を同時に利用できるとは限らない点にも注意が必要です。
奨学金返還支援制度のある企業も確認する
企業のなかには、福利厚生として従業員の奨学金返還を支援しているところがあります。JASSOの「企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度」では、企業が従業員に代わり、奨学金の返還残額の一部または全額をJASSOへ直接送金します。
ただし、すべての企業が全額を支援するわけではありません。対象者、支援額、支援期間、勤続条件、対象となる奨学金などは企業ごとに異なります。制度の有無だけでなく、給与、仕事内容、働き方、勤務地なども含めて比較しましょう。返還猶予中に代理返還を利用できるかについては、JASSOと勤務先の双方へ確認が必要です。
返還負担を踏まえて転職を検討する
転職先を選ぶ際は、月給や額面年収だけでなく、手取り額、家賃補助、住宅手当、奨学金返還支援などを含めて待遇を比較しましょう。転職直後は賞与が支給されない、試用期間中の条件が異なるなど、一時的に収入が下がる可能性もあります。
一方で、奨学金の返還があることだけを理由に、希望する仕事やキャリアを諦める必要はありません。在職中から返還支援制度のある求人を集め、支援条件と仕事内容の両方を確認することが大切です。奨学金バンクでは、奨学金を返還中の学生や社会人に向けて、就職・転職を支援しています。利用できる求人や返還支援の条件は企業ごとに異なるため、まずは無料相談や登録を通じて、自分に合う選択肢を確認してみましょう。
奨学金の返還猶予に関するよくある質問
返還猶予を利用すると奨学金は免除されますか?
原則として免除されません。返還期限猶予は、一定期間の返還期限を先送りする制度です。猶予期間が終了した後は、原則として返還を再開する必要があります。死亡や一定の障害などを理由とする返還免除とは、別の制度です。
返還猶予は何回まで申請できますか?
申請回数ではなく、利用した通算期間で管理されます。一般猶予は原則として通算10年、120か月が上限であり、1年ごとに願い出ることが基本です。ただし、傷病や生活保護受給中など、申請事由によっては通算10年の上限が適用されない場合があります。
申請すれば必ず承認されますか?
必ず承認されるわけではありません。申請理由、収入や所得、提出された証明書などをもとにJASSOが審査します。書類に不備や不足がある場合は、確認や再提出を求められる可能性があります。また、審査結果が出るまでは口座振替や督促などの返還請求が続きます。
返還猶予は会社に知られますか?
返還期限猶予は、通常、奨学生本人がJASSOへ申請する手続きです。ただし、申請事由によっては勤務先が発行する証明書などが必要になる場合があります。勤務先へ通知されるかどうかは手続き内容によって異なるため、JASSOへ確認しましょう。転職活動で返還猶予の利用を自ら申告する必要があるかについても、一概にはいえません。
奨学金返還支援のある会社へ転職すれば全額返してもらえますか?
必ず全額を支援してもらえるわけではありません。企業によって、一部支援、月額上限、総額上限、支援期間などが設定されています。また、対象となる奨学金、年齢、雇用形態、勤続年数などの条件が設けられている場合もあります。求人票や社内規程を確認するだけでなく、不明点は応募前や選考時に採用担当者へ確認しましょう。
まとめ
奨学金の返還期限猶予は、収入の減少や失業、傷病などによって返還が難しくなった場合に、一定期間返還を先送りできる制度です。ただし、返還が免除される制度ではなく、原則として1年ごとの申請と審査が必要です。申請中も返還請求は続くため、返還が難しくなると分かった時点で早めにJASSOへ相談することが重要です。
猶予終了後の負担を見据え、家計の見直しや減額返還制度、所得連動返還方式など、自分の状況に合った制度もあわせて検討しましょう。また、企業によっては奨学金返還支援制度を福利厚生として導入している場合もあります。就職・転職を考えている方は、給与だけでなく返還支援制度の有無も含めて比較することで、将来の返還負担を軽減できる可能性があります。
奨学金バンクでは、奨学金を返還中の学生や社会人に向けて、奨学金返還支援制度のある企業の紹介や就職・転職のサポートを行っています。返還の負担を少しでも軽くしたい方は、制度や求人情報を確認しながら、自分に合ったキャリアプランを検討してみてください。