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奨学金は留年しても継続できる?貸与・給付の違いと必要な手続き

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奨学金は留年しても継続できる?貸与・給付の違いと必要な手続き

留年しても、奨学金をそのまま継続できるとは限りません。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、卒業が予定より遅れる場合などに「廃止」となり、受取りが終了することがあります。ただし、貸与・給付の種類や留年に至った事情、学校から通知された処置によって、その後の対応は異なります。

この記事では、留年が心配な方や留年が決まった方に向けて、継続の判断基準と必要な手続きを解説します。

留年後の奨学金の継続は、貸与・給付と卒業見込みで判断される

JASSOでは、採用後も奨学金を受ける条件を満たしているかを確認する「適格認定」が行われます。留年が関係するのは、主に学業成績や卒業見込みについての判断です。

まずは、利用している奨学金と、卒業延期に関する原則を確認しましょう。

奨学金の種類卒業延期に関する原則確認すること
貸与奨学金(第一種・第二種)卒業延期が確定した場合や、その可能性が極めて高い場合などは原則「廃止」卒業見込み、適格認定の結果、処置の理由
給付奨学金修業年限内に卒業できないことが確定した場合は原則「廃止」卒業延期の確定状況、やむを得ない事情の有無

※卒業延期以外にも、学業成績等による停止・廃止の基準があります。表は留年に関わる主な条件を整理したものです。出典:JASSO「適格認定」JASSO「適格認定(学業等)」

貸与奨学金は、卒業延期が確定した場合などに原則廃止

第一種・第二種の貸与奨学金では、修業年限内に卒業・修了できる見込みが重視されます。「留年しても1年間止まるだけで、その後は必ず借りられる」と考えるのは適切ではありません。

一方、「単位を落とした」「留年するかもしれない」という段階では、まず教務窓口などで進級・卒業の見込みを確認してください。そのうえで、奨学金窓口に継続への影響を相談します。

自分の履修状況だけから処置を決めつけず、学校の判定と通知を確認することが必要です。

給付奨学金は、修業年限内に卒業できないことが確定すると原則廃止

給付奨学金も、留年によって修業年限内の卒業ができないと確定した場合は、原則として支給が打ち切られます。ただし、災害や傷病などのやむを得ない事情が認められる場合は、取扱いが異なることがあります。

また、給付と貸与を併用していても、両方が同じ判定になるとは限りません。給付だけ、貸与だけで判断せず、それぞれの結果を確認しましょう。JASSO「2026年度給付奨学生のしおり」

大学独自や財団などの奨学金を利用している場合は、その制度の規程を確認してください。JASSOの条件をそのまま当てはめることはできません。

病気・災害などの事情がある場合は、早めに学校へ相談する

給付奨学金では、やむを得ない事情によって学業成績が振るわなかった場合、「廃止」や「警告」にならないことがあります。

JASSOは、本人や家族の療養・介護、災害や事故・事件による心身の傷病などを例として挙げています。ただし、その事情が学業不振の原因となっていることが必要です。病気や家庭事情があれば、必ず例外になるわけではありません。

学校へ相談するときは、次の内容を整理すると状況を伝えやすくなります。

  • いつ、どのような事情が発生したか
  • 授業への出席や試験、単位の修得にどのような影響があったか
  • 診断書や罹災証明など、事情を確認できる書類があるか

必要な書類は事情によって異なるため、取り寄せる前に学校へ確認しましょう。原則として、在籍校が証明書類や聞き取りを通じて確認します。JASSO「適格認定(学業等)」

この説明は給付奨学金の例外に関するものです。貸与奨学金についても事情を伝え、自分に適用される取扱いを別途確認してください。

「停止」なら再開の可能性があるが、「廃止」とは扱いが異なる

奨学金が振り込まれなくなったときは、最初に処置の名称と理由を確認します。「停止」と「廃止」では、再開についての考え方が異なります。

処置奨学金の扱いその後の対応
警告支給・貸与は継続する指摘された学業上の問題を確認し、改善に取り組む
停止支給・貸与を中断する制度ごとの再開条件を確認する
廃止奨学生の資格を失い、支給・貸与が終了する停止後の復活手続きをそのまま利用できるわけではない。終了後の手続きを確認する

根拠:JASSO「適格認定」JASSO「適格認定(学業等)」

なお、休学によって受取りを中断する「休止」は別の手続きです。留年と休学を混同せず、自分の学籍と処置に合う案内を確認しましょう。JASSO「奨学金の休止・復活(休学・復学)」

貸与の復活には、停止理由の解消と学校への申出が必要

貸与奨学金で適格認定による「停止」となった場合、学業不振などの停止理由を解消し、学校が再開を適当と認めれば「復活」することがあります。

再開を希望する場合は、停止期間満了時の学校が定める期限までに申し出ます。進級しただけで自動的に振込みが戻るとは考えず、申出の期限と必要な手続きを確認してください。

あわせて、再開する月と貸与が終了する予定年月も確認しましょう。復活の可否と、卒業までのどの期間に貸与を受けられるかは、分けて把握する必要があります。JASSO「適格認定」

給付の停止後の再開条件を、留年による廃止に当てはめない

給付奨学金の学業による「停止」は、例えば、2回連続で警告に該当し、2回目の理由が「GPA等が下位4分の1」のみである場合です。ただし、3回連続の警告はこの停止の扱いから除かれます。

停止後、最初の適格認定で警告・廃止のどちらにも該当しなければ、学校からの報告を受け、次の学年から支給が再開されます。2年以下の課程や高等専門学校では、学年の半期が単位となります。

これは、学業による停止を受けた場合の条件です。卒業延期によって廃止となった人が、1年後に同じ条件で再開できるという意味ではありません。 また、ほかの理由で停止中の場合は、学業上の条件を満たしても振込みが再開しないことがあります。JASSO「適格認定(学業等)」

留年が心配なときは、継続手続きを放置せず学校に確認する

留年の可能性がある段階でも、「もう継続できないだろう」と考えて手続きを放置しないでください。確認は次の順序で進めましょう。

  1. 奨学金の種類を確認する
    奨学生証などで、第一種・第二種・給付のどれを利用しているか確認します。併用している場合は、それぞれ確認してください。
  2. 卒業見込みと処置を確認する
    留年や卒業延期が確定しているかを学校に確認します。処置通知を受け取っている場合は、名称・理由・適用時期を読みます。
  3. 学業に影響した事情を伝える
    病気などの事情がある場合は、影響した期間や内容を伝え、必要書類を確認します。
  4. 案内された手続きを期限内に行う
    継続願、事情を説明する書類、復活の申出など、自分に必要な手続きを確認して対応します。
  5. 貸与が終了する場合は在学猶予も確認する
    引き続き在学する場合は、返還開始を先送りする手続きが必要かを確認します。

奨学金の種類・処置通知・卒業見込みを確認する

窓口では、「留年したら奨学金はどうなりますか」と聞くだけでなく、自分の状態を伝えると確認が進みます。

例えば、「第一種と給付を利用している」「卒業延期が確定した」「処置通知はまだ届いていない」と整理して伝えましょう。手元に通知がある場合は、学校の案内と一緒に確認してください。

停止・廃止が決まっている場合は、振込みが止まる時期や、今後提出するものも聞いておくと安心です。

貸与継続願と、給付で必要な手続きを分けて確認する

貸与奨学金では、学校が指定する期間内に「貸与奨学金継続願」を提出します。一般的な時期は毎年12月〜2月頃ですが、具体的な期限は学校の案内に従ってください。

留年が心配でも、提出を求められている場合は期限内に対応します。ただし、継続願を提出すれば継続が認められるわけではありません。 継続の意思を伝える手続きと、成績等による判定は別です。未提出の場合には貸与資格の廃止につながります。JASSO「貸与奨学金継続願の入力」

入力方法は、奨学金継続願の書き方と入力方法でも解説しています。

給付奨学金では、在籍報告などの手続きが必要です。貸与の継続願と混同せず、給付奨学生向けの案内を確認してください。併用中の方は、一方の手続きを済ませただけで両方が完了したと考えないようにしましょう。JASSO「2026年度給付奨学生のしおり」

継続できない場合は、在学中の返還と学費を学校に相談する

奨学金の受取りが終了する場合は、「これまで受け取った奨学金の返還」と「これから必要な学費」を分けて確認しましょう。

貸与が終了しても在学する場合は、在学猶予を確認する

貸与奨学金が廃止となっても、在学を続ける場合は、「在学猶予願(在学届)」の提出によって返還期限を先送りできる制度があります。

留年や休学で、届出済みの当初の卒業予定期を超えた場合は、1年ごとに提出が必要です。2020年4月以降の在学猶予の適用期間は、通算10年が上限となっています。

「学生でいる間は自動的に返還が始まらない」と思わず、手続きの要否を学校へ確認してください。在学猶予は返還期限を先送りする制度であり、奨学金の貸与を再開する制度ではありません。JASSO「在学猶予」

詳しくは、奨学金返済の在学猶予の対象と手続きをご確認ください。

給付の廃止は、受給済み分の返還と分けて確認する

給付奨学金が廃止になったからといって、受給済みの全額を一律に返還するとは限りません。ただし、学業成績が著しく不良で、やむを得ない事由がない場合などには、返還を求められることがあります。

返還が必要となった場合は、JASSOから金額や返還方法等を記載した通知が届きます。通知を受け取ったら、内容と対応期限を確認してください。JASSO「2026年度給付奨学生のしおり」

今後の学費が不足する場合は、納付期限前に学校へ相談し、分納・延納や学内支援の有無、留年中でも利用できるかを確認しましょう。利用条件は学校や制度によって異なります。

なお、成績不振による留年に相当する期間中は、JASSOの在学採用に申し込むことはできません。別の奨学金への申込みを考える場合も、募集条件を先に確認することが必要です。JASSO「成績不振のため現在留年中の場合の在学採用」

まとめ|留年後の継続可否は、制度・処置・学校の案内を確認する

留年後に奨学金を継続できるかは、貸与・給付の種類、卒業見込み、学業に影響した事情などによって判断されます。停止と廃止では、その後に取れる手続きも異なります。

まずは奨学金の種類と処置通知を確認し、学校の奨学金窓口で、必要な手続きと期限を確かめてください。留年が心配な段階でも継続手続きを放置せず、病気等の事情があれば早めに伝えましょう。貸与が終了して在学を続ける場合は、在学猶予の確認も必要です。

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