予備校の費用に奨学金を使いたいと考えている場合、まず確認したいのが「予備校代を対象とする制度はあるのか」という点です。
結論からいうと、JASSO(日本学生支援機構)の貸与奨学金は、予備校を対象としていません。一方、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」では、一定の条件を満たす予備校の費用を対象にできます。
この記事では、予備校代に利用できる制度を探している人に向けて、JASSOの奨学金と国の教育ローンの違い、国の教育ローンの利用条件、融資額、申し込み前に確認したいポイントを解説します。
この記事の要約
- JASSOの貸与奨学金は、予備校を対象としていません。
- 日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、一定の条件を満たす予備校の費用に利用できます。
- 国の教育ローンは原則350万円まで、一定の要件を満たす場合は子ども1人につき450万円まで借入可能です。
- 予備校ごとの特待制度や授業料減免制度が用意されている場合もあるため、予備校への確認も必要です。
予備校に奨学金は使える?まず知っておきたい結論
予備校の費用に利用できる「奨学金」を探している場合、JASSOの奨学金と国の教育ローンを分けて考える必要があります。
JASSOの2026年度貸与奨学金案内では、大学、短期大学、高等専門学校、専門課程を置く専修学校などが対象となる一方、「その他の学校(予備校・語学学校・職業訓練校等)」は貸与対象外とされています。
そのため、予備校に通う期間の費用をJASSOの貸与奨学金でまかなうことはできません。
一方、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」では、一定の条件を満たす予備校を対象としており、塾・予備校代も資金使途に含まれています。
したがって、「予備校代を借りる方法」を探している場合は、JASSOの奨学金だけでなく、国の教育ローンや予備校独自の支援制度を確認することが重要です。
JASSOの奨学金は予備校を対象としていない
JASSOの2026年度在学者用貸与奨学金案内では、貸与対象となる学校として大学、短期大学、高等専門学校、専門課程を置く専修学校などが挙げられています。
一方で、予備校は「その他の学校」に含まれ、貸与対象外と明記されています。
つまり、大学受験のために予備校へ通っている段階で、JASSOの第一種奨学金や第二種奨学金を利用して予備校代を支払う、という考え方はできません。
ただし、大学などへ進学した後は、進学先がJASSOの対象校であれば、大学等で奨学金を申し込める場合があります。予備校在籍中の費用と、大学進学後の教育費は分けて考えましょう。
JASSO「大学・短大・専門課程を置く専修学校・高等専門学校に在学中の方」
国の教育ローンなら予備校代も対象になる
日本政策金融公庫が取り扱う「国の教育ローン」は、家庭の教育費を対象とした融資制度です。
対象となる教育施設には予備校も含まれており、今後1年間に必要となる費用として、塾・予備校代などが資金使途に含まれています。
ただし、予備校であればすべて無条件に対象になるわけではありません。対象となる学校には一定の条件があるため、実際に利用する場合は、通う予定の予備校が対象となるかを確認する必要があります。
国の教育ローンは予備校代にいくら使える?
国の教育ローンは、予備校代を含む教育費に利用できます。
2026年(令和8年)時点の日本政策金融公庫の案内では、融資限度額は原則350万円です。ただし、一定の要件に該当する場合は、子ども1人につき450万円まで利用できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度 | 国の教育ローン(教育一般貸付) |
| 予備校代 | 一定の条件を満たす場合、対象 |
| 融資上限 | 原則350万円 |
| 一定要件に該当する場合 | 子ども1人につき450万円 |
| 対象となる費用 | 今後1年間に必要となる教育費 |
| 金利 | 年4.05%(2026年7月時点) |
なお、融資上限は「予備校代だけで必ず350万円、または450万円まで借りられる」という意味ではありません。対象となる教育費や申込内容などを踏まえて利用する制度です。
また、金利は変更される可能性があるため、申し込み時点の最新情報を日本政策金融公庫の公式サイトで確認してください。
予備校代以外にも対象となる費用がある
国の教育ローンでは、授業料などの学校納付金だけでなく、幅広い教育費が対象となります。
予備校代を含め、今後1年間に必要となる教育費を整理してから申し込むことが重要です。
たとえば、日本政策金融公庫は、塾・予備校代のほか、授業料、受験費用、自宅外通学の場合の住居費用などを対象となる費用として案内しています。
ただし、実際にどの費用が対象になるかは、申込時の条件や費用の内容によって確認が必要です。
450万円まで利用できるケースがある
国の教育ローンは原則として子ども1人あたり350万円が上限ですが、一定の要件に該当する場合は450万円まで利用できます。
450万円の上限が適用される条件があるため、「予備校代なら誰でも450万円まで借りられる」と考えないようにしましょう。
利用可能額については、申込時点の日本政策金融公庫の公式情報を確認してください。
予備校の費用に国の教育ローンを使える条件
国の教育ローンを利用するには、予備校が対象となることだけでなく、申込人や世帯の条件なども確認する必要があります。
特に重要なのが、子どもの人数に応じた世帯年収(所得)の上限です。
予備校側にも対象条件がある
「国の教育ローンは予備校代に使える」といっても、すべての予備校が無条件に対象になるわけではありません。
日本政策金融公庫では、対象となる学校について一定の条件を定めています。そのため、利用を検討するときは、通う予定の予備校が国の教育ローンの対象となるかを事前に確認しましょう。
予備校の窓口に確認するだけでなく、日本政策金融公庫の公式サイトに掲載されている利用条件も確認しておくと安心です。
世帯年収の上限は子どもの人数によって異なる
国の教育ローンには、世帯年収(所得)の上限があります。
2026年時点では、扶養する子どもの人数によって上限が異なります。
| 扶養する子どもの人数 | 給与所得者の世帯年収の上限 |
|---|---|
| 1人 | 790万円 |
| 2人 | 890万円 |
| 3人 | 990万円 |
| 4人 | 1,090万円 |
| 5人 | 1,190万円 |
上記は給与所得者の場合の基準です。実際の判定では、所得の種類や世帯状況などを含めて確認する必要があります。
また、子どもの人数だけを見て利用可否を判断することはできません。最新の利用条件を確認したうえで、申し込みを検討してください。
年収上限が緩和される場合もある
国の教育ローンでは、一定の要件を満たす場合、世帯年収(所得)の上限額が緩和される制度があります。
そのため、「世帯年収が基準を少し超えているから利用できない」と自己判断するのではなく、子どもの人数や家庭の状況などを含めて、日本政策金融公庫の最新の利用条件を確認することが大切です。
なお、利用条件を満たしている場合でも、融資には審査があります。年収だけを理由に「必ず借りられる」と断定することはできません。
予備校代と奨学金・教育ローンは何が違う?
「予備校 奨学金」と検索すると、奨学金と教育ローンを同じものとして考えてしまいがちです。しかし、両者は仕組みが異なります。
| 比較項目 | JASSOの奨学金 | 国の教育ローン |
|---|---|---|
| 主な対象 | 大学・短大・高専・専門課程の専修学校など | 一定の条件を満たす教育施設 |
| 予備校 | 対象外 | 一定条件を満たす場合、対象 |
| 主な申込者 | 学生本人 | 主に保護者 |
| 制度の性質 | 給付または貸与 | 融資 |
| 返済 | 貸与型は返還が必要 | 返済が必要 |
JASSOには返済不要の給付奨学金もありますが、給付奨学金についても対象となる学校・課程や家計基準などの条件があります。
予備校に通っている期間の費用を準備する場合は、JASSOの奨学金ではなく、国の教育ローンや予備校独自の制度などを確認する必要があります。
奨学金は大学進学後に利用できる場合がある
予備校に通っている期間と、大学へ進学した後では利用できる制度が異なります。
JASSOの2026年度の案内では、大学、短期大学、高等専門学校、専門課程を置く専修学校などが奨学金の対象となっています。
そのため、予備校代と大学進学後の教育費を一緒に考えるのではなく、「予備校に通う期間の費用」と「進学後の教育費」を分けて資金計画を立てることが重要です。
国の教育ローンは保護者が申し込む制度
国の教育ローンは、学生本人が毎月受け取るJASSOの奨学金とは仕組みが異なり、主に保護者が申込人となる教育費向けの融資です。
日本政策金融公庫では、必要書類を準備して申し込み、審査、契約手続きを経て融資を受ける流れが案内されています。
また、日本政策金融公庫は、JASSOなどの奨学金と国の教育ローンを併用できると案内しています。
予備校代を準備する前に確認したい4つのポイント
予備校代の負担が大きく、国の教育ローンを検討する場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 通う予定の予備校が対象になるか確認する
- 今後1年間に必要となる費用を整理する
- 世帯年収・所得と扶養する子どもの人数を確認する
- 支払時期から逆算して申し込む
1. 通う予備校が対象になるか確認する
まずは、通う予定の予備校が国の教育ローンの対象となるか確認しましょう。
「予備校だから必ず対象」とは限らないため、予備校の窓口と日本政策金融公庫の公式情報の両方を確認することをおすすめします。
2. 今後1年間に必要な費用を整理する
次に、予備校の授業料だけでなく、受験料や受験に伴う交通費・宿泊費など、今後必要になる教育費を整理します。
国の教育ローンは、今後1年間に必要となる教育費が融資の対象です。必要額を把握してから申し込むことが大切です。
3. 世帯年収と扶養する子どもの人数を確認する
世帯年収(所得)の上限は、扶養する子どもの人数などによって異なります。
そのため、単純に「世帯年収が○万円だから利用できる」と判断するのではなく、家族構成や所得の種類などを含めて確認しましょう。
日本政策金融公庫では、申し込み前に利用条件を確認できるシミュレーションも用意しています。
4. 支払時期から逆算して申し込む
教育費は、入学金や授業料、予備校費用など、まとまった支払いが必要になる時期があります。
日本政策金融公庫は、余裕を持って資金を準備できるよう、必要時期の2~3カ月前の申し込みをすすめています。
予備校への支払期限が決まっている場合は、その期限を確認したうえで早めに準備しましょう。
予備校独自の奨学金・特待制度も確認しよう
予備校代の負担を減らす方法は、国の教育ローンだけではありません。
予備校によっては、入学試験や模試の成績、大学合格実績などを基準として、授業料の減免や特待生制度を設けている場合があります。
ただし、制度の有無や条件、免除される金額、対象となるコースなどは予備校ごとに異なります。
そのため、「予備校の奨学金」とひとまとめにせず、志望する予備校の公式サイトや募集要項を確認しましょう。
特待生制度は予備校ごとに条件が異なる
特待生制度は、JASSOのような全国共通の制度ではありません。
成績や選抜試験、模試の結果など、独自の条件が設定されていることがあります。
また、制度があってもすべての受講生が対象とは限らないため、入学前に「どの条件を満たせば利用できるのか」「いつ申し込む必要があるのか」「授業料のどの部分が減免されるのか」を確認してください。
予備校に奨学金を使いたいときのまとめ
「予備校 奨学金」と検索している場合、まずJASSOの奨学金と国の教育ローンを区別することが重要です。
JASSOの2026年度貸与奨学金では、予備校は対象外とされています。一方、日本政策金融公庫の国の教育ローンは、一定の条件を満たす予備校の費用を対象としており、塾・予備校代にも利用できます。
予備校代の資金を準備するときのポイント
- JASSOの貸与奨学金は予備校を対象としていない
- 国の教育ローンは一定の条件を満たす予備校代に利用できる
- 国の教育ローンの融資上限は原則350万円、一定要件では450万円
- 世帯年収だけでなく、扶養する子どもの人数なども確認する
- 予備校独自の特待制度や授業料減免制度も確認する
- 申し込み前に必ず日本政策金融公庫の最新情報を確認する
特に国の教育ローンは、対象となる予備校や世帯年収などの条件を満たしている必要があり、利用条件を満たせば必ず融資を受けられるわけではありません。
予備校への支払期限、必要となる教育費、家庭の収入状況を整理したうえで、利用できる制度を確認しましょう。
予備校の奨学金に関するよくある質問
Q. 予備校の費用にJASSOの奨学金は使えますか?
JASSOの2026年度貸与奨学金では、予備校は貸与対象外です。JASSOの奨学金は、大学、短期大学、高等専門学校、専門課程を置く専修学校など、対象となる学校・課程に在学する学生向けの制度です。
Q. 国の教育ローンは予備校代に使えますか?
一定の条件を満たす予備校であれば、国の教育ローンを予備校代に利用できます。日本政策金融公庫では、資金使途として「塾・予備校代」を案内しています。
Q. 国の教育ローンはいくらまで借りられますか?
2026年時点では、原則として子ども1人につき350万円までです。ただし、一定の要件に該当する場合は450万円まで利用できます。実際の融資額は申込内容や審査などによって決まるため、上限額まで必ず借りられるわけではありません。
Q. 国の教育ローンと奨学金は併用できますか?
日本政策金融公庫では、JASSOなどの奨学金と国の教育ローンを併用できると案内しています。ただし、それぞれの制度には異なる利用条件があります。併用を検討する場合は、各制度の最新条件を確認してください。
参考資料・公式情報
- 日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」
- 日本政策金融公庫「必要書類とお手続きの流れ」
- 日本政策金融公庫「インターネット申込(国の教育ローン)」
- 日本学生支援機構「大学・短大・専門課程を置く専修学校・高等専門学校に在学中の方」
※国の教育ローンの金利、利用条件、融資限度額などは変更される場合があります。申し込みを検討する際は、必ず日本政策金融公庫および各制度の公式情報をご確認ください。