交換留学では、奨学金を利用できる場合があります。代表的なのが、日本学生支援機構(JASSO)の「海外留学支援制度(協定派遣)」です。
2026年度のJASSO協定派遣では、派遣地域に応じて月額8万円~12万円が支給されます。ただし、すべての交換留学が対象になるわけではありません。対象となる留学プログラムや学生本人の条件を満たす必要があります。
また、JASSOの奨学金以外にも、大学独自の奨学金や民間財団などの制度があります。交換留学では、留学先大学の授業料が免除される場合もあるため、奨学金とあわせて確認することが大切です。
この記事では、交換留学に使える主な奨学金、JASSOの支給額や条件、申請方法、大学独自の制度、申し込み時の注意点を解説します。
この記事のポイント
- 交換留学ではJASSOや大学独自の奨学金を利用できる場合がある
- JASSO協定派遣の2026年度の月額は8万円~12万円
- JASSOは学生が直接申し込むのではなく、在籍大学を通じて申請する
- 交換留学では奨学金と授業料免除を分けて考える必要がある
- 申請期限や条件は大学・制度によって異なるため、早めの確認が重要
交換留学に奨学金は使える?
交換留学でも、奨学金を利用できる場合があります。
代表的な制度は、JASSOの「海外留学支援制度(協定派遣)」です。この制度は、大学などが海外の大学等と結んだ協定に基づいて学生を派遣するプログラムを対象としています。
ただし、交換留学に参加すれば自動的に奨学金を受け取れるわけではありません。対象となる派遣プログラムであることに加え、学生本人もJASSOが定める条件を満たす必要があります。
さらに、大学独自の奨学金や民間財団などの制度もあります。そのため、交換留学の奨学金を探すときは、JASSOだけでなく在籍大学の制度も確認しましょう。
交換留学で確認したい奨学金の種類
| 制度 | 特徴 | 主な確認先 |
|---|---|---|
| JASSO協定派遣 | 大学等の協定に基づく派遣を対象とする | 在籍大学・JASSO |
| 大学独自の奨学金 | 大学ごとに支給額や条件が異なる | 在籍大学 |
| 民間財団・自治体など | 制度ごとに対象者や支給内容が異なる | 各団体の募集要項 |
なかでも、最初に確認したいのが在籍大学の留学担当窓口です。交換留学の募集と同時に、利用できる奨学金を案内している大学もあります。
JASSOの「海外留学支援制度(協定派遣)」とは?
JASSOの「海外留学支援制度(協定派遣)」は、日本の大学などが海外の大学等との協定に基づいて学生を派遣するプログラムを支援する制度です。
2026年度は、在籍大学等に在籍したまま、8日以上1年以内の期間で海外へ派遣される学生が対象となる制度が設けられています。
ただし、対象となるのはJASSOから採択された派遣プログラムです。すべての交換留学が対象になるわけではありません。
制度の詳細は、JASSO「海外留学支援制度(協定派遣)」で確認できます。
JASSO協定派遣の支給額は月8万円~12万円
2026年度のJASSO協定派遣では、派遣地域によって支給月額が異なります。
| 派遣地域区分 | 月額 |
|---|---|
| A地区 | 12万円 |
| B地区 | 11万円 |
| C地区 | 9万円 |
| D地区 | 8万円 |
また、一定の条件を満たす学生には渡航支援金が支給される場合があります。
2026年度は、一定の家計基準を満たす学生を対象とした16万円の渡航支援金や、一定の派遣期間を満たす学生を対象とした1万円の渡航支援金が設定されています。
ただし、渡航支援金にはそれぞれ条件があります。月額の奨学金とあわせて、対象になるかを募集要項で確認しましょう。
ここで紹介している金額は2026年度の情報です。奨学金の金額や制度は変更される場合があるため、申請するときは最新のJASSO公式情報を確認してください。
JASSO協定派遣の主な対象条件
JASSO協定派遣では、派遣プログラムだけでなく、学生本人にも条件があります。
主な確認項目は次のとおりです。
- 日本国籍または所定の在留資格等の条件を満たしていること
- 協定等に基づく派遣であること
- 派遣先大学等から受入許可を受けること
- 経済的理由により自費のみでの参加が難しいと認められること
- 派遣に必要な査証を取得できること
- 派遣終了後に在籍大学等へ戻り、学業を継続すること
- 学業成績などについて所定の要件を満たすこと
- 他の奨学金との併給条件を満たすこと
つまり、「交換留学に参加する=JASSOの奨学金をもらえる」というわけではありません。
対象プログラムかどうかに加えて、学生本人が条件を満たしているか確認する必要があります。
また、実際の学生募集や選考は在籍大学等を通じて行われます。大学によって募集時期や選考方法が異なる場合があるため、大学の募集要項も確認してください。
JASSOへの申請は大学を通じて行う
JASSO協定派遣で注意したいのが、学生がJASSOへ直接申し込む制度ではないことです。
基本的な流れは次のとおりです。
- 大学等が派遣プログラムをJASSOへ申請する
- JASSOが派遣プログラムを審査する
- 採択されたプログラムについて大学等が学生を募集する
- 大学等が学生を選考する
- 大学等がJASSOへ対象学生を申請する
そのため、交換留学を考えている学生は、まず在籍大学に「参加予定の交換留学はJASSO協定派遣の対象ですか」と確認するとよいでしょう。
大学独自の奨学金も確認しよう
交換留学の奨学金を探す場合、JASSOとあわせて確認したいのが大学独自の奨学金です。
大学によっては、交換留学生を対象とした給付型の奨学金を用意しています。
ただし、支給額や募集時期、応募条件は大学ごとに異なります。そのため、他大学の制度をそのまま自分の大学に当てはめないようにしましょう。
大学独自の奨学金で確認する項目
大学の募集要項では、次の項目を確認しましょう。
- 対象となる交換留学プログラム
- 応募資格
- 募集期間
- 支給額
- 支給期間
- 成績基準
- 家計基準の有無
- 必要書類
- 他の奨学金との併給可否
特に注意したいのが、申請期限と併給条件です。
交換留学の応募期限と奨学金の申請期限が同じとは限りません。交換留学への応募より前に、奨学金の申請が必要になる場合もあります。
留学を決めてから探すのではなく、交換留学を検討する段階から募集情報を確認しておくと安心です。
交換留学では授業料免除も確認する
交換留学の費用を考えるときは、奨学金だけでなく留学先大学の授業料免除も確認しましょう。
大学間の交換留学協定によっては、留学先大学の授業料を支払わなくてよい場合があります。
ただし、授業料が免除されても、すべての留学費用が無料になるわけではありません。
| 費用 | 確認するポイント |
|---|---|
| 留学先大学の授業料 | 交換協定による免除の有無 |
| 在籍大学の学費 | 留学中の取り扱い |
| 航空券 | 自己負担か支援対象か |
| 住居費 | 寮・アパートなどの費用 |
| 生活費 | 食費・交通費など |
| 保険・査証 | 必要な費用と加入条件 |
そのため、交換留学の費用を考えるときは、奨学金の金額だけで判断しないことが大切です。
「必要な留学費用」から「奨学金や授業料免除などの支援」を差し引き、最終的な自己負担額を確認しましょう。
交換留学の奨学金を申し込む4つのステップ
STEP1:交換留学の制度を確認する
まずは、在籍大学が実施している交換留学について確認します。
留学先、派遣期間、募集時期、応募条件などを確認し、参加予定のプログラムがJASSO協定派遣の対象かどうかも確認しましょう。
STEP2:大学独自の奨学金を調べる
次に、在籍大学の留学センターや国際交流センターなどで、交換留学向けの奨学金を探します。
大学によっては、交換留学の募集ページと奨学金の募集ページが別になっていることがあります。
「交換留学の募集要項だけ確認して終わり」にせず、奨学金のページも確認しましょう。
STEP3:JASSOや外部制度を確認する
大学独自の制度に加えて、JASSOや民間財団、自治体などの制度も確認します。
ただし、制度によって対象となる留学形態が異なります。
交換留学を対象とする制度なのか、海外大学への進学を対象とする制度なのかを募集要項で確認してください。
STEP4:期限と併給条件を確認する
最後に、申請期限と併給条件を確認します。
複数の奨学金を見つけても、すべてを同時に受け取れるとは限りません。
それぞれの募集要項を確認し、申請できる制度を整理しましょう。
交換留学の奨学金を探すときの注意点
申請すれば必ず受給できるわけではない
奨学金には、応募条件だけでなく選考があります。
そのため、条件を満たしていても採用されるとは限りません。
特に大学独自の奨学金では、応募者の中から選考される場合があります。奨学金を受け取れることを前提に留学費用を計算するのではなく、自己負担額もあらかじめ確認しておきましょう。
奨学金だけで留学費用をまかなえるとは限らない
交換留学では、授業料以外にもさまざまな費用がかかります。
航空券、住居費、食費、保険料、現地での交通費などです。
そのため、奨学金の月額だけを見るのではなく、留学期間全体で必要な費用を計算することが大切です。
制度は年度によって変わる
奨学金の金額や募集条件は、年度によって変更される場合があります。
この記事では2026年度のJASSO情報を基準にしています。2027年度以降に交換留学を予定している場合は、最新年度の募集要項を確認してください。
特に申請時期や支給額は、古い情報をそのまま使わないよう注意しましょう。
交換留学の奨学金は在籍大学に確認するのが確実
交換留学で利用できる奨学金を探すなら、まず在籍大学の留学担当窓口に確認しましょう。
JASSO協定派遣は、大学等が実施する派遣プログラムを対象とする制度です。そのため、自分が参加する交換留学が対象になっているかを大学に確認する必要があります。
問い合わせるときは、次の項目を確認すると効率的です。
- 交換留学はJASSO協定派遣の対象か
- 応募できるJASSO奨学金はあるか
- 大学独自の奨学金はあるか
- 申請期限はいつか
- 成績や家計などの条件はあるか
- 他の奨学金と併給できるか
- 留学先大学の授業料は免除されるか
- 在籍大学の学費はどうなるか
これらを確認すれば、利用できる制度だけでなく、交換留学に必要な自己負担額も把握しやすくなります。
交換留学の奨学金に関するよくある質問
交換留学でもJASSOの奨学金は利用できますか?
利用できる場合があります。JASSOには「海外留学支援制度(協定派遣)」があり、大学等が海外の大学等との協定に基づいて実施する派遣プログラムを対象としています。
ただし、すべての交換留学が対象になるわけではありません。対象プログラムであることに加え、学生本人も所定の条件を満たす必要があります。
交換留学なら留学先の授業料は無料ですか?
交換協定によって、留学先大学の授業料が免除される場合があります。
ただし、在籍大学の学費や航空券、住居費、生活費、保険料などが必要になる場合があります。費用の扱いは大学や協定によって異なるため、在籍大学に確認してください。
JASSOと大学独自の奨学金は併用できますか?
制度によって異なります。
JASSO側で併給が認められていても、大学独自の奨学金や民間財団側で併給を制限している場合があります。必ず両方の募集要項を確認してください。
交換留学の奨学金はどこに申し込めばいいですか?
まず在籍大学の留学・国際交流担当窓口に確認してください。
JASSO協定派遣では、学生個人がJASSOへ派遣プログラムを直接申請することはできません。大学等がプログラムを申請し、その後、大学が学生を募集・選考します。
まとめ
交換留学では、JASSOの「海外留学支援制度(協定派遣)」や大学独自の奨学金、民間財団などの制度を利用できる場合があります。
2026年度のJASSO協定派遣では、派遣地域に応じて月額8万円~12万円が支給されます。一定の条件を満たす場合は、渡航支援金の対象になる場合もあります。
ただし、交換留学に参加すれば必ず奨学金を受け取れるわけではありません。対象となるプログラムや学生本人の条件、大学内での選考などを確認する必要があります。
また、交換留学では留学先大学の授業料が免除される場合がありますが、在籍大学の学費や渡航費、住居費、生活費などが必要になることもあります。
そのため、交換留学の費用を考えるときは、「奨学金はいくらもらえるか」だけではなく、「支援を差し引いた自己負担額はいくらか」まで確認しましょう。
まずは在籍大学の留学担当窓口に、JASSOの対象可否、大学独自の奨学金、申請期限、授業料免除の有無を確認することから始めてください。
本記事のJASSOに関する金額・制度内容は2026年度の公式情報をもとにしています。制度や募集条件は変更される場合があるため、申請時には最新の公式情報を確認してください。