オンライン大学への進学を考えているものの、「オンラインで学ぶ大学でも奨学金は利用できるの?」と疑問に感じている方もいるでしょう。
オンライン大学でも、条件を満たせば奨学金を利用できる場合があります。日本学生支援機構(JASSO)では、通信教育課程を含む大学等の在学者を対象に、給付奨学金や貸与奨学金の制度を設けています。
ただし、「オンライン大学だから必ず奨学金を利用できる」というわけではありません。大学や課程、奨学金の種類によって対象条件が異なるため、進学先がどの制度の対象になっているかを確認することが大切です。
この記事では、オンライン大学で利用を検討できる奨学金の種類、JASSOの対象条件、申し込み方法、確認しておきたいポイントを2026年度の公式情報をもとに解説します。
この記事の結論
- オンライン大学でも、条件を満たせば奨学金を利用できる場合があります
- JASSOでは通信教育課程を対象とした奨学金制度があります
- 給付奨学金、第一種・第二種奨学金など、制度によって条件が異なります
- 奨学金の対象かどうかは「オンラインかどうか」だけでなく、大学・課程・家計・学力などを確認する必要があります
- 2027年度に進学予定の場合は、進学先の大学と最新年度の募集要項を確認しましょう
オンライン大学でも奨学金は利用できる?
オンライン大学でも、条件を満たせば奨学金を利用できる場合があります。
JASSOは、大学・短期大学などの在学者向けの奨学金について「通信教育課程を含む」と案内しています。また、通信教育課程の学生向けに、貸与奨学金の専用案内も用意されています。
ただし、ここで注意したいのが「オンライン大学」という言葉だけでは、奨学金の対象になるか判断できないことです。
奨学金の対象となるかどうかは、主に次のような点を確認する必要があります。
- 進学・在学する大学が制度の対象となっているか
- 在籍する課程が対象となっているか
- 給付奨学金・貸与奨学金のどちらを利用するのか
- 家計基準や学力・学修要件を満たしているか
- 大学が定める申込時期に手続きをできるか
JASSOでは、大学等の在学者向けページで、通信教育課程を含む申込関係資料を公開しています。
JASSO「大学・短大・専門課程を置く専修学校・高等専門学校に在学中の方(通信教育課程を含む)」
オンライン大学と通信制大学は同じなの?
「オンライン大学」は、インターネットを利用して授業を受けられる大学を指す一般的な表現であり、奨学金制度上の分類そのものではありません。
一方、大学の制度上は「通信教育課程」などの区分で扱われることがあります。
そのため、オンラインで授業を受けられることだけを理由に「JASSOの対象になる」と判断するのではなく、進学先の大学名と課程を確認することが重要です。
特に、大学の公式サイトで「通信教育課程」「オンライン課程」「正科生」など、どのような学生区分で入学するのかを確認しましょう。
JASSOでは通信教育課程向けの奨学金案内がある
JASSOは2026年度について、通信教育を行う大学・短期大学・専門課程を置く専修学校などの学生向けに、貸与奨学金の案内を用意しています。
2026年度の案内では、通信教育課程や放送大学全科履修生について、一般の大学等とは別の「貸与奨学金案内(通信)」を確認して申し込むよう案内されています。
オンライン大学で利用を検討できる奨学金の種類
オンライン大学で奨学金を検討する場合、まずは給付奨学金・貸与奨学金・大学独自の支援制度に分けて考えると整理しやすくなります。
| 制度 | 返還 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 給付奨学金 | 原則不要 | 対象校、家計、学業・学修意欲など |
| 第一種奨学金 | 必要 | 学力、家計など |
| 第二種奨学金 | 必要 | 学力、家計など |
| 大学独自の奨学金 | 制度による | 大学ごとの募集条件・対象者 |
返済不要の給付奨学金
給付奨学金は、原則として返還する必要がない奨学金です。
JASSOの給付奨学金は、高等教育の修学支援新制度の一部として実施されています。この制度では、一定の要件を満たした学生を対象に、給付型奨学金に加えて、授業料・入学金の免除または減額が行われます。
ただし、すべての大学が対象となるわけではありません。修学支援新制度を利用する場合は、進学先の大学が対象校として確認されているかを確認する必要があります。
第一種奨学金
第一種奨学金は、JASSOが実施する無利子の貸与奨学金です。返還が必要なため、卒業後などに返還することを前提として利用します。
対象者には学力や家計などの基準が設けられており、オンライン大学・通信教育課程で利用する場合も、自分の学生区分に応じた基準を確認する必要があります。
JASSOは、在学採用の第一種奨学金について、通信教育課程に在籍する学生向けの学力基準も案内しています。
第二種奨学金
第二種奨学金は、JASSOが実施する有利子の貸与奨学金です。
2026年度の通信教育課程向け案内では、第二種奨学金の貸与額は2万円から12万円までの間で1万円単位で選択でき、通信教育課程では年額で振り込まれるとされています。
ただし、この金額は2026年度の通信教育課程向け貸与奨学金の情報です。今後進学する場合は、対象年度のJASSO公式資料を確認してください。
大学独自の奨学金・授業料減免制度
オンラインで学べる大学の中には、大学独自の奨学金や授業料の減免制度などを設けている場合があります。
ただし、大学独自の制度は大学ごとに対象者、支援内容、募集時期、選考方法などが異なります。
そのため、JASSOの制度だけでなく、進学を希望する大学の公式サイトにある「奨学金」「学費」「学生支援」などのページも確認しましょう。
オンライン大学の奨学金で確認したい3つの条件
オンライン大学の奨学金を調べる際は、「オンラインで学ぶから利用できる・できない」と考えるのではなく、次の3点を順番に確認すると判断しやすくなります。
1. 大学・課程が制度の対象か確認する
最初に確認したいのが、進学・在学する大学と課程が奨学金制度の対象になっているかです。
特に給付奨学金と授業料等の減免を利用する場合は、進学先が高等教育の修学支援新制度の対象校である必要があります。
文部科学省は、修学支援新制度の対象となる大学等の一覧を公開しています。
なお、対象校であっても、実際の支援対象となる課程や学生区分について確認が必要な場合があります。進学先の大学にも確認しましょう。
2. 所得・住民税・資産などの家計基準を確認する
奨学金の対象かどうかを「世帯年収だけ」で判断するのは避けましょう。
JASSOの給付奨学金では、申込者本人や生計維持者の住民税情報などを利用して支援区分が判定されます。2026年度の在学採用についても、申込者本人と生計維持者全員の住民税情報が採否や支給額の判定に利用されると案内されています。
また、給付奨学金では所得だけでなく、資産基準などの要件も確認する必要があります。
したがって、「年収が○万円だから対象」「年収が○万円だから対象外」といった単純な判断はできません。
自分が対象になる可能性を確認したい場合は、JASSOの進学資金シミュレーターを利用する方法もあります。ただし、シミュレーターはあくまで目安であり、最終的な判定は申込後の審査によります。
3. 学力・学修要件を確認する
奨学金制度によっては、学力や学修意欲などに関する基準も設けられています。
たとえば第一種奨学金では、在学採用において学校種別や入学年度などに応じた学力基準があります。
一方、給付奨学金については、高等教育の修学支援新制度において、世帯収入などの基準を満たし、学ぶ意欲などが確認されることで支援対象となる仕組みです。
どの奨学金にも同じ条件が適用されるわけではないため、希望する制度の最新案内を確認しましょう。
オンライン大学の奨学金は一般の大学と何が違う?
オンラインで学べる大学の奨学金を調べる際には、通信教育課程に特有の扱いにも注意しましょう。
JASSOでは、通信教育課程の学生について、一般の大学等とは別の貸与奨学金案内を用意しています。
2026年度の通信教育課程向け案内では、対象となる受講形態について、夏季・冬季スクーリングや通年スクーリングなどの区分が示されています。
つまり、「オンラインで授業を受ける大学なら、一般的な大学生とまったく同じ条件で奨学金を利用できる」とは限りません。
自分がどの課程・学生区分で在籍するのかを確認したうえで、該当するJASSOの案内を見ることが重要です。
通信教育課程では奨学金の支給方法にも注意
通信教育課程の奨学金では、一般の大学の学生と支給方法などが異なる場合があります。
たとえば、2026年度のJASSOの通信教育課程向け貸与奨学金案内では、第二種奨学金について年額で振り込まれることが示されています。
また、給付奨学金についても通信教育課程では受講形態によって扱いが異なるため、実際に利用する制度の最新案内を確認する必要があります。
「毎月いくらもらえるのか」だけを見るのではなく、いつ、どのような方法で支給・貸与されるのかまで確認しておきましょう。
オンライン大学の奨学金を申し込む方法
オンライン大学でJASSOの奨学金を申し込む場合は、基本的に次の順番で確認するとスムーズです。
- 進学・在学する大学と課程を確認する
- 利用できる奨学金と条件を確認する
- 大学の案内に従って申し込む
1. 進学・在学する大学と課程を確認する
まず、進学先の大学名だけでなく、入学する課程や学生区分を確認します。
「オンライン大学」という呼び方だけでは制度上の対象を判断できないため、大学の公式サイトや募集要項を確認しましょう。
2. 利用できる奨学金と条件を確認する
次に、給付奨学金、第一種奨学金、第二種奨学金、大学独自の奨学金など、自分が利用を検討できる制度を確認します。
給付型を希望する場合は、大学が高等教育の修学支援新制度の対象校かどうかも確認してください。
家計基準については、世帯年収だけで判断せず、JASSOが使用する住民税情報などを確認することが重要です。
3. 大学の案内に従って申し込む
進学後に申し込む「在学採用」では、在籍する学校を通じて手続きを行います。
JASSOは、大学等に在学している学生向けに、奨学金制度の概要や申込手続きを案内しています。
申込期間や必要書類は大学によって案内方法が異なる場合があるため、進学先の大学の奨学金担当窓口にも確認しましょう。
オンライン大学の奨学金を調べるときの注意点
奨学金を利用できても入学前の支払いに使えるとは限らない
奨学金を利用できることと、入学時に必要な費用をすぐに支払えることは別の問題です。
奨学金には申込時期や審査、採用後の支給時期があるため、入学金や授業料などをいつ支払う必要があるのかを事前に確認しておきましょう。
入学前の支払いが難しい場合は、大学に分納・延納などの制度がないか確認することも大切です。
「オンライン大学なら奨学金を利用できる」と一律に考えない
オンライン大学という名称だけでは、利用できる奨学金を判断できません。
特に確認したいのは、次の4点です。
- 大学が奨学金制度の対象になっているか
- 自分が在籍する課程が対象になっているか
- 給付・貸与の条件を満たしているか
- 大学が指定する申込期間に手続きできるか
この4点を確認すれば、「オンラインだから奨学金は使えないのでは?」と漠然と考えるのではなく、自分が利用できる制度を具体的に絞り込めます。
2027年度に進学する場合は最新情報を確認する
この記事では、主に2026年度のJASSO公式情報をもとに説明しています。
2027年度にオンライン大学への進学を予定している場合は、2026年度の制度をそのまま適用できるとは限りません。
特に、奨学金の金額、対象条件、申込時期などは年度によって変更される可能性があります。
進学予定者は、JASSOと進学先の大学が公表する2027年度の最新資料・募集要項を確認してください。
オンライン大学の奨学金を探すなら、まず大学とJASSOを確認しよう
オンライン大学でも、条件を満たせばJASSOの給付奨学金や貸与奨学金などを利用できる場合があります。
ただし、奨学金の対象になるかどうかは「オンライン大学かどうか」だけでは決まりません。
まずは次の順番で確認しましょう。
- 進学・在学する大学と課程を確認する
- 利用できる給付・貸与奨学金を確認する
- 家計・学力などの条件を確認する
- 大学の申込時期と手続きを確認する
- 大学独自の奨学金や授業料減免も確認する
特に給付奨学金や授業料等の減免を検討している場合は、進学先が高等教育の修学支援新制度の対象校かどうかを確認しましょう。
また、家計基準は世帯年収だけで判断できないため、JASSOの公式情報やシミュレーターを利用して確認することをおすすめします。
2027年度以降に進学する場合は、この記事の情報だけで判断せず、必ず対象年度のJASSO資料と進学先大学の最新情報を確認してください。
オンライン大学の奨学金に関するよくある質問
オンライン大学でもJASSOの奨学金は利用できますか?
条件を満たせば利用できる場合があります。JASSOは通信教育課程を含む大学等の在学者向けに、給付奨学金や貸与奨学金の申込関係資料を用意しています。
ただし、大学・課程・学生区分などによって対象となる制度が異なるため、進学先の大学とJASSOの最新資料を確認してください。
オンライン大学なら給付奨学金を受けられますか?
オンラインで学べることだけを理由に給付奨学金の対象になるわけではありません。
高等教育の修学支援新制度を利用する場合は、進学先が対象校であることに加え、家計や学業・学修意欲などの要件を満たす必要があります。
社会人でもオンライン大学の奨学金を利用できますか?
社会人だからという理由だけで一律に利用できる・できないと判断することはできません。
奨学金ごとに対象となる学生区分や年齢、学力、家計などの条件が設定されているため、自分が希望する大学・課程と奨学金制度の条件を確認する必要があります。
特に通信教育課程では、JASSOの通信教育課程向け案内を確認しましょう。
※奨学金の対象条件、金額、申込時期などは変更される場合があります。2027年度以降に進学・在学する場合は、対象年度の最新資料および進学先・在籍校の公式案内をご確認ください。