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法科大学院への進学で利用できる奨学金・学費支援制度

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更新日:
法科大学院への進学で利用できる奨学金・学費支援制度

法科大学院では、日本学生支援機構(JASSO)の第一種・第二種奨学金や、大学独自の奨学金、授業料の減免制度などを利用できる場合があります。また、一定の条件を満たす社会人で、専門実践教育訓練の指定講座となっている法科大学院の課程を受講する場合は、専門実践教育訓練給付制度の対象となる可能性もあります。

ただし、利用できる制度や金額、申込条件、募集時期は、奨学金の種類や進学先、入学年度によって異なります。

この記事では、法科大学院への進学を検討している人に向けて、利用できる主な奨学金・学費支援制度、JASSOの貸与月額、利用条件、申込方法、進学前に確認しておきたいポイントを解説します。

この記事の要約

  • 法科大学院では、JASSOの第一種・第二種奨学金を利用できる場合があります。
  • 第一種奨学金は無利子、第二種奨学金は有利子の貸与型です。
  • 2026年度のJASSOでは、法科大学院の第二種奨学金について、月額15万円を選択した場合に4万円または7万円の増額が可能です。
  • 大学独自の給付型奨学金や授業料減免制度を設けている法科大学院もあるため、進学先の募集要項も確認する必要があります。
  • 社会人の場合は、専門実践教育訓練給付制度の対象となる法科大学院の課程があるため、指定講座かどうかを確認しましょう。

法科大学院で利用できる奨学金・学費支援制度

法科大学院への進学費用を準備する場合、まず確認したいのが「どの制度を利用できるか」です。

主な選択肢には、JASSOの貸与奨学金、法科大学院が独自に設ける奨学金・授業料減免、社会人を対象とする専門実践教育訓練給付制度などがあります。

制度支援の形返還の有無主な確認先
JASSO 第一種奨学金貸与・無利子原則ありJASSO・進学先
JASSO 第二種奨学金貸与・有利子ありJASSO・進学先
大学独自の奨学金給付・貸与など制度による各法科大学院
授業料減免・免除学費の減額原則なし各法科大学院
専門実践教育訓練給付制度受講費用の一部を給付原則なし厚生労働省・ハローワーク

なお、JASSOの大学院向け貸与奨学金は、第一種が無利子、第二種が有利子です。法科大学院を含む専門職大学院も対象となっています。JASSO「貸与奨学金(返済必要)」

法科大学院で利用できるJASSOの奨学金とは?

法科大学院の学生が利用を検討できるJASSOの代表的な制度が、第一種奨学金と第二種奨学金です。

どちらも貸与型のため、原則として卒業後などに返還する必要があります。給付型奨学金とは異なり、借りた金額を将来返還することを前提に資金計画を立てることが重要です。

第一種奨学金は無利子で利用できる

第一種奨学金は、利子が付かない貸与型の奨学金です。

JASSOの現行制度では、修士課程相当の大学院について月額5万円または8万8,000円が設定されています。法科大学院は「専門職大学院課程」に含まれるため、第一種奨学金の対象となる課程に該当します。

対象課程第一種奨学金の貸与月額
修士・博士前期課程・専門職大学院課程5万円・8万8,000円

ただし、実際に採用されるには、学力基準や家計基準などの条件を満たす必要があります。

また、貸与された奨学金は原則として返還が必要です。「無利子だから返さなくてよい」という制度ではない点に注意しましょう。

JASSO「平成30年度以降入学者の貸与月額」

第二種奨学金は有利子で、法科大学院には増額制度がある

第二種奨学金は、利子が付く貸与型の奨学金です。

大学院では、月額5万円、8万円、10万円、13万円、15万円から選択できます。

さらに、法科大学院の法学を履修する課程では、15万円を選択した場合に限り、4万円または7万円を増額できます。

第二種奨学金月額
通常の貸与月額5万円・8万円・10万円・13万円・15万円
法科大学院の増額15万円+4万円=19万円
法科大学院の増額15万円+7万円=22万円

つまり、JASSOの第二種奨学金では、一定の条件を満たす法科大学院の学生は最大で月額22万円の貸与を選択できる場合があります。

ただし、22万円を全員が利用できるわけではありません。法科大学院の法学を履修する課程であること、15万円の月額を選択することなど、JASSOが定める条件を満たす必要があります。

また、第二種奨学金は有利子であるため、貸与額を増やすほど将来の返還負担も大きくなります。必要な学費や生活費を確認したうえで、必要額を検討しましょう。

JASSO「第二種奨学金の貸与月額」

法科大学院の奨学金を利用するには条件がある

JASSOの奨学金は、希望すれば誰でも利用できるわけではありません。第一種・第二種それぞれに申込資格、学力基準、家計基準などが定められています。

第一種奨学金には学力基準と家計基準がある

大学院の第一種奨学金では、学力基準と家計基準の両方を満たす必要があります。

専門職大学院課程への進学予定者については、大学・大学院での成績が特に優れ、将来、研究能力または高度な専門性を必要とする職業等に必要な能力を備えて活動できると認められることが、学力基準として示されています。

したがって、「法科大学院に進学するから第一種を利用できる」という単純な仕組みではありません。

JASSO「進学前(予約採用)の第一種奨学金の学力基準」

家計基準は年収だけで判断しない

JASSOの大学院向け貸与奨学金では、申込者本人と配偶者の住民税情報などから算出される「貸与額算定基準額」を用いて家計基準を判定します。

2026年度の大学院向け第二種奨学金では、専門職大学院(法科大学院を含む)の基準は、第二種のみの場合で貸与額算定基準額155,300円以下、第一種のみの場合で66,400円以下、第一種と第二種の併用の場合で61,600円以下とされています。

ただし、この基準額をそのまま「年収○万円以下」と読み替えることはできません。世帯状況などによって判定が変わるため、JASSOの公式情報で確認する必要があります。

また、住民税情報の参照時期によって対象となる所得年も異なります。2026年度の在学採用では、通常、2024年の収入に基づく2025年度住民税情報が使われ、秋に申し込む場合は2025年の収入に基づく2026年度住民税情報が使われます。

JASSO「大学院で受ける第二種奨学金の家計基準」

法科大学院独自の奨学金・授業料減免も確認しよう

法科大学院への進学費用を考える場合、JASSOだけでなく、進学先の大学が独自に設けている支援制度も確認しましょう。

大学によっては、入学試験の成績、在学中の成績、経済的事情などを基準として、給付型奨学金や授業料の減免・免除制度を設けている場合があります。

ただし、制度の名称や支援額、対象者、採用人数、申請時期、継続条件などは大学ごとに異なります。

そのため、「法科大学院なら一律で○万円の奨学金を受けられる」と考えるのではなく、志望する法科大学院の公式サイトや募集要項を確認してください。

確認項目確認する内容
対象者入学予定者・在学生のどちらが対象か
選考基準入試成績・学業成績・家計状況など
支援内容給付・貸与・入学金免除・授業料減免など
申請時期入学前か、入学後か
継続条件成績などの条件が設定されているか

社会人なら専門実践教育訓練給付制度も確認

社会人から法科大学院への進学を考えている場合は、専門実践教育訓練給付制度も確認しておきましょう。

専門実践教育訓練給付制度は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講・修了した場合などに、一定の条件を満たす雇用保険の加入者等を対象として、受講費用の一部が支給される制度です。

2026年10月1日時点では、専門実践教育訓練の指定講座のうち「専門職大学院の課程及び外国の大学院の学位の取得のための課程」に法科大学院が含まれています。

ただし、すべての法科大学院・すべての課程が対象になるわけではありません。進学を検討している法科大学院の課程が厚生労働大臣の指定講座になっているかを、公式の講座検索システムで確認する必要があります。

また、給付を受けるには、指定講座であることに加えて本人が支給要件を満たす必要があります。

厚生労働省によると、専門実践教育訓練給付金は、一定の条件を満たした場合、教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が基本となり、資格取得・就職などの条件を満たした場合には追加給付があります。さらに、2024年10月1日以降に受講を開始した場合、訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合には、追加給付の対象となる仕組みもあります。

給付率や上限額は制度改正の影響を受けるため、申請時点の厚生労働省の情報を確認してください。

厚生労働省「専門実践教育訓練の指定講座を公表しました」

厚生労働省「教育訓練給付金 厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム」

法科大学院の奨学金はいつ申し込む?

JASSOの大学院向け貸与奨学金には、進学前に申し込む「予約採用」と、進学後に申し込む「在学採用」があります。

入学前なら予約採用を確認する

法科大学院への進学前に奨学金の利用を決めたい場合は、進学予定の大学院が予約採用の申込みを受け付けているか確認しましょう。

JASSOでは2027年度に大学院へ進学予定の人向けの予約採用に関する案内が公開されています。大学院の予約採用は、進学予定の大学院を通して申し込む仕組みで、大学院によっては予約採用を行っていない場合があります。

そのため、2027年度に法科大学院へ進学する予定なら、JASSOの公式案内だけでなく、進学予定の法科大学院の奨学金担当窓口にも申込時期を確認することが重要です。

JASSO「大学院へ進学予定の方」

入学後は在学採用を確認する

入学後に奨学金を申し込む場合は、在学採用の募集時期を確認します。

JASSOの在学採用は、在籍している学校を通じて申し込む制度です。大学院では春と秋に申込みの機会が設けられる場合がありますが、具体的な募集時期や校内締切は大学によって異なります。

入学後に申し込む場合も、法科大学院の奨学金担当窓口から案内される募集期間を確認しましょう。

JASSO「進学後(在学採用)の第一種奨学金の学力基準」

第一種奨学金には返還免除制度もある

JASSOの大学院第一種奨学金には、「特に優れた業績による返還免除」の制度があります。

これは、大学院で第一種奨学金の貸与を受けた人のうち、貸与期間中に特に優れた業績を挙げた者として認定された場合に、奨学金の全額または半額が返還免除となる制度です。

専門職学位課程も対象に含まれますが、第一種奨学金を借りた人が自動的に返還免除になるわけではありません。

貸与終了時に大学へ申請し、大学による推薦などを経て、JASSOの審査によって免除者が決定されます。申請時期や学内手続きは大学によって異なるため、対象となる場合は進学先の大学院に確認してください。

JASSO「特に優れた業績による返還免除の概要」

法科大学院の奨学金を選ぶときに確認したい5つのポイント

  1. 進学する法科大学院を決める
    大学によって独自の奨学金や授業料減免制度が異なるため、まず志望校の制度を確認します。
  2. JASSOの利用条件を確認する
    第一種・第二種それぞれの申込資格、学力基準、家計基準を確認します。
  3. 予約採用と在学採用のどちらで申し込むか確認する
    進学前に申し込めるか、入学後に申し込むのかを確認します。
  4. 社会人は教育訓練給付の対象か確認する
    進学予定の法科大学院・課程が専門実践教育訓練の指定講座かどうかを確認します。
  5. 卒業後の返還額まで考えて借入額を決める
    貸与型奨学金は将来返還する必要があるため、授業料だけでなく生活費なども含めて必要額を計算します。

奨学金を決める前に確認したいこと

  • 法科大学院の入学金・授業料はいくらか
  • 大学独自の奨学金・授業料減免制度はあるか
  • JASSOの第一種・第二種のどちらが利用できるか
  • 第二種の法科大学院向け増額の対象になるか
  • 予約採用の申込期限はいつか
  • 社会人の場合、専門実践教育訓練給付の対象講座か
  • 卒業後に無理なく返還できる金額か

法科大学院の奨学金についてよくある質問

法科大学院でもJASSOの奨学金は利用できますか?

はい。法科大学院はJASSOの大学院向け貸与奨学金における専門職大学院に含まれており、条件を満たせば第一種・第二種奨学金を利用できます。

ただし、申込資格、学力基準、家計基準などを満たす必要があります。

法科大学院の奨学金は返済不要ですか?

JASSOの第一種・第二種奨学金は貸与型のため、原則として返還が必要です。

一方、大学独自の給付型奨学金や授業料減免など、返還を前提としない支援制度が設けられている場合もあります。制度ごとに条件を確認してください。

社会人でも法科大学院の学費支援を受けられますか?

利用できる可能性があります。JASSOの貸与奨学金に加えて、進学する法科大学院の課程が専門実践教育訓練の指定講座であり、本人も支給要件を満たしていれば、専門実践教育訓練給付制度を利用できる場合があります。

ただし、指定講座であることと、本人が給付の支給要件を満たすことは別々に確認する必要があります。

第一種奨学金は返還免除になりますか?

一定の条件を満たす場合、大学院第一種奨学金には「特に優れた業績による返還免除」があります。

ただし、第一種奨学金を借りれば自動的に返還免除になる制度ではありません。貸与終了時に申請し、大学からの推薦やJASSOによる審査などを経て決定されます。

まとめ|法科大学院の奨学金は進学先と入学年度を基準に確認しよう

法科大学院への進学を考える場合、まず確認したいのはJASSOの第一種・第二種奨学金です。

第一種は無利子、第二種は有利子の貸与型で、2026年度の第二種では法科大学院の法学を履修する課程について、15万円を選択した場合に4万円または7万円を増額できます。

また、JASSOだけでなく、進学先の法科大学院が独自に設けている奨学金や授業料減免制度も確認しましょう。社会人の場合は、専門実践教育訓練給付制度の指定講座かどうかを確認することも重要です。

奨学金は「いくら借りられるか」だけでなく、「卒業後にいくら返還することになるか」まで考えて選ぶ必要があります。進学する法科大学院と入学年度を決めたら、JASSOの最新情報と大学の募集要項を確認し、自分に利用できる制度を比較しましょう。

参考資料

※奨学金の金額、申込資格、家計基準、募集時期、教育訓練給付の指定状況などは変更される場合があります。申込みの際は、必ずJASSO、厚生労働省、進学予定の法科大学院が公開する最新の募集要項・公式情報を確認してください。

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奨学金バンク 編集部
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